廃棄寸前だった、DELLのデスクトップ(CPU:Intel Pentium Dual-Core E5200 2.5GHz メモリ:2GB)に”xubuntu”をインストールして、なかなか快適なので、今やメインPCとなっている。
データの共有はNASがあるので問題ないが、やはりメールも他のマシン(Windowsとか)と共有したい。
簡単な案としては、gmailに自分のメールを登録して、webメールとして使うのが簡単そうだ。
本当は、完全にwebに依存する形は取りたくないが、とりあえずやってみることにしたが、私の契約しているレンタルサーバーが、送信時の暗号化に対応していない。gmailに登録するには必須であったため、あっさり断念。
つまり、受信登録はできるが、送信サーバーが登録できないため、送信はgmailとなってしまう。外出先とかなら我慢できるが、常に共有するメールシステムとしてはだめだな。
もともと、全てのデータ、アドレス帳も含み、クラウド上に置くのはノリ気がしなかったのでまあいい。できれば自宅LAN内で共有したい。
次は”Thunderbird Portable”というのを見つけた。これは1つのフォルダにインストールすると、メールソフトがそのフォルダの中だけで完結する。
つまりそのフォルダ1つをUSBメモリなどにコピーすれば、自分のメール環境を持ち運び、インターネット環境のあるPCであれば、自分のメールソフト(データも含めて)を使用できるという物。
”これはすばらしい!!”
と思い、NASの共有フォルダに置いたところ、見事に、どのPCからでも起動できる。(ちなみにxubuntuにwineをインストールして、Windows用のものを使った。)
しかーし、残念ながら、起動がちょー遅く(xubuntuで約3分、Windowsで約1分)”やってらんねー”ということで却下。
この”Thunderbird Portable”を"google Drive"や"Drop Box"などに置いて、同期させようか。とか考えたが、メールのデータなので、数ギガになることを考えると、現実的でないので却下。
ということで、普通の”Thunderbird”でデータをNASに置く方式を選択。”Thunderbird”のアドオンでアドレス帳の共有までできたので、書いておく。
まずは、Windows,xubuntuそれぞれ”Thunderbird"をインストールする。Windowsはインターネットでダウンロードする。
https://www.mozilla.org/ja/thunderbird/
xubuntuは”ソフトウェア”からインストールすればOK(プリインストールされてたかどうかは覚えていない。)

まずは、普通に自分のメール設定をおこなう。こんな記事を読む人がメールの設定が出来ないとは思えないが、このへんを参照していただければ何とかなるだろう。メールサーバーの設定で、受信メールはデフォルトでサーバーに14日間残す設定になっているので、そのままにしておく。共有の設定が出来たら、自由に変更すればよい。(ただし、数日は残す設定にしておいたほうが良い。理由はあとで述べる)
メールが使えるようになったら、ホームフォルダ”/home/[ユーザー名]”に”.thunderbird”というフォルダを見つける。(”表示→隠しファイルを表示”にしておく)

”.thunderbird"→"suufrceu.default"と展開していくと”Mail”というフォルダがあり、これがデータフォルダだ。
この”Mail”フォルダをコピーし、NASの共有フォルダに貼り付ける。”Mail”フォルダの中身は”Local Folders”と自分のメールのドメイン名のフォルダの2つだ。あとでアドレス帳を共有するために”address”という空のフォルダを作っておく。(フォルダ名は任意)

準備が出来たら、Thunderbirdのメールデータの参照先を2箇所変更する。
まずThunderbirdを起動(起動したときにメールを受信してしまっても、サーバーに残す設定になっているので気にしない。)
右上の3本線メニューから、”設定”→”アカウント設定”を選択する。

変更するのは、”サーバー設定”の一番下の”メッセージの保存先”。
右側の”参照”ボタンから、先ほど共有フォルダに置いた”Mail”の中の自分のメールのドメイン名のフォルダを指定。
”OK”すると、再起動しろと言われるので、再起動。
また、右上の3本線メニューから、”設定”→”アカウント設定”を選択する。
次に”ローカルフォルダー”のメッセージの保存先”を先ほど共有フォルダに置いた”Mail”の中の”LocalFolders”を指定する。

ここまでの作業で、メールデータを共有フォルダに置くことができる。送信済みメールや新しく作ったフォルダ、移動したメール等、xubuntuでも、Windowsでもきちんと反映される。
アドレス帳は、ちょっと方式が違う。Thunderbirdのアドオンを使う。
右上の3本線メニューから、”アドオン”を選択するとアドオン入手の画面がでる。

画面右の方に”すべて見る”をクリックすると下の画面になり検索できる。
検索窓に”addressbook”で検索。

”Addressbook Synchronizer”を”Thunderbirdに追加”クリック。
再起動を促されるので、再起動。
次に、”アドレス帳”から、”ファイル”→”新規作成”→”アドレス帳”で同期用のアドレス帳を新規作成”address”(名前は任意)
作成したら、一旦閉じる。

次は”Addressbook Synchronizer”の設定だ。やること沢山あって大変そうだがそうでもない。
右上の3本線のメニューから、”アドオン”→”拡張機能”で下の画面。

”Addressbook Synchronizer”の”設定”クリック
”address”、"起動時に自動ダウンロード"、"終了時に自動アップロード"にチェック
”ローカルファイルと同期”の”場所”から、先ほど作った共有フォルダ内の”address”フォルダを指定する。
基本的にはこれでOKなのだが、共有フォルダの”address”に既にアドレス帳がある場合は要注意。2台目、3台目の設定では大いに考えられる。
ここで”今すぐダウンロード”をクリックしておかないと、”Thunderbird”終了時、空のアドレス帳がアップロードされてしまう。アドレスが何千件あろうと、ゼロになる。(一度見事にやられました)
outlook等からのアドレス帳の移行は、CSVでエクスポートして、インポートするだけで難しくないのだが、ものすごくめんどくさい。
何がめんどくさいかは、やってみればわかるであろう。
あとはWindowsであろうとLINUXであろうと、同じ設定を繰り返せば、共有フォルダ内のメールデータが共有できる。起動の速さも変わらない。
たまに、PC起動時になぜか、共有フォルダの自動マウントに失敗しているときは。自分のPC内のメールデータを読みに行くので、全然違うメールデータが表示される。ファイル(エクスプローラ)などから共有フォルダに一度アクセスすると治るのだが、メールは一度受信してしまうので、前に書いた、数日はサーバーにメールを残す設定にしておいたほうが良い。
この設定で数週間使用しているが、かなかな使い勝手が良い。