そもそも論として、地デジに切り替わったのが2011年で、それから10年も経ていない訳です。現状では漸く地デジというものが世間に浸透してきたというのが関の山でしょう。
アナログからデジタルに切り替わり、それによって齎された映像の綺麗さは衝撃的でした。ノイズもゴーストもない本当にデジタル的な映像は、大きな変革期を迎えた訳です。
然し乍ら、それ以上の高画質にしたところで、いったい視聴者に何を求めるのでしょうか。地デジだけでも十分お腹いっぱいなのに、更なる高級料理を出されて食す人が何人いるのでしょうか。況してや値段も相当に跳ね上がるとなれば、誰が好んで注文し料金を払うでしょうか。
第一、テレビの現状を見て下さい。映像の質が上がっても、内容の質はダダ下がりではないですか。私は以前からテレビを殆ど見なくなり、辛うじて残したい番組はハードディスクに録画して適度にダビングしているくらいですが、インターネットと向き合う時間が大部分なのでダビングしたものでさえ満足に見ていない有様です。
正直なところ、この技術は失敗でしょう。否、本来やる必要がなかったものではないかと思います。普及率の1%という数字は殆ど金持ちの道楽の一環としてテレビやレコーダーなどを購入しているからだと思いますね。
確かにテレビ製造業の立場では適度に買い替えをしてもらわないと新製品を出せないジレンマがあると思いますが、低所得層が多いのとリサイクルで地デジ対応テレビを安価で購入できるということも数字を引き上げない理由だと思います。斯く言う私もテレビやレコーダーは全てリサイクル品です。
例えば20インチの地デジ対応テレビなんて数千円程度で購入できますし、レコーダーに至っても小遣い銭くらいで購入できてしまうんです。勿論、それ相当な経年劣化があるものですからハードユーズには耐えられない可能性が高いですが、私の様な四六時中テレビを見ない人間には十分なのです。
目標の50%は無理です。その前に国が終わってしまうでしょう。