わかりやすく解説 | 不動産のあいうえお

わからない不動産のことをわかりやすく解説

固定資産税が高すぎる。なぜ高い?

2023年06月07日 | 固定資産税

2023年も6月になり、東京23区の固定資産税の納税通知書が発送されたようです。

この時期になると、納税通知書に記されている税額を見て「固定資産税が高すぎる」と憤る方が多くいらっしゃいますが、なぜ高いのでしょうか。

家屋や土地、マンションの固定資産税が高い主な理由をご紹介しましょう。

家屋の固定資産税が高い理由は、建築費が高く築年数が浅い

一戸建ての家屋、またはマンションの一戸部分の固定資産税が高すぎる理由は、新築時の建築費と築年数にあると考えられます。

家屋の固定資産税は、新築時の建築費が高く、築年数が浅いほど高くなります。

マンションの一戸部分を含め、家屋の固定資産税は以下のように「課税標準額×固定資産税の税率」と計算します。

家屋の固定資産税の計算式
課税標準額(家屋の固定資産税評価額)×固定資産税の税率(主に1.4%)=固定資産税

式に含まれる課税標準額とは、なにかしらの税金が課される状況において、税率を掛け算する基となる額であり、課される税金によって意味が異なります。

家屋の固定資産税の計算式に含まれる課税標準額は、式に記載したように「家屋の固定資産税評価額」です。

家屋の固定資産税評価額とは、市町村によって評価された家屋の適正な時価を意味します。

そして、家屋の固定資産税評価額は、新築時の建築費が高額であり、築年数が浅いほど高くなります。

よって、新築時の建築費が高く築年数が浅い家屋は課税標準額が高くなり、課税標準額に税率を掛け算しつつ計算する固定資産税も高くなります。

家屋の固定資産税が高すぎるのは、新築時の建築費が高く築年数が浅い

また、家屋の固定資産税は築年数が経過することにより徐々に下がりますが、木造であれば、新築時の1㎡あたりの建築費が高額なほど下がりにくくなります。

たとえば、新築時の1㎡あたりの建築費が9万円程度未満であれば、築15年で新築時の20%程度まで固定資産税が下がります。

一方、新築時の1㎡あたりの建築費が21万円程度を超えるのであれば、築35年で新築時の20%程度まで固定資産税が下がります。

新築時の1㎡あたりの建築費に対する、固定資産税が下がる築年数は以下のとおりです。

1㎡あたりの建築費が高額な木造家屋は、固定資産税が下がりにくい

木造家屋を所有しつつ固定資産税が高すぎる、いつまでも下がらないと感じる場合は、新築時の1㎡あたりの建築費をご確認ください。

土地の固定資産税が高すぎる理由は、立地条件が良く敷地面積が広い

一戸建てが建つ土地や、土地のみの固定資産税が高すぎる理由は、立地条件と敷地面積にあると考えられます。

土地の固定資産税は、立地条件が良く、敷地面積が広いほど高くなります。

土地の固定資産税は、以下のように「土地の固定資産税評価額」を課税標準額として計算します。

土地の固定資産税の計算式
課税標準額(土地の固定資産税評価額)×固定資産税の税率(主に1.4%)=固定資産税

土地の固定資産税評価額とは、市町村によって評価された、その土地の適正な時価です。

土地の固定資産税評価額は、立地条件が良く敷地面積が広いほど高くなります。

固定資産税評価額が高くなれば課税標準額も高くなり、課税標準額に税率を掛け算しつつ計算する土地の固定資産税も高くなります。

よって、一戸建てが建つ土地や、土地のみを所有しつつ固定資産税が高すぎると感じる場合は、立地条件と敷地面積をご確認ください。

固定資産税が高すぎる要因となる立地条件が良い土地とは、駅や学校、病院などの公共施設まで近い土地や、接道本数が多い土地などが挙げられます。

土地の固定資産税が高すぎる理由は、立地条件と敷地面積にある

なお、一戸建てなどの家屋が建つ土地の固定資産税は、家屋の築年数が経過することでは下がらないため留意してください。

一戸建てを所有すると家屋と土地を所有することとなり、それぞれに固定資産税が課されます。

そして、家屋の固定資産税は築年数が経過することにより徐々に下がりますが、土地の固定資産税は、その土地に建つ家屋の築年数が経過することでは下がりません。

土地の固定資産税は、家屋の有無にかかわらず周辺の地価に応じて変動します。

マンションの固定資産税が高すぎる理由は、その構造にある

マンションの一戸部分の固定資産税が高すぎる理由は、その構造にあると考えられます。

マンションは主に鉄筋コンクリート造ですが、鉄筋コンクリート造は木造より固定資産税が高くなります。

先述のとおり、マンションの一戸部分を含め、家屋の固定資産税は以下のように「家屋の固定資産税評価額」を課税標準額として計算します。

家屋の固定資産税の計算式
課税標準額(家屋の固定資産税評価額)×固定資産税の税率(主に1.4%)=固定資産税

家屋の固定資産税評価額とは、市町村によって評価された、その家屋の適正な時価です。

マンションの一戸部分は主に鉄筋コンクリート造ですが、木造より建築費が高額になる鉄筋コンクリート造は、そもそもの時価が高いとみなされます。

時価が高いとみなされれば課税標準額が高くなり、課税標準額に税率を掛け算しつつ計算する固定資産税も高くなります。

マンションの固定資産税が高すぎるのは鉄筋コンクリート造のため

また、鉄筋コンクリート造は木造より耐久性に優れますが、耐久性に優れるということは、時価が下がりにくいことを意味します。

時価が下がりにくければ、固定資産税評価額である課税標準額も下がりにくく、固定資産税も下がりにくくなります。

よって、主に鉄筋コンクリート造であるマンションの一戸部分は、主に木造である一戸建ての家屋より、固定資産税が下がりにくいという特徴もあります。

具体的には、鉄筋コンクリート造の家屋の固定資産税は、60年をかけて新築時の20%程度まで下がります。

木造家屋の固定資産税は、15年から35年をかけて新築時の20%程度まで下がりますから、マンションの固定資産税は極めて下がりにくいといえるでしょう。

マンションの固定資産税は下がりにくい

ちなみに、私が運営するサイト「固定資産税をパパッと解説」で公開するコンテンツ「固定資産税が高いときの対処法とは?前年より高い理由など解説」では、固定資産税が高いと感じるときの5つの対処法を解説中です。

同記事では、固定資産税には頻繁に課税誤りがあることや、軽減措置の適用外となり税額が高くなることがあることもご紹介しています。

固定資産税が高すぎると感じる方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。それではまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。

固定資産税が高いときの対処法とは?前年より高い理由など解説


最新の画像もっと見る