昨年のオルセー

2015-02-08 | 美術館
昨年の話ですが オルセー美術館展へ行った。 


私が 特に特に観たい と思っていた絵は、

ミレー「晩鐘」  モネ「かささぎ」  モネ「草上の昼食」  セザンヌ「草上の昼食」  

カバネル「ヴィーナス誕生」

カバネルの400年前に ボッティチェリが描いたヴィーナス誕生があるけど
本当に「誕生」した瞬間は カバネルのヴィーナスだよな~。と感じるのは私だけ?

絵画には 色々なお話が絡んでる 

「ヴィーナス誕生」には
ゴヤやルーベンスの描いた「我が子を喰らうサトゥルヌス」との関係が 実に面白いと感じる私です

サトゥルヌスは 自分の父親を大鎌で虚勢したあげく殺してしまった
(まぁ どうしてそうなったかのお話もあるのですが)
その時に父親から「お前も自分の子供に殺されるであろう」と言葉を残された
なので自分の子供に殺される前に食べ殺した。。。

サトゥルヌスは切断した父親の男根を海に投げ捨て
血まみれの物体は海水と太陽の光で白い泡となり
その泡からヴィーナスは誕生・・・なんだか凄い話ですよね

ヴィーナスは醜い神と結婚し 沢山の子供を生んだとか
でも その子供達は 全てヴィーナスの愛人の子
常に許す夫って・・・ある意味すごい。

この絵の中に咲いているアネモネ
ヴィーナスが愛した美少年を 愛人の中の1人が嫉妬して殺してしまい
ヴィーナスの「愛の証に戻ってきて欲しい」と言う言葉に応えるかのように
美少年の血が流れた地面から アネモネが咲いたという。

1枚の絵から こんなにお話が展開する

絵画って本当に面白いですね


出きれば オルセー美術館にある ゴッホ「自画像」や

ルーブル美術館の作品も日本に来てくれたら嬉しいなと思う私でした マル


ホイッスラー展

2015-02-04 | 美術館
横浜美術館 ホイッスラー展

私が観たかったのは「シンフォニーシリーズ」と「ノクターンシリーズ」

ホイッスラーの言葉
音楽家が音を集めて和音を作り 壮麗なハーモニーを生み出すように
芸術家は色や形が持つ要素を調和させて美しいものを生み出すように運命づけられている

タイトルに初めて音楽の用語を使った絵  白のシンフォニーNO3

日本の歌川広重と浮世絵に影響を受けたホイッスラー
浮世絵の版画は色が限られている
油絵とは違う制限された美
白のシンフォニーは 制限された美を感じますよね



白のシンフォニー(左)と小さなホワイトガール
紫とバラ色:6つのマークのランゲ・ライゼン 

モデルは同一人物で ホイッスラーの彼女(愛人)だったジョー
小さなホワイトガールのモデルを終えた頃 2人には別れが訪れたとか
そう思って観ると ジョーの表情は どことなくさびしそうに見えるのだわ

紫とバラ色の絵に登場する美術品は 
すべてホイッスラーのコレクションとか すばらしいの一言ですね


灰色のアレンジメント:自画像
前髪のあたりに一筆 白く塗られている部分がある
ホイッスラーは前髪の1部を白くしていたとか? お洒落と言うべきなのかしらw


ホイッスラーと言えば 青と金色のハーモニー:ピーコックルーム(フリーア美術館)

19世紀の実業家フレデリック・レイランドと大喧嘩になった あの有名なピーコックルーム

ほとんど完成した内装を 彼の不在中に全く違うものにかえてしまったというホイッスラー

アンティークの赤い皮の壁を ピーコックブルーに替え 金で東洋的な柄を書き
その空間に置かれた美術品は東洋の品

新聞では絶賛されたが レイモンドは激怒

そにまま喧嘩別れになり 会うこともなかったとか
でもレイモンドは その後も戻すことをしなかったのは
怒りながらも 何か感じていたのかな?

ホイッスラーの絵は静かなものが多いので
他の画家の作品がひしめき合う中で
こういう場所がなければ 自分の作品をユックリ鑑賞できない
そう思ったのでは?という説もありますね

さて 夜景を描いた「ノクターンシリーズ」

ノクターン:青と金色
 
夜空にあがった花火の色が 私にはとても可愛く見えました

ホイッスラーは絵の具に沢山の油などを調合し描いたそうです
それで この絵のような繊細なニュアンスが出せたとか。。。。


黒と金色のノクターン: 落下する花火(1875)

この絵は 美術評論家が酷評し ホイッスラーが名誉毀損で訴え裁判になりましたね
裁判中の 相手側弁護士とホイッスラーのやりとりした言葉が残っています
勝利したのはホイッスラー

実は 私はこの絵が1番すきで 凄く楽しみにしていたのですが
残念ながら ホイッスラー展にはありませんでした

この絵についてホイッスラーは
「この絵が何を表現しているのか それについては観る人次第です
ある人にとって それは私の意図した通りのものを表しているのかもしれません
しかし別の人には 何も表していないのかもしれません」

ただ 何となく「好き」で観てる私では
ホイッスラーの「意図」を感じとれることはないのでしょうね

横浜1人美術館   とても有意義なひと時でした。