というわけで、世界ランキングの推移について、来年(の日本ツアー開幕まで)はどうなりそうか、ということについて、いろいろ数字を出してみました。
まだ遼くんのスケジュールははっきりとは分りませんが、だいたい下の表のような感じでしょうか。(ロイヤルトロフィーは世界ランク算定外なので省略しました。)
3月4日からの「メイバンク・マレーシア・オープン」は、遼くんの学校の卒業式と重なるんじゃないかなあ?ということで、欠場だと私は睨んでいます。(もし卒業式と重なるのなら、卒業式を選んで欲しいよ~という私の希望的観測も入っていますが。)
日本ツアー開幕までの海外試合とポイント | |||||||||
優勝 | 2位 | 3位 | 4位 | 8位 | 12位 | 20位 | pointの付く 最低順位 | ||
2/4~ | ノーザン・トラスト | 62.0 | 37.2 | 24.8 | 18.6 | 9.9 | 7.4 | 4.3 | 55位に1.2 |
2/11~ | AT&Tペブルビーチ | 46.0 | 27.6 | 18.4 | 13.8 | 7.4 | 5.5 | 3.2 | 49位に1.2 |
2/15~ | WGC-アクセンチュア | 76.0 | 45.6 | 30.4 | 22.8 | 14.8 | 8.9 | 4.4 | 全員に2.05 |
3/11~ | WGC-CA | 78.0 | 46.8 | 31.2 | 23.4 | 12.5 | 9.4 | 5.5 | 59位に1.2 |
3/18~ | トランジションズ | 46.0 | 27.6 | 18.4 | 13.8 | 7.4 | 5.5 | 3.2 | 49位に1.2 |
3/25~ | パーマー招待 | 60.0 | 36.0 | 24.0 | 18.0 | 9.6 | 7.2 | 4.2 | 56位に1.2 |
4/8~ | マスターズ | 100.0 | 60.0 | 40.0 | 30.0 | 16.0 | 12.0 | 7.0 | 予選通過1.5 |
※ポイントは昨年の実績。今年は少し変わるかも。順位は単独の場合。 ※WGC-アクセンチュアはマッチプレーなので順位の付き方が違います |
それぞれの試合の話はさておき(というか私はそれを語れる力は無いので)、これらに出場することで、遼くんの世界ランクはどうなる可能性があるのか、ということを↓のグラフにまとめてみました。(今年のランク推移には、参考までに池田勇太のランク推移も入れてみましたよ) 2010年1月~4月(日本開幕直前)までの線は、上の表の7試合全てに出場した場合のシミュレーション結果です。
「最悪の場合」と書いた線は、「7試合全てで全くポイントが取れなかった場合」です。石川遼は、出場すればするほど試合数=平均を算出するときの分母が増えますから、 ポイントをGetできない場合にはどんどん下がってしまいます。それでも52位までの滑落で済むというのは、私のヤマ勘予想よりよかったんですが、どう思います?
で、池田勇太の「最悪の場合」も、「もし同じ試合に池田勇太が出場して、ゼロ点だったら」という仮定で描いた線です…と言っても、じつは池田勇太の場合はまだ試合数が40を超えないので分母は増えません。出場してゼロ点でも、出場しなくても、自身の平均ポイントは「時間が経ったことによる自然減」しかなく、ランクの落ち具合は全く変わらないのです。
だから、「最悪の場合」…二人とも全く同じ試合に出て(ということは実際には無いと思いますが仮定として)、二人とも全部予選落ちしたら(同)、なぜか石川遼は池田勇太にランクを逆転されてしまう、ということです。
別に最悪の場合じゃなくても、つまり、まったく同じ成績だったら、石川遼は池田勇太に抜かれてしまう、ということです。なんか腑に落ちないですけど、それは、先に行く者の宿命だと思いましょう。
ちなみに、このシミュレーションのように、日本OFF中に7試合に出場すると、池田勇太の算入試合数はちょうど40試合になるので、そこから先は分母が増えてゆくことになります。一方、石川遼はマスターズでは61試合になるので、来年から始まる「最大分母に上限を定める計算法」(※)にのっとって、60を超えた分は分母が増えなくなります。つまり、世界ランクという視点から見ると、4月頃に池田勇太は大変な時期に突入し、同時期に石川遼はその時期を突き抜けることになります。(実際には池田勇太がそれだけの試合数をこなすのはもう少しだけ後になると思いますが。)
※来年から始まる「最大分母に上限を定める計算法」については、「石川遼マスターズほぼ確定!池田勇太もあとわずか。藤田プロは…」という記事のコメント「世界ランキング算出方の変更について」を参照してください。
※そもそも「試合数」とか「分母」とか「計算法」ってなに?という方は、「ゴルフ世界ランキングのしくみ」という記事を(最初の概略の部分だけでも)読んで貰えると嬉しいです。
それでは、4月まで今のランク(30位)以内を保っていくためには、どれくらいの成績が必要なのか。大雑把に言うと、この海外7試合の合計で55点Getすることが必要です。もっと大雑把に言うと、この海外7試合全てで12位以内ならOKです。(全試合で12位だった場合の線もグラフに入れておきました。)
…と計算してから、実はかなり不安な気持ちになってしまったのですが、皆さんはどう感じますか?
実際には、平均的に12位というより、どれかでは下位でも、どれかでは5位以内に入る、というような形になると思います。上の表で、合計ポイントが55点になるような順位の組み合わせを考えてみてください。でも国内の試合とはワケが違いますからね。きっと大変です。
遼くん自身はきっと、この期間の世界ランクを保っていこうとかそういうことを目標にはしていないと思いますし、そうして欲しいとも思いません。けれども、ひとつの目安として、遼くんの今の位置は、それくらいの戦果をあげることが期待されているんだということ。それくらいの戦いができる選手が、世界ランク30位に留まっていられるんだということが分ると思います。
ファンとしては、ただ結果だけ見て、ランクが下がった上がったと一喜一憂する(それも楽しいけど)だけじゃなく、ランク算出方法には限界や問題点もあることを知った上で、この位置をキープし、さらに上がっていくのはとても大変だということを忘れないでいたいです。
…とか書きつつ。
9月にこのブログを始めたときも、年末50位以内があんなに早く確定すると思っていなかったし、正直言うと、最高29位だなんて本当に想定外でした。
今度もそうなってくれるといいですね
最後に蛇足。このブログに何回も書いてますが、仮定さえ正しければ、個々の選手の持ち点の計算はかなり正確にできるのですが、ランクは他の選手との兼ね合いですから、「だいたいの予想」です。去年と今年の12月時点+4月時点の状況を平均したものから推測しました。