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固定資産税と都市計画税の評価額に違いはある?

2022年12月04日 | 固定資産税

市街化区域に位置する土地や家屋を所有すると、一部例外を除き、固定資産税と都市計画税が課されます。

それらの税額は、固定資産税も都市計画税も「固定資産税評価額」などと呼ばれる評価額を基に計算されますが、固定資産税を計算する基となる評価額と、都市計画税を計算する基となる評価額に違いはあるのでしょうか。

固定資産税と都市計画税を計算する基となる評価額に違いがあるか、わかりやすくご紹介しましょう。

固定資産税と都市計画税の評価額に違いはない

冒頭でご紹介したとおり、市街化区域に位置する土地や家屋を所有すると、固定資産税と都市計画税が課され、それぞれの税額は「固定資産税評価額」などと呼ばれる評価額を基に計算されます。

固定資産税評価額とは、市町村によって評価された、固定資産税や都市計画税が課される対象となる土地や家屋などの適正な時価です。

そして、土地や家屋の固定資産税と、土地や家屋の都市計画税を計算する基となる固定資産税評価額は、同一であり違いはありません。

土地や家屋の固定資産税と都市計画税は、同一の固定資産税評価額を基に税額が計算されます。

たとえば、市街化区域に位置する、固定資産税評価額が1,000万円の土地があったとしましょう。

その土地の固定資産税と都市計画税は、どちらも固定資産税評価額である1,000万円を基に税額が計算されます。

固定資産税と都市計画税の評価額に違いはない

土地や家屋を所有すると、市町村から固定資産税や都市計画税が課されますが、市町村は自らが評価した「適正な時価」を基に税額を計算します。

その適正な時価が「固定資産税評価額」などと呼ばれる評価額であり、土地や家屋の評価額は3年度に一度見直されるものの、複数の評価額が出されることはなく、1つの評価額のみが算定されます。

そして、その1つの評価額を基に、固定資産税と都市計画税が計算されます。

土地や家屋の固定資産税評価額は、固定資産税と都市計画税を含め、不動産取得税や登録免許税、相続税、贈与税など、不動産にまつわる様々な税金を計算する基となる統一された評価額です。

それぞれの税金を異なる評価額を基に計算しては、合理的に課税されません。

よって、土地や家屋に関する税金は、市町村によって評価された適正な時価、すなわち「固定資産税評価額」などと呼ばれる統一された評価額を基に税額が計算されます。

土地や家屋の固定資産税評価額は、不動産に関する様々な税金を計算する基となる統一された評価額

なお、土地の相続税と贈与税だけは、固定資産税評価額ではなく「相続税路線価」と呼ばれる評価額を基に計算されるため留意してください。

家屋の相続税と贈与税は、その家屋の固定資産税評価額を基に計算しますが、土地の相続税と贈与税は、国税庁が毎年公開する相続税路線価を基に計算します。

つづいて、市町村が土地や家屋の固定資産税評価額を評価する方法を簡単にご紹介しましょう。

土地の評価額は、公示地価を指標として評価する

固定資産税を計算する基となる評価額と、都市計画税を計算する基となる評価額に違いはなく、どちらも「固定資産税評価額」などと呼ばれる同一の評価額を基に税額が計算されます。

そこで気になるのが、市町村が土地や家屋の固定資産税評価額を評価する方法です。

土地の固定資産税評価額は、公示地価を指標として、その70%程度と評価されます。

公示地価とは、国土交通省が毎年公示する、各地各地に点在する約2万6,000箇所の標準地と呼ばれる地点の1平方メートルの正常な価格です。

正常な価格とは、その土地を売買する際に通常成立すると考えられる価格であり、売り主の売り急ぎや、買い主の買い進みなどの事情を含まない価格を意味します。

日本で最も公示地価が高額なのは、東京都中央区銀座4丁目に位置する「中央5-22」という標準地であり、令和4年の公示地価は5,300万円です。

以下が「中央5-22」の付近です。



公示地価は、その土地と条件が類似する土地が売買された際の価格の事例などを参考として評価されるため、「中央5-22」の実勢価格は1㎡あたり5,300万円と考えられます。

1㎡あたり5,300万円とは驚くほど高額ですが、その公示地価は特別であり、町中に位置する標準地の公示地価は、1㎡あたり15万円など一般的な価格です。

そして、土地の固定資産税評価額、すなわち土地の固定資産税や都市計画税を計算する基となる評価額は、立地条件が類似する標準地の公示地価を指標として、その70%と設定されます。

たとえば、100平方メートルの「土地A」があったとしましょう。

土地Aと立地条件が類似する標準地の公示地価が10万円であれば、「100㎡×10万円×70%=700万円」と計算し、土地Aの固定資産税評価額は700万円程度になるといった具合です。

家屋の評価額は、新築時の建築費を基に評価する

家屋の固定資産税評価額、すなわち家屋の固定資産税や都市計画税を計算する基となる評価額は、再建築費から、築年数が経過することにより目減りした価値を差し引いた額です。

再建築費とは、その家屋と同一の家屋を同一の場所に新築するために必要となる材料費と労務費などの合計です。

築年数が経過することにより目減りした価値は、築年数が古くなるほど大きくなります。

たとえば、築5年より築10年の方が、築10年より15年の方が大きくなるといった具合です。

家屋の評価額は、築年数が古くなるほど低くなる

「築年数が経過することにより目減りした価値」は、築年数が古くなるにつれて徐々に大きくなるため、家屋の固定資産税評価額は、築年数が古くなると共に徐々に下がるという特徴があります。

具体的には、木造家屋であれば15年から35年を掛けて、マンションなどの鉄筋コンクリート造の家屋であれば60年を掛けて、新築時の20%程度まで固定資産税評価額が下がります。

そして、20%程度まで下がれば、その家屋が家屋として機能する限り、それより下がりません。

従って、固定資産税評価額を基に計算される家屋の固定資産税は、築年数が経過しても0円になることはなく、新築時の20%程度まで下がるに留まります。

ちなみに、私が運営するサイト「固定資産税をパパッと解説」で公開するコンテンツ「都市計画税と固定資産税の違いとは?課税標準額の違いなど解説」では、固定資産税と都市計画税の違いをわかりやすくご紹介しています。

同コンテンツでは、都市計画税と固定資産税の税率や税収、納税義務者数、使い道など、さまざまな違いをご紹介中です。

固定資産税と都市計画税の違いにご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。

都市計画税と固定資産税の違いとは?課税標準額の違いなど解説