「福島が好き」編集部

あの日からの希望を紡ぎだすために

真実はどこに? - WHOとIAEA 放射能汚染を巡って -

2012-07-25 11:00:47 | 情報紹介
ユーチューブで公開されているドキュメンタリーです。
50分程あるのでお時間のある時にぜひご覧ください。
(※この記事の一番下に映画の文字起しもリンクしています。)

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真実はどこに? - WHOとIAEA 放射能汚染を巡って -
(原題:Controverses nucleaires)
http://www.youtube.com/watch?v=oryOrsOy6LI
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WHO世界保健機関と IAEA国際原子力機関が共同で開催した、
2001年キエフ国際会議の模様を捉えた、とても貴重なドキュメンタリーです。
特に福島の原発事故以来、私たち も避けて通れなくなった内部被曝の実態や、
その証拠がどのように隠されてきたかを目の当たりにすることが出来ます。

ウラディミール・チェルトコフ(Wladimir Tchertkoff)監督、
エマヌエラ・アンドレオリ、ロ マーノ・カヴァッゾニ助監督作品
フェルダ・フィルム、2004年、51分

日本語版制作 Echo Echanges France、りんご野
字幕翻訳 藤原かすみ、藤本智子、辻俊子、コリン・コバヤシ
字幕・ナレーション制作 岩城知子 

。。。。。。。。。。。。。。。
(以下、編集部より)

2001年にロシアでおこなわれた
「チェルノブイリの惨事の医学的結末」をテーマにした、
国際会議のドキュメンタリーです。

会議の様子をみると主催した国連機関の内部においても、
放射能による健康被害はもうないという学者たちと
低線量(内部)被曝の影響を訴える医師や学者たちの、
見解や立場が真っ向から対立していたことがわかります。

国連人道問題事務所の代表は、
「チェルノブイリの影響は消え去りません。
予想出来ない形でつねに大きく、さらに深刻な問題となっています。」
というアナン国連事務総長の言葉を引用し、
チェルノブイリの犠牲者は900万人と見積り、
その悲劇は始まったばかりだ、と述べています。

IAEAの代表は、チェルノブイリの原発事故の死者は31人。
高線量の放射能をあびた被曝者は数百人、
甲状腺がんを発症したのは子ども2000人。
事故による被曝と健康への影響が関連づけられるのは、
医学的に証拠があるのはそれだけだ、と断言します。

会議では、チェルノブイリの汚染地域で研究を続けた
解剖病理学者のバンダジェフスキー教授の研究も発表されます。
食べ物を通じて低量摂取された放射性セシウムが
体内に蓄積し生命に必要な臓器を徐々に破壊していくことや
心筋に蓄積したセシウム汚染の量と期間がある限度を越えると
心不全が慢性化し突然死が起こるという研究です。

しかし、この会議の決議には、
低線量(内部)被曝による健康被害の問題は盛り込まれませんでした。
その決議内容が、世界各国の放射線防護の基準になっています。

主催したWHO(世界保健機関)と IAEA(国際原子力機関)は
どちらも国連の機関ですが、組織的にWHOはIAEAに従属します。
IAEAの意向や判断がその決議内容を決めるのです。
人々のいのちや健康を守るための組織より、
軍用民用核開発の機関が力を持ち、発言力を持っているということです。
(核開発をするためには放射能による健康被害が公認されたら困るのでしょう)

映画は会議での医師や科学者たちの報告とともに、
そうした背景についての解説も入っています。
今も闘病中の子どもたちへのインタビュー
現場の医師や関係者へのインタビューも織り交ぜて
真実はどこに? と、問いかけています。

福島の今を考える上で、ぜひ多くの方に見ていただきたいです。


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※追記します
(32分~)
現場の女性医師・研究者たちが
低線量被曝内部被曝の影響を訴えている場面があります。
それによって子どもたちが死んでいる、と。
その影響は慢性でかつ持続する、と。
低線量被曝がもたらす影響は未知なのです、と。

それに対して、
ロシア放射線学共同体のヤルモネンコ教授は
>未知なんて、よく言えたものだ
>放射能について私たちは何もかも知っている
>チェルノブイリで新たに学んだことなんて何もない
>内部か外部なんてどっちでもいい
>低量か大量なんてどっちでもいい
>放射能への何たる無知、
>これほどの無能力は医者として許されない

と言ってのけます。
一体どちらが科学的なのでしょうか。


※映画の文字起し↓↓
http://www.savechildrengunma.com/truth/whoiaea/


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
真実はどこに? - WHOとIAEA 放射能汚染を巡って - (ttfukushima)
2012-10-29 08:03:52
「人が住んでいるところにもかかわらず、 福島は線量が高い。 想像以上に高い」アレクセイ・ネステレンコ所長記者会見 10/20(内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2460.html
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