聾者の聲。
タイトルを直訳するとこんなところか。
それが「手話」なのか「口話」なのか。
手話通訳士である元警察事務職だった男の聾者がからむであろう、事件に巻き込まれていく物語。
単なるサスペンスとかそういうものではなく、聴覚障害がいの世界というか、考え方とかそういったものが深く詰め込まれているので、ある意味世界観が広がったような気がする。
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レビュー順が入れ替わってますが、本年一冊目。
不遇の新人作家「有森樹李」の復讐(?)劇。
初柚木麻子
大御所作家の原稿を落として、自身の作品を掲載させるため、そして売れるため。スキルを活かして挑む。
大きく「有森side」「東十条side」「遠藤side」の三視点でくくられているが、それぞれの思惑が個性的で面白い。
そしてさいごに明かす、モチベーションの秘密。
映像として見たいと思いました。 . . . 本文を読む
「あたしの怨念で死に損なうがいいわ」
有川浩二冊目。三匹のおっさん以来。
これはあかん系。というかあかん。
ある瞬間、ページを捲ったとたん、涙腺が崩壊する。
テキスト(印刷文字)の圧巻。
書籍としては、sideA、sideBと別れており、それぞれ、次元の異なるお話。
本当に切なく傍観者として存在する事ができない事に苛立ちと、捲ったページに、安堵を求めることしかできないのだが。
ただ、最後の2 . . . 本文を読む
初代「スタリオンボーイ」小早川当馬。中堅俳優。通称「種馬王子」。35歳。お付き合いしている女性は複数。でも肺癌で余命1年。
当馬の仕事とプライベートでのスイッチの切り替えがとても人間味があって共感できたし、人間性に引き込まれたし、他の登場人物たちも、この当馬だから、身体をかけると言ったり、脚本家をやめると言ってついてきてくれたんだと思う。
他の石田作品と同じく、本当のラストまでは書かれておらず . . . 本文を読む
若と同じ柄で購入。
支払い時に店員さんが、
「この猫めっっちゃかわいいですよー」と言ってた。
作家のちょっと心に傷がある男と、野良で、おねえちゃんの物語。
人間視点のと猫視点で話が進んでいく。食い違いがおもしろいけど、猫飼いとしては、合点が行くところもしばしば。
猫、かわいいですよー
文頭の若、もう14歳のおじいちゃんで、癌も見つかったり、見付かった途端、急に弱くなって、 ご飯の量も減って、日に . . . 本文を読む
ロケットエンジンバルブの大手、佃製作所に舞い込んだ試作の依頼から物語は始まる訳だが、相変わらず中小は大手からミソッカスにされ、若いやつは社長と折が合わないし、大手は最後にキャン言わされる、前作から道を外さない「池井戸中小企業劇場」でした。
とは言いつつも、佃製作所の連中には毎度の事ながら気持ちよくさせてもらえる。良く育っていってる。
ロケットバルブの時にやっちゃった彼奴も頑張ってるみたい。
「いま . . . 本文を読む
一之瀬くん昇進です。部長です。巡査部長。
オフィス街、爆破事件、殺人事件。功名心。失敗。あと、恋愛。
企業ビルでの爆破事件が勃発。そして、殺人も。被害者は大金を持っていた。
それを追う、一之瀬と藤島。
線がつながっていくところ、ちょっとした功名心が、一之瀬に生まれてくる。
これも、成長の過程か。
巡査部長の辞令がでれば、異動。次は一課。ライバルのアイツも一緒らしい。
藤島さんとの別れは寂しい . . . 本文を読む
漁港の焼肉屋で働く太っていて、不細工で妙に明るい「肉子ちゃん」は、住み込みで、まったく似ていない娘の「キクりん」と二人暮らしだ。
その娘のキクりんの視点で、ちょっと思春期に向かって成長をしていく様子が書かれている。
肉子ちゃんは本当に純粋なんで、男に騙され、やっぱり男に騙され、そして男に騙される。そして、流れて北国の漁港に流れ着く。そしてやはり男に騙される。そして変なマグカップを持っている。
キ . . . 本文を読む
29歳 キャリア 大阪中央署長。低身長 飲酒ひき逃げ。カジノ特区。
本当に部下が、事件を起こしたのか?と、着任後すぐに発生した署員によるひき逃げ事件に疑問を持った新米署長29歳が、奮闘する物語。
しかも事件は今、勤めているビルの近所(中央大通、難波宮らへん)という身近さ。
困難、妨害と、協力と人間性にて真相がはっきりしてくる。
シリーズ化されているので、他のも読んでみようと思う。
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派閥、裏金、受け継ぐ、罪、疑い。
世の中のお父さんたちは、60歳前になったら、立場もあったり、プライドが邪魔したり、色々あるもんですよ。そこをうまく操縦していくのが、奥さんだったり、家族だったり。
でも、会見の場で、頭取の頭をマイクで殴ってはいけませんよ。部長。
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