まだまだ実験

2018年より短歌を載せることにしてみました。
装丁はダリアのままです。

楽しい歌も時にはあるかも。

めぐる季節に詠う 弥生 花の記憶 と卯月、旅情

2018年07月10日 19時01分32秒 | 短歌


花びら文様


春一番の花ならんとや思ふらし丈を揃へて三階草群る

太陽に追ひついてくる繊月の独り舞台なり 桜待ちつつ

物悲し明日への不安 春ゆえか 鴉の声のみ聞こえて悲し

春雨をたつぷり吸ひて咲きみつるスノードロップ今ぞ切り時

春の花とりどり咲ける屋敷内いかにや前世善行なせしか

実生より育て咲かせて伐り倒す蝋梅の枝の薫香著るし

弟の誕生日ゆゑ彼岸すぎ電車に参る初桜あり

薄墨にゆるむ蕾に染められて円かなるかな彼岸すぎの世

むくつけき貧しき男一人にて花の下行く心の誘ふか

われも一人 友らの顔に花の香の有る無し言へど そよとぞ風は

平成の最後の花見ならんかも摂理のままに花弁の落つ

外国の地に山椿根付くやら 友に送ると種子を拾へり

耕人のゐる花の下 とき満ちて水田となれば花びら浮くらむ

一人舞ふ太極拳を悲しまず桜笑ひて神と手を取り

神遊び名なき広場の唯我にて醍醐の桜ならねど嬉し

ぐうるりスマホかざしてビデオ撮る今年限りの天と花とを

川上の桜散り初めちりぢりに橋の下ゆく遊び遊びて

流れくる花びらふえて川面ゆく遊びがてらに文様なしつつ




若芽立つドイツを



初夏の緑に日毎染めらるるニュルンベルグは中世の街

義父母(ちちはは)も汝を迎へいづ 実父母(ちちはは)も亡き子も我と共に居る

身の滅す寂しさあれど実相の神霊光る楽しき刻来む

雲湧きて日差さへぎる暗さにて瞳の光薄れゆくかに


ドレスデンにリンゴの花の咲き盛る人も 営為も天然も美

エルベ河に古楢の林 これぞかの森林浴とて命満たさる

子供らのブロンドの髪陽を受けて 幸せに暮らすこと許されて

煌めけるオレンジジュースをグラスより呑みて物質交換の快

創造の元なるは電子 人といふ幻も創る幻像の世を

夕やみに窓の灯りが高々と梢ゆ見えて そは上弦の月


平原は空にぶつかるまで黄色 人影もなしICE進むのみ

御心のままなる天然のその一点 壊れたる夫がこぼしゐる雑音

リラの花開かむ風情にどの色も風の合図をたがはず待つらむ


真四角に圧縮されたるゴミたちがフルダに密か待たされ居りぬ

目が合へばふとほほゑめる肌白き女多き街 祝福すべし

我がうちに香り立つもの 神霊より照らさるるかに樹林に立つかに

一枚の葉を光らする日の光 物理によれど永劫とふ力

何せむか人の次元の陰日向 存在尊し知るも知らずも

夫一人全地球的に落ちこぼれ滅びゆくこと妨げんとす

網の目に光る航雲マトリックスのごと フルダ全空をおおひ尽くせり

我が作る微笑(ほほえみ)がゑしやや遅く 移ろひゆきたる視線戻らず

ひらひらと自由に我のそばに居る母よ言祝ぎ讃ふ嬉しさ



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