阿佐ヶ谷の古本屋「元我堂」ナンダ店長日記

下町とモダンが混在する町、阿佐ヶ谷。そこに妙に佇む一軒の古本屋「元我堂」を水曜店主ナンダが見たままに。そのままに。

猫の本音

2006-02-27 15:52:19 | 本や文章、本屋について
2006年。戌年。
犬、がんばる!ということで杉並区中央図書館では”犬の本フェア”。
入り口近くに特設コーナー。
でも、、、なんというか、パンチの効いた本があまり無い。

そういえば古本屋さんなんかに行くと、猫の本コーナーは結構押しが強いのだけど
犬の本コーナーって無いよね。あるかな。
がんばれ、犬本!パグ本!

”猫の本が多いのはやっぱり猫の魅力に尽きるのかしら、、、。”

昔、しょっちゅう実家の台所にのら猫が入り込んできていたせいで、
猫を見ると条件反射で「うがーっ!」って威嚇していたあの感覚が
いまだに消えないけどそう思うしかない。

そんな私をケケケと笑うような猫の本。
著者は年老いたメス猫という、まさに猫の、猫による、猫のための猫の本。
ポール・ギャリコの『猫語の教科書』(筑摩書房)←文庫も出てるみたい


で、読んでみた。
猫の魅力が満載…というか、猫って賢すぎる。
と思わずにはいられないよ、これ。
「人間の家をのっとる方法」
「人間ってどういう生き物?」
「魅惑の表情をつくる」
というような項目からしてぬおっ!?という感じ。
内容を読むと更に驚き。
人間は猫の手のひら(ぷよぷよ気持ちいい。。)の上で転がされているだけだった!
特に、男性諸君。メス猫にとって、人間の男性を虜にするなんてお手のものですってよ。
お気を付けぃ。

女性は、、もともと猫と同じやり方で男を操っているから、猫にとってもライバルらしい。

そんなこと言われるとますます。。。

でもね、きっと猫好きな人たちはぜーんぶ判ってるんだと思う。
猫に転がされてること。猫が考えてること。
ということはやっぱり人間が猫を転がしてる?
しかしその人間を転がしているのは猫であって…。

ころころころころ。

2006-02-18 23:54:55 | てくてくと吐き出すところ
しばしぼーっとしていて気付いたら
昔見た映画やドラマを筋書きを丁寧にていねいに
頭の中で追っていた、という瞬間がよくある。
この選別の基準が自分でもよくわからないんだけど。

今日はシャワーを浴びながら
「私の運命」をユーミンの主題歌つきで
ずーっと上映していた。
すごく暗いドラマ。坂井真紀と東幹久の。野際陽子はやっぱり狂っており。
でもあれ2クールで長いから幹久が死んじゃう辺りでやめておいた。

うー。
こういうのほんとにしょっちゅうだから、トータルでカウントしたら
相当量の無駄なエネルギーを使っている気がする。
記憶のある限りできるだけ鮮明に思い出そうと(無意識に)するから
結構疲れている。はず。

安上がりな楽しみといえばそれまでなんだけどねえ。

ジャパノラマ

2006-02-10 23:38:48 | 本や文章、本屋について
大竹伸朗さんの描くあおいろが好き。
青、蒼、碧、ブルー、blue…
どれが一番ぴったりだろう。
いつも頭を悩ませる、それはそれは言うまでもない、見事なあおいろ。

そういえば『カスバの男』(求龍堂)も、表紙の青に惹かれたのがきっかけだった。
何気なく手に取ったこの本は、文章もまるで生き物のように素晴らしかった。
これを読んで、立ち尽くすようにびっくりした。
今では無人島に持っていきたいぐらい好きな本のひとつになった。

神保町の源喜堂書店で見つけた『ジャパノラマ 日本景』もやっぱりあおいろの表紙。
古本で1800円。

大竹伸朗さんのアーティストとしてのすごさとか、
コラージュ作品の突き抜け感とか、
そういうところまで全部を判ろうとは思ってない。
アートそのものに詳しくないもの。

単純にこの人の描くあおいろが好きなだけなのだ。

だから、全部を判ろうとは思わないけど、
こんなあおいろを描いたその想いは、できれば知りたいと思う。

この本の最後のページの「MURORAN」を眺めていると
心がどこか遠いところへ運ばれいく。
それが最高に気持ちいい。
さよならドナルドマクドナルド。さよならハインリッヒ。(さよならジョージ)

25歳の最後の買い物がこの本で、良かった。
(でも正確には西友でバナナを一房買ったのが最後だわ)


おたのしみは乙一くんのあとがき

2006-02-05 10:39:59 | 本や文章、本屋について
やっと中井英夫の『虚無の供物』を読み終えたので(長かった…)
こう、さらーっとした澄んだもの読みたいなーと思っていたのに
ついうっかり手に取ってしまった乙一の『暗黒童話』。

全然澄んでないのに(…)読みやすいからつい、一気に読んだ。
これが彼の長編デビュー作だそうで。
しかし、、ゔー、、ぎぼぢわるい。
目がー、目がーっ!(←目玉が取れる話なの)

痛い描写は本気で気持ち悪くなる。とくに刃物系はほんとダメ。
(でも読んじゃう…なんでだ)
数年前、車の免許の試験会場で『ねじまき鳥クロニクル』の
ちょうどモンゴル兵の皮はぎのシーンを読んでしまったため、
貧血になりそうになり、この日の試験は結局落ちた。
これを理由だと思うことにしている。

でも、乙一くんはあとがきがおもしろいのだ。(文庫本)
本文よりおもしろいと誰かが言ってた。
だいたいいつも堕ちてるのだけど。

乙一くんならぜひ文庫本をどうぞ。