八文字学園・学生支援センター

学生支援センターでは「学費準備」の面から様々なサポートを展開しています。

〈高3生〉奨学金の受給開始時期は?(奨学金予約採用-10)

2024年04月26日 | 学生支援センター
今回のテーマは、申請した奨学金の「受給時期」。

奨学金も申請できたし、これで学費は大丈夫!!って思っている方はいませんか?

奨学金には、いくつものメリット(低金利、在学中の返済なし等)があるのですが、川上が考える最大のデメリットが…

大学等の進学前に受給できない こと。

つまり、入学前の大学等からの請求に、奨学金で対応できない...ということになります(泣

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予約申請から受給開始までの流れはこんな感じになります。

高校3年夏休み前に予約採用申請
  ↓
高校3年の12月頃に決定通知( ← 奨学金が受給できますよ!という内定通知)
  ↓
大学等への入学直後に再度申請手続き
  ↓
6月に受給開始(進学先により5月開始の場合あり)

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前述のとおり、日本学生支援機構の奨学金には、たくさんのメリットがある反面、「結果が届くまでに時間がかかる」、「進学前に受給できない」、「(結果として)学生自身が借金を抱える」等のデメリットといわれる側面があります。

...が、

みなさん自身の夢や目標を叶えるために進学が必要な場合、その実現をお手伝いしてくれるツールとしての、とても大きな側面も持っています(だからこそ利用者が多いんだと思います)

しっかりと奨学金の特徴を理解したうえで、申請・活用していただけるといいんじゃないかなぁ...と思います。

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10回に渡って「予約採用」について様々な角度から更新してきましたが、最終回の今回で「じゃぁ、進学前の費用はどうすれば?」「奨学金をどう活用すれば?」と思った方も多いはず。

少し間を開けさせていただきますが、GW明けからは、オープンキャンパスや高校での講演会で説明していることを中心に、川上が考える「進学費用のマネープラン」について更新していきたいと思います。






〈高3生〉給付奨学金の「第Ⅳ区分」について(奨学金予約採用-9)

2024年04月25日 | 学生支援センター
2024年度より、給付奨学金の「第Ⅳ区分」の制度が新設されました。

高校から配布される「給付奨学金の案内」に、その件についても記載されるようになりました(昨年度までは、たしか、記載がなかったような...)


申請方法自体は、これまでに説明してきたポイントを押さえながらで大丈夫なんだけど、「ウチは世帯収入基準が400万円超えしてるから、どうせ申請したって...」という方でも、この第Ⅳ区分は、申請 → 採用のchanceが生じています。

まずは、p.5を見てください。

この表を見ると、新設の第Ⅳ区分の場合、収入基準が635万円まで上昇しています(4人世帯・給与所得の場合)。

ただし、第Ⅳ区分は、誰にでも適用されるのではなく、「多子世帯」または「理工農系の大学等への進学者」に限定されています。詳細はp.8をご覧ください。


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貸与奨学金にも給付奨学金にも、新設の「第Ⅳ区分」にも共通して言えるんだけど、「申請するかなぁ...やめておこうかなぁ…」と考えている方は、申請すべき!!が川上の考え方。

採用されなかったとしても「あぁ、やっぱり」ってことで次の学費準備に向かえばいいし(特に第Ⅳ区分)、トータル的に考えたときに、学費の準備がままならない場合の保険にもなり得る訳だし…。

新しい制度は、みなさんだけでなく、高校の先生も、大学等の担当者も、もちろん川上も(汗)、どこか「手さぐり」なところがあるので、今、何をすべきかだけは、しっかりと押さえておきたいですね。




〈高3生〉保証制度をもう少し詳しく(奨学金予約採用-8)

2024年04月24日 | 学生支援センター
〈高3生〉申請希望額の設定②(奨学金予約採用-6)で、キーワードとして触れた「保証制度」。過去のBlogをみたら、もう少し詳しくまとめられていたので紹介したいと思います。


人的保証
●連帯保証人・保証人をそれぞれ1名ずつ立てることが必要
●連帯保証人は、原則として保護者
●保証人は、生徒から見て4親等以内・別生計
●申請した月額を満額受給(月12万円で申請→12万円受給)
●連帯保証人・保証人とも、進学後の手続きで、印鑑証明書の提出が求められる

この5つがざっくりとした説明になるんだけど、川上さんに寄せられる問合せとその回答をいくつか紹介しますね。

Q.祖父母を保証人に設定できる?
A.できなくはないが、設定する祖父母の所得証明、資産証明等の提出が必要になります(かなりHeavyな個人情報を提供することになります)。日本学生支援機構もそうですが、学生支援センターとしてもあまりお勧めしていません

Q.離婚して住民票上つながっていない父(母)を保証人に設定できる?
A.奨学金の申請上は「他人」を設定することになるので、祖父母の設定同様、所得証明等の提出が求められます。

※連帯保証人・保証人の選任については、「貸与奨学金案内」の該当ページでも確認してみてください。

機関保証
●保証人を立てない代わりに、保証料でまかなう
●申請した金額より保証料が天引き(2年課程の場合、月12万円で申請→約11.3万円の受給(約7,000円の保証料)→12万円を返還)

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今回のテーマ(保証制度)について、川上の見解を、箇条書きでまとめてみると…

★奨学金申請で重要なのは、学費の確保(充足)。機関保証はイヤだから(保証料を天引きされるのがイヤだから)...という方がいますが、では学費確保のために他の方法があるのか?という問題に直面するはず。

★母子家庭世帯が多い中、保証人を立てることが困難な家庭は、年々増えてきている印象。

★おじ or おばに保証人を依頼するということは、自分の家族以外も巻き込んでしまうこと。ならば、お金で解決(機関保証を選択)した方が身内だけの問題で済ませられる。

★川上さんの感覚では、機関保証:人的保証=5.5:4.5 ぐらいの比率(やや機関保証の方が多い)

★2023年4月に大学進学した川上さんの次女は機関保証で設定(参考までに)

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誤解してほしくないのは、機関保証を推している訳ではない...ということ。

ただ、現実を直視した時に機関保証を選ばざるを得ない、または、身内だけで他を巻き込まない、という意味では、機関保証を設定する意義は十分にあるのかなぁ...と思っています。

もちろん、人的保証には「満額受給できる(損した気分にならない)」という大きなメリットがあるのも事実。

ぜひ、参考にしていただいたうえで、保証制度の選択をしてみてください。



〈高3生〉申請希望額の設定③(奨学金予約採用-7)

2024年04月23日 | 学生支援センター
前回の「〈高3生〉申請希望額の設定②(奨学金予約採用-6)」では、第一種奨学金の範囲までで終わってしまいましたが、今回は「第二種奨学金」「入学時特別増額貸与奨学金」の部分を説明したいと思います。

前回と同じで、「申込みのてびき」のp.15になります。


このBlogで、申請のキーワードとなっているのは「Max金額での申請」。今回もそのキーワードのもとで説明していきます。

まずは「第二種奨学金」についてです。

希望月額
ここは「12万円」になりますね。第二種奨学金では2万円~12万円の範囲で選択できますが、川上のキーワードに合わせると、最大額の「12万円」を選択することになります。

保証制度
第一種奨学金と同じ説明になりますので、前回の更新内容を参照してください。

利率の算定方式
「利率固定方式」は、貸与終了時点で決定した利率が返還完了まで適用される方式。

対して、「利率見直し方式」は、貸与終了時点で決定した利率が、おおむね5年ごとに見直される方式。

参考までに、令和4年3月→令和6年3月の状況を見てみると...

固定:0.369% → 0.94%
見直し:0.04% → 0.4%

「固定」にしても「見直し」にしても、金利はupしています。川上の印象では、おととし秋の物価上昇のあたりから、金利のup率も多少上がっているのかなぁ…と。

だとしても、各種金融機関の教育ローンに比べれば、格段に低金利なので、やっぱり、奨学金の金利的な優遇面は変わらないんですけどね。

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次は「入学時特別増額貸与奨学金(入特)」についてです。

この「入特」は、入学年度に1回だけ申請できる、プラスα分のオプションと捉えるといいのかな...と思います(なので、申請しないことも1つの選択肢)。

川上のキーワードは、Max申請ですから、希望月額は「50万円」になりますね。

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それ以外の項目は、おそらく、すべて今回・前回の更新でお伝えしているので、照らし合わせてみてください。





〈高3生〉申請希望額の設定②(奨学金予約採用-6)

2024年04月22日 | 学生支援センター
昨日の 申請希望額の設定① からの続きになります。

今回は、「申込みのてびき」のp.15の中から、「第一種奨学金」の部分を説明したいと思います。


川上の講演や、このBlogでの更新において、奨学金の申請額は「Max金額での申請」をベースにしています。

理由としては…

奨学金の予約申請の時期に、進学先が100%で確定している人はいません(希望先はあっても合格通知を受けていないので)。

そんな中で、必要となる学費が●●万円だから、月額いくらで申請すれば…と悩む時間がもったいない!と川上は考えています。

なので、いったん「Max金額で申請」してしまって、大学等に進学後の手続き(すべての予約申請者が手続き必須)で、目的の金額に変更していく方が効果的・効率的だと思いませんか。

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上記の「Max金額での申請」をベースに説明を再開しますね(汗

希望月額
Max金額での申請」に沿うと、「最高月額」を選択することになります。

ちなみに、専門学校の場合、「最高月額」は月5.3万円、「最高月額以外の月額」は2万円 or 3万円 or 4万円 になります。

保証制度
順序を変えて、先に「保証制度」から説明します。

機関保証」は、保証人を立てず、外部の機関が、返還が滞った際の対応をする制度。よって、その「保証料」が月額から天引きされることになります。

天引きされる額は、第一種の最高月額の場合で2,000円程度。よって、5.3万円で申請 → 約5.1万円を受給 → 5.3万円を返還 という図式になります。

対して、「人的保証」は、保証が、返済が滞った際の対応をするもの。よって、保証料が天引きされず、申請額は満額受給できることになります。

ただ...、①連帯保証人(保護者)1名 ②保証人(4親等以内・別生計)1名 の合わせて2名を選任する必要があります。

返還方式
卒業後に奨学金の返還がstartしますが、その時点での収入に応じて、返還額が変化するのが「所得連動」、返還の初回から最後までが一定額なのが「定額」になります。

日本学生支援機構としては、「所得連動」を推しているように感じますが、川上の説明では「定額」推し。

その理由としては...

①「所得連動」は、上記の保証制度が、「機関保証」の一択になります。せっかく保証人になってくれる方がいたとしても、「機関保証」一択なので、保証料の天引きにつながることになります。

②「所得連動」を選択し、低所得時の返還額が2,000円程度だったとして、その後、転職して所得がupしたら、翌月から、10,000円overの返還額になる可能性があります。たしかに、その分、手取り額は多くなっているのだから…とも思いますが、それでも、この差額は大きく、返還にあたってのストレスが激増することに。…ならば、第一種の返還は●●円と割り切ってしまった方が、ストレスが乱高下しないんじゃないかなぁと思います。

③「所得連動」の実施歴は浅い → それ以前の方は「定額」で返還していたのだから、今の対象者ができないことはない(はず)

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どうしても、キーワードの説明が重なると、長くなってしまいます(汗

次回は、この続きから始めますね。