よしなしごと

日々のあれこれを綴ります。

しましましまめぐり その後

2016-12-11 16:02:18 | 読んだ本
島巡りで大変心に残った「漂流郵便局」、本が出ていたので図書館で借りてきました。



表紙は、「漂流郵便局」の制作にあたった久保田沙耶さんです。
本には、漂流郵便局に届いた手紙の紹介や、局の成り立ちが書かれています。
久保田さんが本の最後に書かれている言葉は、文化とか言葉とか、
人間について思いを巡らせるときに、ひとつの道しるべになるものだとおもいます。

 人間の文化は何か目に見える対象とコミュニケーションを
 深くとり合うことだけで生まれるわけではないと思うようになりました。
 コミュニケーションのとれないものに対しても、やまない試行錯誤を繰り返すことこそが、
 文化の発生原理なのではないかと今、感じています。P158

粟島は、もともとは三つの小さな島が、潮流などによる堆積物により島がつながってできた島なのだそうです。
ですから、今でも浜辺には、いろいろなものが漂着するのだそうです。
この本を読んでいると、粟島に漂流郵便局ができたことは、何かの導きがあったのではないかと思うくらいです。

もうひとつは、政石蒙さんの短歌が載っているもの。



ハンセン病文学全集という本の中に政石さんの短歌はありました。
なにげに編集委員の方がすごいんですけど・・・。

 無汗症のわが体内にこもる熱口あけて吐く暑き真昼を

 らいを病む身が飛行機に乗らむなど思ひみざりきいま雲の上


特に無汗症の句は、暑さということが大変リアルに感じられました。
今年の夏は大変な暑さで、私も仕事中に何度か足がつりました。
水分不足だったみたいです。
今は、寒くなるのはいやだなあ、と勝手なことを思っています。

最新の画像もっと見る