野球小僧

関啓扶 / 元;中日ドラゴンズ

マホームスタジアム筑後で11月13日に行われる12球団合同トライアウトの予定選手を昨日書きました。そこに( )書きで「(元選手も含みます)」と書いてあるのですが、懐かしい名前を見つけました。

2010年のドラフト会議で中日ドラゴンズから5位指名を受け入団。2013年限りで任意引退した元中日ドラゴンズの関啓扶(けいすけ)さんです。現在は一軍サブマネジャーとして、ドラゴンズを支えています。

関さんは愛知県半田市出身で、現在25歳。
小学校一年生の時に野球を始め、同時にプロ野球を目標としていました。中学生時代は地元のリトルシニアで副主将として活躍、シニアチームの監督と三重県菰野高野球部監督との間に親交があった事から、同校に進学しました。

菰野高三年生の夏の大会では三重大会予選の準決勝まで進出、県大会優勝のいなべ総合学園から12三振を奪いながら0-1で敗退しましたが、県大会4試合、22回2/3を投げて1失点(自責点0)、31奪三振、防御率0.00の安定した投球を見せました。

2010年、ドラフト会議で中日ドラゴンズから5位指名を受け入団。菰野高といえば、2004年には市川卓さん(現:北海道日本ハムファイターズ・ベースボールアカデミーコーチ)、2008年にも西勇輝選手(オリックスバファローズ)と、立て続けにプロ野球界に選手を送り込んでいる三重県屈指の強豪校です。この年の関投手の指名で、菰野高からは3人目のプロ野球選手誕生となりました。

しかし、入団後の2年間で、ファームの登板は無し。2013年には、今年引退した浅尾拓也コーチに誘われて、グアム自主トレに参加しましたが、この年も一軍登板はなく、二軍戦でも僅か3試合、2回1/3イニングを投げただけで、防御率11.57という成績しか残せませんでした。そして、同年10月2日に球団より戦力外通告を受け、同年11月15日にNPBから任意引退選手として公示されました。

その後、2014年からは中日の二軍マネージャーを務め、2016年からは一軍サブマネージャーを務めています。マネージャーの主な仕事内容は、チームのスケジュール管理です。選手が球場に入ってから試合を行い、球場を出るまで、事細かく管理をします。また、遠征の移動手段の計画や宿泊ホテルの手配も仕事に含まれます。新幹線内の座席順の取り決めや、ホテルの部屋割りも行う必要があります。新幹線に乗車する際は、最前列に監督とコーチが並び、次に選手を配置します。選手を配置するときは、仲が良い選手同士を近くにするなど、気配りも大切にするそうです。他には、前日の試合内容や練習内容が記載された報告書を作成したりして、情報共有する資料作成などもあるそうです。

さて、関さんの引退時の理由は明らかになっていません。高校時代を観ていないので、何とも言えませんが、YouTubeに残っている投球フォームを見ますと、ちょっとぎこちない右腕の振り方です。失礼ながらドラフト5位入団で、実績もなく引退した選手が球団に残るというのは異例だと思います。

過去に、独立リーグや社会人も含めてプレー実績がなく、引退後5年ものブランクを経てのトライアウト挑戦となります。関さんは、冗談交じりに「ビッグマネーをつかみにいきます」と、気合を込めています。

関さんは、引退後もトレーニングは怠っていなかったため、現在でも体のキレは抜群だそうです。現在、帯同している沖縄・北谷キャンプでも、選手の練習の合間にブルペン投球に励んでいます。「引退後、捕手目線の配球など、現役時代以上に深く考えられるようになった。それを表現できれば」と語っています。

ブランクを乗り越えて奇跡を起こして欲しいとは思いますが。

ただ、関さんは5年間のマネジャー生活を経て今月限りで球団を退団するそうです。そして、歯科技工士などの資格を取るための勉強を始めるとのことで、どうやら“記念受験”という事だと思います。

本人も「ほぼ(合格は)無理だという現実は肌で感じている」と言っていますが、「ユニホーム姿を親に見せたい。着るのはルーキーイヤー(2011年)の落合監督仕様です」と、約5年ぶりにユニフォームを着ます。

関さんの人生の次なる試合では、是非とも勝ち投手になって欲しいと思います。


コメント一覧

まっくろくろすけ
村瀬さん、こんばんは。
関さんはイップスだったそうですね。
自ら退職を申し出て、その後、「トライアウトに参加してもよろしいですか?」と球団に確認し、了承してもらったそうです。トライアウト後、NPBの球団からの電話はなかったそうですが、いくつかクラブチームからは声をかけられたそうです。
それでも、当初の予定通り、NPBの球団から声がかからなければ専門学校に通い、歯科技工士を目指ことにしたそうです。

「遠回りしてしまいますが、今後の人生を考えたら惜しくない2年だと思います。ずっと野球しかやってこなかったので、野球以外の世界で自分を試したい。その期待感の方が大きい。いずれはセラミックの歯を作ったり、マウスピースを作ったりして、野球選手をはじめとするアスリートを歯から支えていきたい」
村瀬
前を向くってステキです
ついつい楽な方に向いてしまうことの多い中、前へ進んでおられすごいです。これからも上を向いて強く歩んでいってください。
まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
私も記憶のかなたに行ってしまっていました。

「記念受験」といっても、野球との決別の引退試合のようなものだと思いますから。そうでなければ、球団職員まで辞めることもないでしょうから。

eco坊主
おはようございます。

お名前は全く存じ上げていません。
申し訳ございません。

”記念受験”ですか~
再就職先探される人の中でそういう気持ちでの参加はいかがなものかと思うのですが・・・

う~ん、考えさせられます。
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