2017年秋
「禁忌物語」
知られえぬ君が尊き意図なれど あの日来りて撃ち毀たれぬ
黄泉にゐて忌み嫌はれてゐはせぬか 自死選びたる選ばされたる
からうじて読み過ごされなむ 短歌なら口をひらけば蜘蛛の子散らす
懸案のエントロピー量見積もりをわがジェニーらのつひに成し遂ぐ
「生命は負のエントロピー食べて生く」余りにをかし自然の為すは
情念に逆らふは無理 とりあへず化学結合に支配されゐて
無視されて失笑さるる神経も消耗したり バ~イ歌人未満
なづきより取り出す言葉 怪しさのバイアスかかりはや絡みつく
長生きもタイシタコトナイまま終はらん 世をはみ出すも世に倣らふとも
生活と権利のかかるカネの事 不信と恨みの山の下敷き
不安胸を圧して鼓動とどろける 夜半転々と闇に目開く
呑み込まれ不安の袋かぶされぬ 一なる神の遍在忘れ
絶対者にすがり安楽図ること卑怯でせふか 親鸞さまへ
第二指を立て目を瞑りゆきあひのこの人々の尊さ讃ふ
庭にまた草ども生えぬ 思はずも流行りの英語出づ「オーマイガッ」
__