野球小僧

ふもとの駅弁・元気甲斐 / 株式会社丸政

私のブログにお越しいただいてありがとうございます。新型コロナウイルスによってお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

また、日々新型コロナウイルスと戦っている医療関係など、私たちの命と生活を守るために働いてくださっている関係者の方々に、心からの敬意と感謝いたします。

どうか、みなさまとご家族、関係者の方がご健康であっていただければと思っております。1日でも早く流行が終息の方向に向かうことを願っております。

さて、八ヶ岳の山麓の高原に位置(標高886.7)し、JR中央本線とJR小海線の接続駅である山梨県最西端の小淵沢駅(山梨県北杜市)。1日平均乗車人員は約1,600人という小さな駅です。その駅を拠点として駅弁を販売しているのが、創業1919年の株式会社丸政です。丸政は雑貨、すずらん餅を主力にJR中央線富士見駅構内にて立売営業開始。1929年にJR小海線が開通したこともあり、小淵沢に移転、小淵沢駅の小海線ホームからよく見える場所に社屋を構えています。

丸政は1970年に駅弁の常識を覆した、新鮮な八ヶ岳の高原野菜が入った「高原野菜とカツの弁当」を販売し人気となりました。しかし、その後、清里など小海線沿線地域が観光ブームとなり、山梨県の中心地の甲府駅も近いため、小淵沢駅での駅弁が売れない状態になり、一時は会社存続の危機に陥りました。

その丸政を立て直すきっかけになったのが、1985年10月に発売した、上下2段に14品目のおかずを詰め込んだ「ふもとの駅弁・元気甲斐」(元気甲斐)です。

それまで小淵沢の駅弁は1日80食から150食程度の売上でしたが、この元気甲斐は話題を呼び、発売当日には遠く岡山や仙台からなどからも3000人以上が訪れ、2500食を完売し、「駅弁騒動」とまでいわれました。

これほどの注目を集めたのは、この駅弁が当時、テレビ朝日系列で放送されていた「愛川欽也の探検レストラン」(1984年10月18日~1987年3月28日:毎週木曜日22時)とのタイアップで生まれたものだったからでした。この番組は観ていましたので、よく記憶がありますし、この駅弁を食べてみたいという希望がありましたが、販売は小淵沢駅のみであり、気合を入れなければ買い(甲斐=山梨県)には行けません(県内の茅野駅でも買えますが、10個以上からの注文です)。

それが、先日、中央高速道諏訪南IC出入り口近くの店舗駐車場にてドライブスルー形式で販売するということで、販売と同時に買えるように時間を合わせて買ってきました。私にとって35年かけての悲願の駅弁になります。お値段は1600円と少々高めですが、35年待ったことを考えますと気にしないようにします。

包み紙を開けますと、昔を思い出す懐かしい経木(薄いヒノキの板)折詰の香りがします。今も当時の作り方で一品ごと手作りで、こだわりの駅弁です。

上段(写真左):胡桃御飯、蓮根の金平、山女の甲州煮、蕗と椎茸と人参の旨煮、蒟蒻の味噌煮、 カリフラワーのレモン酢漬、ぜんまいと揚げのごまあえ、セロリの粕漬
下段(写真右):栗としめじのおこわ(銀杏・蓮根入り)、鶏の柚子味噌あえ、わかさぎの南蛮漬け、山牛蒡の味噌漬け、アスパラの豚肉巻、沢庵

この駅弁をつくるにあたって、司会の愛川欽也さんの、「マルサの女」などで知られる映画監督の伊丹十三さん、料理評論家の山本益博さんらが「駅弁シンポジウム」を開き、全国の有名駅弁を研究しつつ、全体の構想を練りました。

弁当は上下2段構成とし、上段を開発したのは今では関西版の「ミシュランガイド」で9年連続三ツ星を獲得する京都の料亭「菊乃井」さん、下段は東京の料亭「吉左右」さんです。ただ、吉左右さんはどこにあるのか、現在も営業されているのかわかりませんでした。

包み紙を手掛けたのは、村上春樹さん作品の装丁などで知られる安西水丸さん。デザインは資生堂のデザイナーとして知られる太田和彦さん、さらにBMWのキャッチコピー「駆け抜ける喜び」などで知られるコピーライターの岩永嘉博さんが「ふもとの駅弁・元気甲斐」と名付け、書にしたためたのは、黒沢明さん監督映画「乱」のタイトル文字で知られる書家の今井凌雪さんです。

この豪華絢爛な駅弁こそ、「空前絶後」の顔ぶれで企画されたと言えるでしょう。

でも、今も昔も流行り廃りはあっという間です。TV番組の企画であったとしても、いくら優れたモノを開発しても、本物でみんなに愛されなければ、お客さんは離れて行き、いつの間にか忘れ去られてしまいます。

でも、TV番組が終わっても、駅弁の車内販売が亡くなったとしても、この駅弁の品質と人気が続いてきたのは、いまだに一つひとつ大切に手作りされている丸政さんの実力と継続する努力あってのことでしょう。

正直、私にとっては上品すぎる味の駅弁でしたが、この次は、小海線の高原を車窓から眺めながらの駅弁を味わいたいと思います。今は、以前行ったときの八ヶ岳のことを思い浮かべながら食しておきます。

ごちそうさまでした。

「いつまでも変わらぬ愛を」持ちたいものです。もちろん、自分の身近な人だけではなく、世界中の人に対してもです。そうなれば私たちはきっと幸せになれると思います。

また、明日、ここで、お会いしましょう。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、ろくさん、こんばんは。

「ひらめ」が名産なのでしょうか。ラーメンもいいですし、丼も美味しそうですね。
山の中にいますので、やっぱり、新鮮な海のものにあこがれます。

でも、サバ缶だけには不自由していませんけど(変な強がり)。
まっくろくろすけ
ろくさん、こんばんは。

鳥取にも美味しい駅弁ありますよね。

実は・・・「かにいなり」を食べたことがありまして・・・。いつか地元でと思っています。
まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

以前の「おぎのやの釜めし」と同じように、あえて奇をてらった豪華さを求めなかったのが、長年愛される秘訣なのでしょうね。

「元気甲斐」と「元気海」のコラボを見てみたいですね。

それと、実は・・・「焼きかに弁当かに小屋」を食べたことがありまして・・・。
まっくろくろすけ
kiku55kgさん、こんばんは。

私もこの番組観ていましたので、当時の頃のことも思い出しながら食べました。
初めてでしたが、懐かしさもある駅弁でした。

海外出張に行く際に、成田空港を使うことがあるのですが、空港駅に駅弁がないのが残念でして・・・。
eco坊主
roku2007様

是非ヒラメラーメン@元気海 ご堪能くださいませ。
roku2007
おはようございます。すごく勉強になりました。すべてにおいて素晴らしい駅弁ですね!!食べてみたいです。

コメント欄お借りします。
eko坊主様 同じ県内なので海の駅、行ってみますね
eco坊主
おはようございます。

元気甲斐・・美味しそうですね。私の大好きな野菜・山菜たっぷり!
ご飯はちょっと多いかな(笑)
ネーミングもいいですね👍
因みに此方にもヒラメラーメンが売りの”元気海”という海の駅があります。
コナンの聖地にお越しの際には是非食してくださいませ~



自分にできる事を徹底して行い、免疫力向上と感染拡大防止に努めます。
ここにお越しの皆様もどうかお気をつけください。
kiku55kg
元気甲斐
記憶の奥底から取り出しました
私も覚えています
懐かしいですね
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