奥武蔵の風

113 おもてなしを感じる柏木山

 柏木山は、飯能市 苅生(かろう)にある標高 303メートルの山です。

 地元の古い村誌には「高ドッケ山」とあるそうで、山頂の「柏木山」の名標の裏面にも「Mt. TakadockE 」と記してあります。一登二座。嬉しいことに、一回で2つの山に登ったことになるんですね。低山ながら達成感があります。

 いや冗談は別としても、この山の展望は格別です。近くの多峯主山、龍崖山と合わせて「飯能三山」とも呼ばれる由ですが、信仰の山であった多峯主山、山城があった龍崖山と異なって、柏木山を知る人は少なかったようです。

 しかし、近年になって入間川の南に大河原工業団地が造成されたことに伴い、龍崖山とともに、飯能駅からのアクセスが良くなり、ハイキングコースが一気に整備されて、誰でもが柏木山の素晴らしい展望を楽しめるようになりました。

 登山口は、大河原工業団地へ通じる新道の脇にあります。現地の飯能市観光協会のハイキングコース案内板には、なぜか柏木山は掲載されていないのですが、「赤根ケ峠」へのルートに沿って進めば、途中各所に柏木山への道標が設置されています。

 山頂には、富士山はじめ見渡せる山々の説明板をはじめ、ベンチや木造りの人形、覗き竹筒など、登頂者を楽しませてくれる気配りがなされていて、コースの整備ぶりと合わせて、この山を愛する地元有志の方々の おもてなしの心が色濃く感じられます。

 このほど、私ども夫婦も、推奨コースの「あかね尾根コース」(ホタル谷)⇒「フェンスコース」から登頂し、帰路は、途中から誤って、地図にはあるものの道標のない「ジャンダルム尾根」(北コース)へ入ってしまいましたが、結果的には、冬の静かな尾根道を存分に楽しむことができました。

 

 


(写真上)© ジャンダルム尾根にある「覗き竹筒」。奥武蔵の山々を紹介してくれる おもてなしの心が嬉しい。今回はここが、柏木山ハイキングのハイライトになりました。

 


(写真上)© 登山口にある飯能市全体のハイキングコースの案内板。柏木山はコース上になく記載されていませんが、どなたかがマジックで、最上部の正しい位置に小さく丁寧に書き込んでくれています。落書きとは思えず、善意の役立つ書き込みです。

 


(写真上)© 登山口の道標

 


(写真上)© あかね尾根コースのホタル谷

 


(写真上)© 整備された木段

 


(写真上)© 道標が心強い。




(写真上)© ここから柏木山山頂へのコースが分かれます。ゴルフ場の境界に沿ったフェンスコースが、風情は欠くものの最短コース。



(写真上)© 富士見の丘。ウーン、この日は見えませんでした。

 


(写真上)© クマの目撃情報も。令和5年3月とあります。

 


(写真上)© 山頂です。


(写真上)© 山頂標の裏面には「高ドッケ山」と英語で。丸い輪は「平和の鐘」。木づちで鳴らせます。奥に見えるのは龍崖山。


(写真上)© 山頂にあるコースガイド。参考とありますが、きわめて正確です。

 


(写真上)© 見渡せる山々や都心方向の案内。展望の良さが分かります。

 


(写真上)© 富士山方向。この日、富士山は見えませんでしたが、これだけの展望は奥武蔵の山でも、希少です。

 


(写真上)© 下山の帰路に取ったジャンダルム尾根コース。快適な尾根道が続きます。


(写真上)© 尾根道の最高地点「ジャンダルム」。真新しい覗き竹筒が、来た甲斐があったという感動を与えてくれます。(そもそもアルプスに並ぶ「ジャンダルム」という名前がすごい! ちなみに、ジャンダルム尾根という名称は、飯能市観光協会発行のマップにも記載されています。)

 


(写真上)© ジャンダルム尾根の東端「茜台展望台」。左奥は多峯主山。ここから先は、一気に急な下り坂となります。

 


(写真上)© 往路と同じホタル谷の道に出ました。道標の少し先の右側に、下りてきたジャンダルム尾根コースの出口(こちらからすると入口)があります。

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