Simple is burst

あちらとこちらをいったりきたり。。。

屏風にに入らずんば、虎子を得ず

2008年08月15日 01時09分28秒 | Weblog
浴室に入り浴槽に入り、一息ついてシャンプーで頭を洗おうと容器の上部をプッシュするも出てこない。ちゃんと中身はあるよなと容器を振って確認したら中から悲鳴が聞こえてきた。容器を開けて中を確認するとそこには桃からうまれた桃太郎。曰く「日本人の脳には秘密がある。空間認識能力の違いが極端にデフォルメされた二次元への理解を可能にしている」なるほど、道理で日本でアニメや漫画が盛んなわけだ。自虐ともナショナリズムともとれる高揚感に包まれ、思わず裸で浴室を飛び出した。「変態立国日本!」胸騒ぎが止まらない。「偉大なる我々日本人は上位概念へ移行する!」世界が自分に味方しているように思えた。冷凍庫から氷を取り出し、バケツに入れて水を入れ、頭のてっぺんからドシャっとかけた。体中に電流が走った。桃太郎、桃太郎。祝福の声を聞かせておくれ。桃太郎は答えた。「それは脳が作りだした幻想にすぎない。」私は桃太郎を否定した。すると桃太郎は消え、代わりに浦島太郎が現れた。「私は完全なる同意者だ」ふたたび気分が良くなった。食器用洗剤をチュッチュチュッチュ吸いチュッチュ。喉の奥から泡が押し上げてくる。洗礼の儀式は終わった。上位概念へと移行する準備ができた。「さようなら三次元!!」私は部屋の隅に積み上げたマンガ雑誌を一冊手に取り、表紙に接吻した。