「福島が好き」編集部

あの日からの希望を紡ぎだすために

原発がこんなに怖いものだと知らなかった

2012-08-10 15:11:39 | 福島の声
※編集部に頂いたお手紙です。
「あなたの声を聞かせて下さい」という呼びかけにこたえて下さったものです。
福島の声として、そのまま紹介させていただきます。
お手紙ありがとうございました。
直筆のまま掲載していただければ、
というメモがありましたので写真を掲載させていただきます。
タイトルと改行は編集部です。


◆初めまして。私は福島に住む者です。
「福島が好き」読みました。
私は福島が好きなのはもちろんだし。この日本が大好きでした。
平和で、安心して暮らせる。日本に産まれてよかった、と思った。
昨年までは。
親が子に「誰かを傷つけたら、心から謝りなさい。
そして同じ間違いをしないでね。」と話す。
でも大人はどうか。
人や動物、多くの者の心や身体を傷付けて。
傷付けた者は反省したのだろうか。

大飯原発再稼働?
よくそんな事ができるね。
必至で止めようとした人達の姿を見た。
すごく嬉しかった。
そんな人もいる、と生きる希望に繋がった。

でも福島原発、第2、第3号機を本年度中に再稼働させると言う人がいる。
(※編集部注:福島第二原発のことか?)
福島の人はおとなしい?
こんな事になっても何も変わらない者達にあきれ果てているんだよ。
言葉が出ない。
自分も同じ想いをしなきゃ気付かないって、あきらめたんだよ。
同じ日本に、同じ地球にいま、共に生きてるのに。
悲しすぎるよ。涙があふれてくる。

温暖化の影響で全国にひょうが降った。
2100年迄に地球にある氷山が全て溶けると言われている。
目に見えるほど自然が変化している。
これからも進む温暖化が怖い。
電気を使うと、それだけでCO2が増える。
週に2回、車を走らせるだけで多くの有毒ガスを出す。
私達の日々の生活が地球を弱らせている。

福島に住む一人の男の子が、もっと前の時代に産まれたかったと言う。
何故なら、原発がない時代に生きたかったから。
昨年、福島原発が水素爆発した。
あの爆発が格納容器だったら。私達はここに今居ない。
あの爆発で水をよごし、土をけがし、美しい地球をよごしてしまった。
残されたモノ達は誰にも頼れず過酷な日々を過ごしている。

原発がこんなに怖いものだと知らなかった。
でも、今は知る事ができた。思い出してほしい。
核はもたない、作らない、持ち込ませない。
そう決めた時のことを。
地球に良くないものは、使ってはいけないよね。

弱者の為に原発は必要だと言う人がいる。
でも私は弱者のためにもなくすべきだと思う。
想定外の事故が起きた時、犠牲になるのは逃げられない弱者だから。

昨年の震災後、家族はバラバラになった。
大きいお腹を抱えて、転々と避難した。
あの時、水が蛇口から出なくて。ガスも止まった。
トイレを一回流すのに大量の水を使ってる、と知った。
電気がつかない夜はすごく長くて。
久しぶりに下着を替え身体が洗えた時、本当にさっぱりした。
今まで、ある事が当たり前で、ありがたい事だって気付かなかった。

震災の日、小さな子供と一緒に一人のお母さんが家に居た。
彼女が母親に「津波が見える。今までありがとう。」と最後の電話をかけた。
彼女と津波に襲われた子供。最後の声を聞いた母。
三人の気持を考えると胸が苦しくなった。
あの時目にした悲惨な景色はテレビの中の話ではない。
自分にいつ、何が起こるか分からないって、強く思った。

生きる事も、死んでしまう事も私には怖くて。
そんな時、一冊の本に出逢った。
そこには「生きる事に意味がある」と書いてあった。
全ての人が産まれた時、生きたいと必死で叫ぶ。
しかし生きていく中でとても苦しい時、もう終わりにしたいと思う時が来る。
その時、生きたくても生きられなかった人を思い出し、その人の分も生きると誓った。
そうやって必至で生きる事に意味があると思う。

私は「生きる」とは繋げる事だと思う。繋げ方は人それぞれ。
会社であったり、想いであったり、命だったりする。

福島に住む一人の女性は尊い命をお腹に宿していた。
しかし、産まれてくる子供を想い産めなかったと言う…。
生きたくても生きられなかった赤ちゃん。
また別の女性は子供がほしいけど、授かっていいか悩むと話した。
そんな話があっていいのか。

もしも大切な人が、あなたの愛する人が、原発の隣に住んでいたら。
安心して暮らしなと言えるでしょうか。
今まで自分に何が出来るか考えてた。
けど、できるかできないかは重要じゃない、って気付いた。
何もしていないのに、出来ないって何故決めつけるのか。
大事なのは、自分が何をすべきか考え、
やり遂げると強い意志を持ち、行動することだ。
人は変われる。私だって変わることができた。

あんなに不安で、怖い思いを皆にしてほしくない。
決して他人事ではないから。
大切な家族と安心して共に暮らす。それだけいい。
それが本当の幸せだ。

私達日本人は誰よりも原発の恐ろしさを知っている。
だからこそ日本は豊かさを求めるのではなく。
地球と共存する道を示さなくては。
建物全てに太陽光発電を義務化。その分業者は安く国が補助。
自分の車はなるべく使わずバスや電車を活用。
限りある資源を大切に。一本でも多くの木を守り増やしたい。
世界中の人が母国のように地球を愛してほしい。
子供達の笑顔を守る為。
生まれ変わっても又この地球で大切な人と出逢う為に。
私の切なる願いです。


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