GOH GOH GOH

至誠惻怛(しせいそくだつ)=真心と慈愛の精神

映画「眠狂四郎無頼控・魔性の肌」

2010-05-10 | 日記
 ――「眠狂四郎無頼控・魔性の肌~今宵また、抱いた女体に殺気が走る! 抱いて燃えず、斬って冷たし円月殺法」 (市川雷蔵、鰐淵晴子、久保菜穂子、長谷川待子、渚まゆみ、成田三樹夫、金子信雄、木村俊恵。三木本賀代、遠藤辰雄、毛利郁子、小柳圭子、香山恵子、原作=柴田錬三郎、監督=池広一夫・1967) DVD ……「眠狂四郎」は1956年から、何度も映画やテレビで映像化された。なかでも市川雷蔵主演の映画(1963~1969)、田村正和主演のテレビ(1972~1973)は話題になった。雷蔵の映画を見て、映像はクラシカルだが、内容はおもしろい。1983年の片岡孝夫主演のテレビを最後に制作されていないようだが、いずれまた新たなヒーローを得て映画やテレビになるのではないか。
 
 
 
 少女スターからの脱皮を図っていたころの鰐淵晴子(当時22歳)がヒロイン役で出演。
  ◇
 混血の宿命を呪う狂四郎(市川雷蔵)はしばらくの間、矢場の女おえん(久保菜穂子)と暮らしていたが、ある日、闕所物奉行朝比名修理亮(しゅりのすけ・金子信雄)のたっての願いで、その娘ちさ(鰐淵晴子)の貞操を代償に、将軍からある公卿に贈る黄金のマリア像を京都まで護送する仕事を引き受けた。その黄金像は、かつてポルトガルから天草四郎に贈られたもので、島原の乱の残党黒指党が狙っているということだった。
 翌日、修理亮の妻、園枝(木村俊恵)が自害した。自分あての遺書で、わけを知った狂四郎。それを胸に収め、ちさとともに京都へ向かった。途中、黒指党が襲ってきたが、狂四郎の無想正宗に倒された。だが、狂四郎を狙うのは侍ばかりではなく、哀れみを誘って近づく武家女、岩風呂で狂四郎に色仕掛けで迫る野性の女(渚まゆみ)、いずれも黒指党の息のかかった女だった。虎口を脱して京都に着いた狂四郎をおえんが待っていた。しかし、狂四郎はおえんもまた黒指党の者だと知った。狂四郎に惚れているおえんは手を下すことができず、そのため三枝右近(成田三樹夫)の悽惨なリンチにあって死んだ。
 一方、右近と修理亮が狂四郎とちさを待ち受けていた。修理亮は突然ちさを斬り、黄金像を奪った。唖然とした狂四郎は、この修理亮が双児の弟で偽物だと知っていたが、偽物の実の娘がちさだった。修理亮と入れ代った弟に犯され自害した園枝は、娘時代にもこの弟に犯され、修理亮の承諾を得てちさを生んだのだった。狂四郎は茫然としているこの男を斬った。そして、右近も決闘のすえ、円月殺法に敗れ去った。しかし、狂四郎は、ちさも右近も、それぞれ自分と同じような宿命をもって死んでいったことを、暗澹たる気持ちで思うのだった。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


この記事についてブログを書く
« 連休名残の日曜 | トップ | 朝から夕方まで雨模様 »