goo blog サービス終了のお知らせ 

ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

今後の税調

2007-01-12 23:49:51 | 時事
構造改革をどう生きるか 森永 卓郎
第64回 政府税調、本間会長は辞任したけれど‥‥

 本間税調会長はもう辞任したから今さら咎めても、と、思いつつ読んだけど、やっぱり腹が立った。

 それはともかく、今回のコラムで自分が重要だと思うのは次の箇所だ。

 月例経済報告や日銀総裁の談話でも現在、消費の弱さが指摘されている。実際、11カ月連続で消費は前年を下回り、景気の最大の懸念要因となっている。その理由は労働者の給料が増えていないからだ。

 大企業はもうかっているが、消費者にはおカネが回らない。本来であればもうかっているところから税金を取り、国民に分配して消費を盛り上げるのが当たり前だが、本間氏はまったく逆のことをしようとした。

 既に定率減税全廃は確実で、国民には増税となる中で、企業には大規模な減税を行うというわけだ。本間氏が会長を辞任してよかったと思うが、それでは後任の香西泰氏はどうだろうか。

 香西氏は旧経済企画庁出身で、日本経済研究センター特別研究顧問として、わたしの大先輩でもある。本間氏とは違って、人の話をよく聞く人である。日本経済研究センターのパーティーでお会いしたときも、ずいぶん年下で、考え方も違うわたしの話をちゃんと聞いてくれた。

 香西氏の会長就任で税調はより民主的になると思うが、一方で、竹中平蔵氏と共に小泉構造改革を支えた人でもあるので、結果は同じかもしれない。

 もし、後任に税調会長代理の神野直彦・東京大学大学院教授が就任していたら、革命的な変化が起きたかもしれない。神野氏はわたしが委員をしていた連合の税制改革アドバイザー会議の座長を務めている。日産自動車で働いていた経験があり、サラリーマンの立場がよく分かる人だ。当然、サラリーマン増税は反対で、額に汗して働く人から税金を取るのではなく、企業のあぶく銭に高い税率をかけるような税制を目指したことだろう。


 「大企業はもうかっているが、消費者にはおカネが回らない」……こんな税制で、本当に景気は回復できるのか。ワーキングプアに加えて、ホワイトカラーの一部がホワイトカラー・エグゼンプションで残業代ゼロになればさらに中流層は薄くなっていく。それで、日本は、大丈夫なのだろうか……。

両生類絶滅の危機?

2007-01-12 23:46:00 | 時事
<カエル・ツボカビ症>国内で初確認 両生類絶滅の危険性
 世界各地でカエルなどの両生類を絶滅に追いやっているカエル・ツボカビ症が昨年12月に国内で初めて確認されていたことが分かった。アジアで公式に感染が確認されたのは初めて。感染力が強く、致死率も90%以上で、野外に広がると根絶は不可能で両生類の絶滅が危ぐされる。
 日本野生動物医学会や日本爬虫両棲(はちゅうりょうせい)類学会、世界自然保護基金(WWF)ジャパンなど16団体は12日に検疫強化や販売・流通の管理、情報提供などを訴える緊急事態宣言を公表した。


両生類絶滅させるカエル・ツボカビ症、国内で初確認

 診断方法のイラストが、どこかユーモラス。

 しかし、生態系が破壊されてるのだなぁと感じるニュースである……。

納豆品薄状態……

2007-01-12 12:52:57 | 時事
 最近は「ジョニ男(@男前豆腐店)」にはまっていてしばらく納豆を買っていなかったのだが、とんだことになっていた(汗)。

納豆、品薄状態 テレビ番組でダイエット効果紹介後
 「納豆を食べればダイエットできる」とテレビ番組で紹介されたため、全国のスーパーなどで納豆の品薄状態が続いている。納豆を買い求める消費者の需要に応じきれない主力メーカーは、11日付で「おわび」広告を新聞各紙に掲載した。

 番組は、7日夜、フジテレビ系列で放映された「発掘!あるある大事典II」。朝晩1パックの納豆を食べると2週間で体重が減る、などとして、体重を減らした男女の実例を紹介した。

 放映翌日から各地のスーパーの売り場の多くでパック入り納豆が品薄状態になった。夕方には「完売」のお断りを出す店舗も。ある中堅スーパーの担当者は、「翌日は通常の2倍売れ、11日には主要メーカーの商品が入荷しなくなった。12日から一定量入ると聞いたが、こんな経験は初めて」とあきれ顔だ。


「あるある大事典」で紹介 納豆が品薄に
 広報担当者は「これまでも情報番組で紹介されると売れ行きが伸びることもあったが、今回は異例。納豆をあまり食べない関西からも引き合いが相次いでいる」と話す。

そ、それは異例です(苦笑)。まぁ最近では関西でも納豆コーナーがそこそこ充実してはいると思うのですが。






そこまで絞り込んでも法制化したい動機を疑う

2007-01-12 12:52:20 | 時事
労働時間規制除外、企画など5業務対象・厚労省方針
 厚生労働省は11日、一定の条件を満たす会社員を労働時間規制から除外する「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」について、制度の対象業務を企画や立案など5つに絞る方針を固めた。「管理監督者一歩手前」「年収900万円以上」という条件に加え業務を限定し対象労働者を絞り込み、制度導入に慎重論が強い与党側の理解を得たい考えだ。賃金決定の基本ルールも指針で定める。

 制度の対象となるのは「企画、立案、研究、調査、分析」の5業務。これらの職種は社員が労働時間をある程度自由に設定しながら仕事を進め、その成果も評価しやすい。自律的労働を志向する新制度の導入対象にはふさわしいと判断した。


労働時間規制除外適用は2万人
 塩崎恭久官房長官は11日昼、都内で開かれた講演で、労働時間規制を一部除外するホワイトカラー・エグゼンプションの対象を年収900万円以上にした場合、実際に適用されるのは2万人程度になるとの見通しを示した。年収900万円以上の非管理職は約20万人いるが、うち制度適用に同意するのは一割程度と見込まれると指摘した。


 年収条件、職種については、当初から管理人が「そもそも裁量労働とは、時間と成果が必ずしも比例しない職務、時間労働の概念がそぐわない職種のためにある。そうした職種は、高収入のベースが保証されているからこそ、裁量労働として成り立っている(12月2日)」と主張している内容に近づきつつある。非管理職のこうした職種に導入すること自体は、やはり疑問がある。

 そして、たかだか2万人程度を対象とする仕組みを導入すること自体、なし崩しの拡大を前提としたものと考えざるを得ない。

再びのマッサージと岩盤浴で、少し楽に……

2007-01-11 21:02:40 | 日常
 振替休日。まずはカーブスでサーキットトレーニング。その後、洗濯などした後に、また「あま湯」に行った。

 先日の「あま湯」でのマッサージでも肩と背中の凝りがほぐれなかったので、振替休日を取れた今日、先日もらった「平日招待券」でまた「あま湯」へ。入浴料1,900円が無料というのは嬉しい。

 また別のおばちゃんに80分しっかり揉んでもらった。凝りが取れたとまでは言わない(いまだに指が入らない^_^;)、前回からさらに楽になった。

 そして、平日で空いていたので、岩盤浴。肩と腰を温めること60分、温めるとだいぶ楽になる。やはり、凝りは冷えから来るのだなぁとしみじみ思う。

 ノートパソコンをかついで出張したりすることも避けられない生活をしているのだから、冷えから身体を守ったり、筋肉をつけて体温を上げたり、たまにマッサージや岩盤浴で身体をほぐしたりする努力をまめにしないとな……(汗)。

理屈になっていない

2007-01-10 13:15:09 | 時事
労働時間規制除外に意欲
日本経団連会長、改めて通常国会への法案提出を希望

日本経団連の御手洗冨士夫会長は9日、東京・大手町の経団連会館で行われた定例会見で、与党から参院選などを考慮して現時点でのホワイトカラー・エグゼンプション導入に慎重な意見が出ていることについて、「(選挙に)直接関係ないのでは」と述べ、改めて通常国会での法案提出を望む考えを示した。
(中略)
 御手洗会長はホワイトカラー・エグゼンプションについて、「現在ある状況を、ある意味整理するもの。時間と仕事の達成が、必ずしも一致しないものがたくさんある。裁量的な仕事に携わる人たちに適した方法として提起したもの。働く方から言っても、今までと違った自由な働きができる」と強調した。

 その上で「残業コスト削減のおそれから、いろいろ言われているのだと思うが、私はそんなことはないと思う。今、労使関係はしっかりしている。乱用の問題は排除されるべきだし、しっかり労使で話し合って導入するわけだから」と述べ、導入に理解を求めた。


 「残業コスト削減のおそれから、いろいろ言われているのだと思うが、私はそんなことはないと思う」って、論理的な説得になっていないです(嘆息)。

 最新号の『週間東洋経済』の特集「雇用破壊 もう安住の職場はどこにもない!」の記事によれば……
・1週間辺りの労働時間が50時間以上の労働者の割合……日本が25パーセントを超えていて、約20パーセントのアメリカ、15パーセントのイギリスをはるかに上回って主要国最長
・総務省の労働力調査では、20代後半から40代前半の4人にひとりは月に80時間の残業をこなしている(過労死認定の目安となる水準)
・労働基準監督署から是正指導を受けて支払われた割増賃金の総額は232億9500万円(支払額100万円以上の企業を集計)、労働者ひとり当たりの不払い残業の平均は14万円
・全労働省労働組合(全労働)が昨年11月に実施したアンケートでは、労働基準監監督官の6割がホワイトカラー・エグゼンプションに反対

 こういう実態があって「(残業コスト削減の)おそれはないと思う」って(唖然)。理屈になっていない。正社員をこき使えるなら、なりふり構わないってことですかね(滝汗)。

労働時間規制除外制は導入見送り、選挙控え政府与党方針
 政府・与党は9日、一定条件を満たす会社員を労働時間規制から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入を当面見送る方針を固めた。野党が「残業代ゼロ制度」などと批判しており、4月の統一地方選、7月の参院選を控え、政策の是非を冷静に議論する環境にないと判断した。


新労働時間制 反発強く厚労省悩む 与党「参院選に悪影響」
ホワイトカラー労働者の労働時間規制を一部撤廃するホワイトカラー・エグゼンプションの導入をめぐり、厚生労働省が頭を悩ませている。通常国会での労働基準法の改正を目指す同省だが、参院選への悪影響を懸念する政府・与党内で慎重論が高まっているためだ。ただ、法改正を断念すれば「他の労働関連法案に影響しかねない」との懸念もあり、対応に苦慮している。


 年の暮れまではほとんどメディアで取り上げられなかった法案(自分のブログでは夏から取り上げていたが……)を、環境の整備をしないままに、ごり押ししないで欲しい。

☆★☆★

労働時間規制除外制は導入見送り、政府・与党
 政府・与党は9日、一定条件を満たす会社員を労働時間規制から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入を当面見送る方針を固めた。野党が「残業代ゼロ制度」などと批判しており、4月の統一地方選、7月の参院選を控え、政策の是非を冷静に議論する環境にないと判断した。


残業代ゼロの基準は年収900万円以上、と厚労相
 柳沢厚生労働相は10日午前、公明党の斉藤鉄夫政調会長と会い、一定の条件を満たした会社員を労働時間規制から外し、残業代をなくす「ホワイトカラー・エグゼンプション」について、年収900万円以上の会社員を対象に検討していることを明らかにした。
(中略)
 ただ、公明党には「年収要件は将来変更される可能性があることや、結果的に長時間労働を強いられる恐れがある。現在の案では、国民の不安がぬぐえたとは言いがたい」(幹部)との声が多く、党として法改正には慎重に対応する意向を崩していない。


 政府・与党が諦めているのに、厚労大臣が諦めていないってのが今日の状態なんでしょうか。

「社員いじめ」撃退法
 2007年は会社員たちにとって激変の年になりそうだ。「労働ビッグバン」の名の下に、国や経営側が画策するのは「ホワイトカラー・エグゼンプション」と「解雇の金銭解決」の導入。平たく言えば、「残業ただ働き制度」と「お金で簡単クビ制度」。つまりは経営者に優しい改変の目白押しなのだ。雇われの身とはいえ、こんな理不尽な制度改変を黙って受け入れていいものか。

(中略)

 経営側は「自律的労働時間」というが、総人件費抑制が大きな目的であることは疑いない。労働運動総合研究所の試算では、年収400万円以上にホワイトカラー・エグゼンプションが適用された場合、違法な不払い残業をも含めた11・6兆円に及ぶ総残業代が、そっくりそのまま、社員の財布から企業の懐へ移ることになるのだ。


 そう、その11.6兆円が手に入るかどうかの瀬戸際となれば、理屈もへったくれもないんだろうな、某経団連会長は。

まだ諦められていない残業代ゼロ法案提出

2007-01-09 20:39:35 | 時事
法案提出の考え強調=残業代ゼロ制で柳沢厚労相
 柳沢伯夫厚生労働相は9日の閣議後記者会見で、ホワイトカラーの一部を残業代の支払い対象から外す新制度「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」について「懸念を十分払しょくするような法律的組み立てを固め、いいものをつくっていく」と述べ、25日から始まる通常国会に法案を提出する考えを重ねて強調した。
 同制度をめぐっては、野党ばかりでなく与党内からも「賃金抑制や長時間労働を正当化する危険性をはらんでいる」(丹羽雄哉自民総務会長)などと否定的な発言が続いている。


 下の記事に示すように公明党や自民党の幹部が難色を示しているのだが、まだ諦めていないらしい。

残業代ゼロ 自民幹事長も慎重 通常国会提出、困難に
 自民党の中川秀直幹事長は7日のNHK番組で、労働時間規制を一部撤廃する「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」について「デフレから脱却した局面で導入するのがふさわしいという感じがする」と述べ、現段階での導入に慎重姿勢を示した。公明党も同制度の導入に反対姿勢を示しており、通常国会への関連法案提出は困難な情勢となった。


残業代なしの労基法改正案提出、公明代表が難色
公明党の太田代表は6日のNHK番組の収録で、「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」制を導入する労働基準法改正案の通常国会提出について、「基本的には賛成できない」と語った。

 一部の事務職らを法定労働時間規制から外す同制度について、太田氏は「残業代が生活に組み込まれる現実があったり、職種によって残業の形態が違ったりしている」と述べ、慎重な検討が必要だと指摘した。


 引き続き、この動きに対する警戒を続けていよう。

☆★☆★

 以下の記事で紹介されている残業代の割増率見直しとセットで導入しようとしているのだろうか。

残業代の割増率、時間に応じ3段階に・厚生省方針
 厚生労働省は雇用ルール見直しの柱の一つとして検討してきた残業代の割増率引き上げについて、1カ月の残業時間に応じて3段階の割増賃金を支払う新制度を導入する方針を固めた。健康への悪影響が増すとされる月80時間を超す残業については、現行(最低25%)より大幅に高い50%の割増賃金を義務づける方向で労使と調整する。長時間労働を是正する狙い。ただ、規制強化だけが先行する形になれば、経済界の反発も強まりそうだ。

 厚労省は新制度を盛り込んだ労働基準法改正案を通常国会に提出。具体的な割増率は政省令で定め、早ければ2008年にも実施する。時間外労働の賃金体系を見直すのは休日労働の割増率を決めた1994年以来。(07:01)


 これ自体は働く側にとっては悪くない話だが、やはり、ホワイトカラー・エグゼンプションの適用範囲と運用方法をきちんと整備してもらわんと、有名無実になる危険がある。

☆★☆★

労働時間規制除外、通常国会に提出を=経団連会長
 日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン<7751.T>会長)は9日の定例会見で、一定の条件を満たす会社員を労働時間規制の対象から外す「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」について、25日から始まる通常国会において関連法案を提出するよう要望した。同制度を巡っては、与党内から提出見送りを求める声が強まっているが、御手洗会長は、「多様な働き方の一つとして承認してもらいたいと思っている」と述べた。


 キヤノンのトップとしての御手洗氏には敬意を感じていたけど、ホワイトカラー・エグゼンプションをめぐる姿勢で、ちょっと幻滅。

Good Old Boys’Network

2007-01-09 20:37:04 | しごと
日本IBM専務・内永ゆか子の「わたしのビジネススタイル」
第1回「管理職になって知った“男性社会”」

 管理職になって、私は様々な試練を体験しました。中でも私にとって大きかったものは、アメリカでもよく言われてきた“Good Old Boys’Network”です。組織の中には、マジョリティーが作ってきた独特の文化があるのです。会話の仕方などにもコツがあります。管理職になって何も知らずにその世界に入っていった私は、いろいろな人からアドバイスされることになります。
 私がステップアップするきっかけをつくってくれたのは。当時のボスです。ミネソタ州の研究所から赴任してきた人で、彼が私のメンター(仕事やキャリア上の支援者、相談相手)になってくれました。エグゼクティブの前でプレゼンテーションすることになった時、事前に彼が「内永さん、1週間前に着ていたビジネススーツを着ていくといいですよ」とアドバイスしてくれたのです。
 実を言うと、入社して10年以上経っていたのですが、私の服装はビジネスウーマンとしてはあまりにもひどかったのです。当時、男性はほとんどがダークスーツ、白シャツ、ストライプのネクタイが基本でした。ところが私は研究所にいたので、好き勝手な格好をしていました。例えば、ジーパンを履いたり革のジャケットを着たり…。
 こうした服装をしていくと周りの男性は「今日はチャーミングだね」とか「カッコいいね」と言ってくれる。私は素直だったので言葉通りに受け取り、翌日も同じような格好をして出社していました。しかし彼らが「いいね」という言葉の裏で、本当は何が言いたかったかというと「その服装は、職場に合わないよ」ということだったのです。Good Old Boys’Networkの世界に入ったばかりの私は、彼らのこうした「本音」に全く気づかなかった。馬鹿だったのですね。


Good Old Boys' Networkの話は、私も『母が教えてくれなかったゲーム』(リンク先はamazon.co.jp)で学んだなぁ(苦笑)。

日本IBM専務・内永ゆか子の「わたしのビジネススタイル」
第2回「会議で言うべきこと、部下とのつき合い方」
なぜ女性は「キツい」と言われてしまうのか


例えば、会議の席でのことです。私はそれまで、会議とは自分の意見をはっきり言うものだと思っていました。一生懸命調査し、勉強したうえで臨むわけです。しかし、せっかくいろいろ調べて案を出したのに、最後には何が決まったか分からないような会議も、中にはありました。
 ある会議の席で私は挙手して、それを指摘しました。すると皆一斉に、嫌な顔をするのです。会議の後で私はある上司に呼び止められ、こう言われました。「内永さん、今日の会議は、そういうことを言うために集まったんじゃないんだ。お互いの挨拶のようなものだから、(何も決まらなくても)いいんだよ」
 こうしたことをほかの男性は皆納得ずくで、疑問を挟まないのですね。私は、「それなら、最初にそう言ってもらわないと」と思いましたが、(こういうGood Old Boys’Networkの慣習を)だんだんに学んでいくのですね。
 またある会議で私は、反対意見を言ったことがあります。会議に出た以上は貢献しなければ、と思っていたからです。しかし私がパッと手を挙げると、周りの人は皆、「また内永さんが手を挙げた」と気を悪くした顔をしている。
 その時私は、「私はAさんの意見に反対です。なぜなら…」と論旨も明確に、三段論法を使って説明しました。すると皆、しらーっとしている。内心私は、こう思いました。「もしかしたら、私が女性だから?」
 しかし、ほかの男性の発言をよく聞いてみると、皆はっきり反対意見を言わないのですね。例えばAさんに対しては、まず笑顔で「Aさん、あなたの意見は素晴らしい」と言うのです。その後で「ただ、もっとこういう点があるといいと思いますよ」と付け加えるのです。ここまで聞くと、「なんだ、結局はAさんに反対しているじゃない」と気がつく。
 そこで私も、やっと分かりました。(自分の意見を言う前には)「枕詞」をつければいいんだ、と。私はそれまで、枕詞をつけるのは時間がもったいないと思っていましたが、円滑に物事を進めるためには、こういうことも必要だったのですね。


 この辺りはそれぞれの会社のカルチャーにもよるだろうなぁ。日本IBMにしてもそうなのかと思う一方で、私の勤める外資系企業でも"I disagree"とは正面きって言わないなぁ。まぁ「枕詞」までは必要としないけど。

 女性の方がはっきりモノを言うと思われがちなのは、この「枕詞」的な配慮を学ぶ機会がなかったからかも知れない。

 4回も仕事が替わると、行く先々で「このポジションに就けたのは、女性だからだ」という目で見られます。私はそれに反発して、「私はこの仕事をやりたかったんだ、私にはできるんだ」と思うようにし、それを示したいと必死でした。
 この頃は、私自身も人に対してキツく当たっていたと反省しています。いろいろな試練があるので、私自身ウニのように棘がピンピン張っていたんですね。そして「私はデキるのよ」と周囲に分からせるために、「あなたのロジックは違う」と相手を理論で説き伏せてしまう…。
 3つめの部署で次の異動が決まった時、私の仕事を支えてくれていたある人に聞いてみたのです。「今までいろいろ迷惑をかけたけど、私のためになると思ってアドバイスをくれませんか」と。すると彼は一言、こう言ったのです。「部下の人、そして部下の仕事を、もっと好きになってください」
 これは、本当にこたえました。それまでの私は、部下が好きじゃなかった。私にとって部下とは、「私ができるんだ」ということを証明する相手に過ぎなかったのだ。完膚無きまでに叩きのめす相手だと思っていた…。この一言を聞いた時、本当に涙が出ました。
 私ひとりでは何もできない。もっと皆を好きになって、皆に活躍の場を持たせることが大切なんだ、と気づきました。それからは、「あなたが好きよ」という気持ちを持って、皆に接するようにしています。もちろん、実際に口にするとちょっと問題ですから、言いませんけどね。
 その後は、部下と議論になったり、部下が期待以下のものを持って来た場合も、必ず「私は、本当はこの人を好きなんだ」と心の中で繰り返すようにします。すると、怒り方も変わってきます。


 なるほど、とんがっているスーパーウーマンが経験しそうなことだ。でも、ちゃんと気づいて改めることができたから、今があるんだろうな。

ネコが駅長

2007-01-06 08:50:39 | 時事
メス猫のたま、駅長に抜擢 和歌山電鐵貴志駅
 和歌山電鐵(でんてつ)貴志川線貴志駅(和歌山県紀の川市)で5日、メス猫のたま(7歳)が駅長に就任した。母ミーコ(8歳)と同居のメス猫ちび(6歳)は助役に。


招きネコ新駅長、繁盛呼ぶか…和歌山で“任命式”
和歌山市と和歌山県紀の川市を結ぶ和歌山電鉄貴志川線(14・3キロ)の無人駅の貴志駅で5日、駅売店で飼われている3匹のネコが駅長と助役に任命され、電車の出発を見送った。

 新駅長となったのは三毛ネコ「たま」で、新助役は母親「ミーコ」と、同居の「ちび」。


ネコの駅長が客招き/和歌山電鉄、無人駅で
 新駅長は雌の三毛猫「たま」7歳。駅の売店「小山商店」の飼い猫で人懐っこく「駅のアイドル」として利用客からかわいがられていたことから、和歌山電鉄の小嶋光信社長が白羽の矢を立てた。

 たまと同居する猫「ちび」とたまの母親「ミーコ」も助役に抜てき。「客招き」が日々の業務になる。


 ユーモアがあっていいなぁ。





労働観を問い直す……のが今の課題だろうか

2007-01-05 12:51:58 | 時事
 ホワイトカラー・エグゼンプション導入の是非を巡る論争には直接役には立たないけど、一方では非常に重要な指摘を含んだ対談だ。

2007年を斬る: 「働く」って何だっけ?
世界に誇るべき日本人の労働観、その誇りと自信を取り戻せ

NBO 労働法制の大改正が進められようとしていますが、制度論のところになると労使が対立して前になかなか進めない。日本人の労働観、つまり「働く」ということに対する考え方を徹底的に議論することが前段にあるべきなのに、そこが抜け落ちているような気がします。

田坂 その通りですよね。「ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の適用除外制度)」を巡る議論ひとつ取っても、労使の対立軸の中で議論しているとどこまで行っても平行線で交わらない。「第3の軸」というか、何か違った角度から話を進めていかないと良い方には向かわないと思います。
 日本人の労働観の根底には、「働くとは傍(はた)を楽(らく)にすること」というものがあるんですね。たとえ言葉にしなくても、そんな雰囲気をどこかに持っている。「世のため、人のため」なんて、子供の頃からよく聞いた言葉でしょう。最近はちょっと聞かなくなりましたが…。「死ぬまで世の中のお役に立ちたい」という意識がどこかにある。2007年に団塊の世代が定年を迎えるようになると、この感覚が非常に強くなって再び出てくると思うんですね。

(中略)

 欧米における労働観は、もちろん欧米がすべてそうだと言い切るつもりはないんですけど、働くということは「苦役」だという感覚がある。レイバー(labor)という言葉の語源は苦役に近い意味で、必要悪に近いとらえ方をする時があるわけですね。働き過ぎはいけないということで、キリスト教では安息日が設けられているわけです。

 ちょっと脱線しますが、西欧で社会主義が起こった時、マルクス主義なんかの根本には労働疎外という考え方があった。原始の時代から労働には喜びが伴っていたのにその喜びがなぜ消えてしまったのかということが論じられた。アレクサンドル・ソルジェニーツィンがノーベル賞を取った『イワン・デニーソヴィチの一日』なんかを読むと、スターリン時代の収容所でさえ働くことに喜びを感じる人間の本性が描かれている。労働の根本には喜びがあるというのは世界共通なんだと思うのです。

 ただ、表層的な傾向で言えば、欧米の「報酬観」というのは、2つの報酬、「給料や年収」「役職や地位」を軸にとらえている。「ペイ、インカム」と「プロモーション、ポジション」です。特に米国でこの傾向が強い。シリコンバレーなんかの成功物語を聞いても年俸がいくらとかいう話ばかりでしょ。最近では、ゴールドマン・サックスのCEO(最高経営責任者)が63億円もらったとか。

(中略)

 では、日本人の報酬観はどうかと言うと、これらの2つはもちろんなのですが、これら以外の目に見えない「4つの報酬」を重視しているんです。第1に「働きがいのある仕事」。これは「仕事の報酬は仕事」という考え方に通じる。第2に「職業人としての能力」というもの。腕を磨くことそのものに喜びを感じるのです。日本人って何でも「道」にしちゃう人たちで、例えば“編集者道”というようなものがあるでしょうし、私は“シンクタンク道”なんて言っています。「求道、これ道なり」という名言があって、道を歩むことそのものが幸せな状態だと思っていたりするわけです。

 第3が「人間としての成長」。腕を磨くということは、イコール、己を磨くことにつながる。「人間成長」が報酬だと思っているんですよ。だから、定年退職の時に、「おかげさまでこの会社で成長させてもらった」なんてつぶやくんですね。そして第4が、「良き仲間との出会い」です。「縁」という思想です。

 これら4つが、日本人が働くことの喜び、つまり報酬になっている。そのことをしっかり見つめ直しておかないと、日本における労働論議というのは非常に浅いものになってしまう気がします。

NBO ホワイトカラー・エグゼンプションなどの議論がかみ合わないのは、欧米的な報酬観のところしか見ていないからなのかもしれませんね。

田坂 はい。労働者の方は労働時間が少なくてペイが高い方がいいと思っている。経営者は安いペイでたくさん働いてもらった方がいいと思っている、この本音をエグゼンプションという美しい言葉でくるんでいるだけだから、交わるわけがないんです。第3の軸を持ち込まないと不毛な議論のままで終わってしまう。


 「労働者の方は労働時間が少なくてペイが高い方がいいと思っている。経営者は安いペイでたくさん働いてもらった方がいいと思っている、この本音をエグゼンプションという美しい言葉でくるんでいるだけだから、交わるわけがないんです」という指摘は正しいのだが、一方ではそれが本来の問題なのかという疑問が生じる。成果主義の適用の仕方とか、ホワイトカラー・エグゼンプションの対象となるべき職種や前提条件が余りにも無茶苦茶だから問題なのだ。

田坂 日本は高齢化社会だから大変だ、お先真っ暗だって言うでしょ。逆なんですよ。世界一の健康長寿国で、世界第2位の経済大国で、科学技術が最先端で、高学歴社会で、こんな豊かな国は世界中どこを探してもほかにないんです。だから、世界のモデルケースになるような素晴らしい高齢化社会の模範を作ろうと言ってほしいんですよ。熟練人材と先端技術を駆使して、心配りの利いた最高の高齢者向けサービスを提供する。それを世に未来志向で示していこうよと語られたら、国民の気持ちだって変わってくるはずです。

 政治家でも官僚でも経営者でも、リーダーの究極の役割というのは、どんな厳しい状況でも光を見つけて、それを語るということなんじゃないですか。物事をポジティブにとらえられるかどうかです。高齢化社会の負の側面を軽視しているわけではありません。難題山積です。でも「2人の石切り職人」の寓話のように、とらえ方によって全く違う見え方になってくる。

 これからは「知識社会」だと言われますが、これは知識が価値を失う社会なのです。つまり、言葉で表せるような知識は誰でも手に入れられるようになる。インターネットで検索できる、電子辞書には100冊分もの辞書が入っている。知識がコモディティー化して、逆に価値を失ってしまうのです。これからは言葉にならない知恵、マインド、人間力という方向に進んでいきます。

 そういう意味では、賃金と引き換えに労働時間を提供するという労働観から卒業しなければならない。自分が「労働者」だと意識する人は少なくなるんじゃないですか。方向としてはもっと「プロフェッショナル」ということを重視していくべきだと思います。時代は個人カンパニーとかフリーエージェントに向かっていきます。お金ではなく、働きがいを求めて人々が移動していくような時代です。


重要な指摘だと思う。ただ、進行していく格差社会においては、「プロフェッショナル」という意識でやっていける層は中流以上の所得を得られる賃金労働者で、中の下以下の所得しか得られない層はますます「労働者」意識を強めていくように思う。

 宋さんの方がまともに議論してくれていると思う。

宋文洲の傍目八目残業大国ニッポンを憂う
 起業した大きな理由の1つは、最初の職場で体験した金太郎飴的なワークスタイル、中でも最も納得できないのは残業の多さでした。残業は勤勉の象徴のように受け止められていて、残業しない人は仕事に熱心ではないかのように感じられました。これは何も僕が勤めた先だけに限った話ではなく、当時は他の企業も同じような状況が多かったのだと思います。

 それから時代が変わり、日本にも多様な経営者が出現し、真剣に残業の撲滅に取り組む企業が増えました。労働基準局も不法残業の摘発に躍起になり、大きな成果を上げつつあります。不法残業にメスを入れるような状況が90年代初めから浸透していれば、14年前、僕は創業せず宮仕えを続けていたかもしれません。

 と思っていたのですが、先日、新聞から残業に関する調査数字を知って、やはりサラリーマンを続けなくてよかったと思い直しました。「正社員の4割超が『不払い残業』をしており、平均で月約35時間に上る」と労働政策研究・研修機構が発表したのです。

 僕が問題にしてきたのは残業そのもので、就業時間外の労働をすることだけでも理解しにくいのに、残業代を払わないで残業させることなどは想定外のことでした。貴重な人生の時間を犠牲にして働かなくてはならないことだけでも納得できないのに、時間に加えてお金まで犠牲にさせて働かせることなどは全く問題外のことです。


 後半の少子化問題との関連については論理が少し甘いような気がするが、この部分だけで十分にパンチがある。

 そして、寄せられるコメントも読みがいのあるものが多い。