シーズン開幕まで2週間半に迫ったというのに、「ビシエド帰国」とはどういうことですかい?!
キャンプ中から右肩を痛め、別メニュー調整だった、昨季13勝を挙げ、最高勝率のタイトルを獲得したマイルズ・マイコラス選手が治療を受けるため米国へ帰国したことは知っていましたが、どこか故障したのか? それとも、神のお告げがあったのか? まさか、ブライアン・バニスターさん(2011年1月7日に一年契約で入団したが、東日本大震災直後の3月15日に無断で帰国、同月末に「再来日の意思がなく引退する」と連絡があった)の二の舞かと。
しかし、心配ご無用です。奥さんの出産に立ち会うために来週中に米国へ一時帰国するというものです。
そもそも、これは昨年末の契約時に予定されていたことであって、急に決まったことでも何でもありません。森ヘッドコーチも「予定どおりに帰るよ。まだ開幕まで時間があるから大丈夫」と言い、ビシエド選手も「神様のおかげで、お腹の子どもは順調に成長している。生まれたらこっちにすぐに帰ってくる。20、21日のオープン戦も出るつもりだから調整は問題ないと思っている」と楽観的です。
外国人選手にはよくあるパターンです。シーズン中であろうが、なかろうが契約の中に盛り込まれているのでしょうね。奥さんの出産立ち合いのため帰国した選手は調べきれませんでしたので、ここには載せられません。でも、いつの間にか帰ってきているのは立派です。
MLBではよくあることで、あちらでは帰国にはなりませんが、試合欠場というのはよくあることのようです。MLBの日本人選手においても、本人が希望すれば奥さんの出産立ち合い休暇は認められるそうです。ただ、過去には誰も使ったことはないようですが。
そんな中、変わり種と言っては失礼かもしれませんが、昨年、広島東洋カープに在籍した癒やし系ポッチャリ左腕としてファンからの人気も高かったマイク・ザガースキーさん。貴重な中継ぎ左腕として期待されたものの、外国人枠の兼ね合いから他の外国人選手と入れ替えで二軍に降格することが多く、一軍定着には至らず、19試合に登板し、防御率2.40の成績に終わってしまいました。
日本での思い出の一つに「子どもが広島で生まれたこと」。奥さんが第一子となる長女を広島市内で出産しています。その出産地に母国の米国ではなく日本を選択し、4月初旬に、そのために奥さんのローレンさんも来日しました。
通常、奥さんの出産に立ち会うために米国に一時帰国すると、出場選手登録から抹消され、最低でも一週間はチームから離れなければなりません。また、帰国後も時差ボケなどのコンディション不良に悩まされる可能性もあるそうです。
ザガースキーさんはそういった事態を回避するための、日本での出産予定となったようです。
しかし、そんな影の努力の結果もむなしく、シーズン終了後に今シーズンの契約を結ばないことを通達されてしまいました。
さて、ビシエド選手が予定どおり日本へ帰って来た場合のオープン戦残り試合が二試合。もし、出産が遅れるような場合があれば、ぶっつけ本番という可能性もあります。
ここまで打率.200、2ホームラン、3打点とオープン戦では、羊の皮をかぶった狼のビシエド選手ですが、家族のためにシーズンが開幕すれば打ちまくってくれることを期待しています。