野球小僧

危険なプレー

なんとも残念なニュースです。

5月6日に東京・調布市のアミノバイタルフィールドで行われたアメリカンフットボールの日本大 vs. 関西学院大の試合で、日本大の選手がプレーとは直接関係のない場所で危険な反則タックルを繰り返し、関東学生アメリカンフットボール連盟は「あらゆるスポーツにおいて順守されるべきフェアプレー精神やスポーツマンシップ精神を著しく損なうものとして、関東学生アメリカンフットボール連盟として極めて重く受け止めています」と厳しく断じ、該当選手への出場停止処分を下したと報告しました。

日本大と関西学院大といえば、日本の大学の東西を代表する強豪校同士で、2017年の大学選手権(甲子園ボウル)でも対戦しています。

日本大の守備選手は、この試合の開始早々の1プレー目にパスを投げ終え無防備になった相手クォーターバック(QB)に背後から走り込んで強烈なタックルを加え、先発QBは反則タックルにより負傷し、一時フィールドを離れる事態になりました。その後のプレーでも不必要な乱暴行為を続け、5プレー目で退場処分となりました。

連盟は9日の理事会で、反則行為のあったプレーを映像で検証。その結果、背後からのタックルが「不必要な乱暴行為を超えるプレー」と分かり、公式規則第6章の「(無防備なプレーヤーへの)ひどいパーソナルファウル」に当たると判断し、処分を下しました。連盟は「アメリカンフットボールはもとより、あらゆるスポーツにおいて順守されるべきフェアプレー精神やスポーツマンシップ精神を著しく損なうもの」としています。

アメリカンフットボール、ラグビー、サッカーなど、選手同士が直接コンタクトするスポーツでボールを保持していない選手へのタックルやチャージは、悪質な反則行為ととられます。もちろん、プレーしていない(終わった)無防備な状態の相手選手へのタックルなどはフェアプレーにも反することです。

当然のように、フェアプレー精神から大きくかけ離れた日本大選手のプレーに、アメフトファンらからはツイッターに、

「あんな悪質なタックルは初めて見ました」
「これで、もしこのQBが脊髄でも損傷したらどうなってたのだろう。選手生命どころか、日常生活さえまともに出来なくなってたら。。。」
「選手、コーチ共に追放しては。ありえない反則、というより暴力行為です」

などの怒りの声が相次いでいます。

それに輪をかけて、さらに問題になったのが日本大の内田正人監督のコメントになります。内田監督は問題のプレーについて、

「選手も必死。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」

と話したそうです。このコメントにはニュースを伝えた記者も驚いたようで、「(内田監督は)独自の持論を展開した」としています。

今回の日本大選手のと内田監督のコメントについては、国内プロリーグXリーグIBMビックブルーに所属する栗原嵩選手が5月7日のツイッターで、

「この子の勝手な暴走なのか、チームの指示なのか。このインタビューだけ見ると色々心配になる。危険なラフプレーと激しいプレーは全く違う」
「これはこのまま流されるべき問題ではない」

と苦言を呈し、連盟に対しても「動いてほしい」と訴えていました。

この騒動を受けて、関東学生アメリカンフットボール連盟は5月10日に冒頭の声明を発表し、さらに、

「日本大学が加盟している連盟を代表して、本件において負傷されました関西学院大学の選手ならびに対戦相手の関西学院大学の関係者の皆さま、そして国内外のアメリカンフットボールを愛する皆さまに多大なご心配とご迷惑をお掛けしましたことを、心よりお詫び申し上げます」

と謝罪することに至りました。また、該当選手は追加的な処分の内容が決まるまでは対外試合の出場を禁止とし、6月の大学世界選手権(中国)の日本代表メンバーに選ばれていましたが、辞退しました。内田監督についても、「スポーツマンシップに則り、公式規則を遵守し、重要な規律をプレーヤーに継続して教えねばならない」として厳重注意としました。

日本大アメフト部も同日に公式サイトに謝罪文を掲載し、「今回の事態を厳重に受け止め、今後はこのようなことがないよう、これまで以上に学生と真摯に向き合い指導を徹底してまいります」としました。

これに対して、関西学院大は日本大に対して謝罪と反則に至った経緯の説明を求める文書を送付したそうです。また、関西学院大は12日に西宮市上ケ原のキャンパス内で鳥内秀晃監督、小野宏ディレクターが出席して会見を開くそうです。

本来ならば、もっとニュースで取り上げられてもいいものですが、日本ではまだマイナースポーツ扱いなのでしょうか、ほとんどのメディアが軽く触れられた程度で問題提起はされていません。ただ、このような危険プレーを許していてはいけないとと思います。

日本アメリカンフットボール協会の「アメリカンフットボール公式規則・公式規則解説書」のフットボール綱領のページにはこう書かれているそうです。

伝統的に、フットボールは教育活動の重要な一環を担っている。フットボールは激しく、力に満ちた、身体をぶつけ合うスポーツである。それゆえ、プレーヤー、コーチ、その他の試合関係者に対しては、最高のスポーツマンシップと行動が要求される。不正な戦術、スポーツマンらしからぬ行為、故意に相手を傷つけることは絶対に許されない。
出典:アメリカンフットボール公式規則・公式規則解説書 9ページ

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
当然といえば当然ですが、関西学院大側の怒りは相当なものですね。
簡単には怒りは収まらないでしょう。

原因ははっきりさせた方がいいでしょう。なんらかの伏線があったのか。それとも、そういう指導だったのか。

アマだから、厳しくしすぎなくてもいいというわけではないと思います。きちんと処罰できないようでは、今後、不安を抱えたままの運営になってしまうでしょうから。
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

私もこのニュースみて残念至極でした。
僅かですがアメリカンフットボールを齧っていたものとしては悲しい限りです。
アメフトもラグビーも選手同士がコンタクトするのが醍醐味のスポーツですからハードなプレーは当然ありますが、それはラフプレーとは全く違いますもんね。

あのタックルは酷すぎます!
投げ終わった瞬間のタックルではなく時間経過してQBも無防備状態に背後からのタックルですから!一歩間違えば選手生命どころの問題ではないです。

関学FIGHTERSと日大Phoenixといえば伊角HCと篠竹監督時代から東西の雄で甲子園ボウルで雌雄決するライバル同士だったのに、こんな内容でネットを賑わすのは残念です。
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