ホイッスラー展

2015-02-04 | 美術館
横浜美術館 ホイッスラー展

私が観たかったのは「シンフォニーシリーズ」と「ノクターンシリーズ」

ホイッスラーの言葉
音楽家が音を集めて和音を作り 壮麗なハーモニーを生み出すように
芸術家は色や形が持つ要素を調和させて美しいものを生み出すように運命づけられている

タイトルに初めて音楽の用語を使った絵  白のシンフォニーNO3

日本の歌川広重と浮世絵に影響を受けたホイッスラー
浮世絵の版画は色が限られている
油絵とは違う制限された美
白のシンフォニーは 制限された美を感じますよね



白のシンフォニー(左)と小さなホワイトガール
紫とバラ色:6つのマークのランゲ・ライゼン 

モデルは同一人物で ホイッスラーの彼女(愛人)だったジョー
小さなホワイトガールのモデルを終えた頃 2人には別れが訪れたとか
そう思って観ると ジョーの表情は どことなくさびしそうに見えるのだわ

紫とバラ色の絵に登場する美術品は 
すべてホイッスラーのコレクションとか すばらしいの一言ですね


灰色のアレンジメント:自画像
前髪のあたりに一筆 白く塗られている部分がある
ホイッスラーは前髪の1部を白くしていたとか? お洒落と言うべきなのかしらw


ホイッスラーと言えば 青と金色のハーモニー:ピーコックルーム(フリーア美術館)

19世紀の実業家フレデリック・レイランドと大喧嘩になった あの有名なピーコックルーム

ほとんど完成した内装を 彼の不在中に全く違うものにかえてしまったというホイッスラー

アンティークの赤い皮の壁を ピーコックブルーに替え 金で東洋的な柄を書き
その空間に置かれた美術品は東洋の品

新聞では絶賛されたが レイモンドは激怒

そにまま喧嘩別れになり 会うこともなかったとか
でもレイモンドは その後も戻すことをしなかったのは
怒りながらも 何か感じていたのかな?

ホイッスラーの絵は静かなものが多いので
他の画家の作品がひしめき合う中で
こういう場所がなければ 自分の作品をユックリ鑑賞できない
そう思ったのでは?という説もありますね

さて 夜景を描いた「ノクターンシリーズ」

ノクターン:青と金色
 
夜空にあがった花火の色が 私にはとても可愛く見えました

ホイッスラーは絵の具に沢山の油などを調合し描いたそうです
それで この絵のような繊細なニュアンスが出せたとか。。。。


黒と金色のノクターン: 落下する花火(1875)

この絵は 美術評論家が酷評し ホイッスラーが名誉毀損で訴え裁判になりましたね
裁判中の 相手側弁護士とホイッスラーのやりとりした言葉が残っています
勝利したのはホイッスラー

実は 私はこの絵が1番すきで 凄く楽しみにしていたのですが
残念ながら ホイッスラー展にはありませんでした

この絵についてホイッスラーは
「この絵が何を表現しているのか それについては観る人次第です
ある人にとって それは私の意図した通りのものを表しているのかもしれません
しかし別の人には 何も表していないのかもしれません」

ただ 何となく「好き」で観てる私では
ホイッスラーの「意図」を感じとれることはないのでしょうね

横浜1人美術館   とても有意義なひと時でした。