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100坪の土地の固定資産税を計算する方法

2024年07月21日 | 固定資産税

都会で暮らす人にとって100坪の土地といえば憧れですが、固定資産税はいくらになるのでしょうか。

100坪の土地の固定資産税を計算する方法をわかりやすく簡単に解説しましょう。

100坪の土地の固定資産税の計算方法

100坪であるないにかかわらず、土地の固定資産税は以下の式で計算します。

土地の固定資産税の計算式
課税標準額(その土地の固定資産税評価額)×固定資産税の税率(市町村によって異なるものの主に1.4%)=固定資産税

式には「課税標準額」という聞き慣れない言葉が含まれます。

課税標準額とは、なにかしらの税金が課される状況において税率を掛け算する基となる額であり、課される税金によって意味が違うことがあれば、同じこともあります。

土地の固定資産税を計算する際の課税標準額は、式に記したように「その土地の固定資産税評価額」です。

土地の固定資産税評価額とは、市町村によって評価されたその土地の「適正な時価」であり、売買価格より低くなるのが通例となっています。

どの程度低くなるかは物件によって異なりますが、都市部およびその周辺に位置する宅地(建物を建てるための土地、または既存の建物を維持するために必要な土地)であれば、売買価格の70%程度になるといわれます。

たとえば、5,000万円の100坪の土地であれば「5,000万円×70%=3,500万円」と計算し、固定資産税評価額は3,500万円程度になるといった具合です。

固定資産税評価額が3,500万円であれば以下のように計算し、その100坪の土地の固定資産税は49万円です。

100坪の土地の固定資産税の計算例
課税標準額(固定資産税評価額である3,500万円)×固定資産税の税率(主に1.4%)=49万円

ただし、課税標準額が「その土地の固定資産税評価額」となるのは、一切の軽減措置が適用されない場合に限ります。

特定の軽減措置が適用されれば、課税標準額は「その土地の固定資産税評価額から一定の額が差し引かれた額」に変更されます。

具体的には、更地には「負担調整措置」などと呼ばれる軽減措置が適用され、課税標準額が「その土地の固定資産税評価額の70%など」に変更されます。

また、住宅が建つ土地には「住宅用地の特例」などと呼ばれる軽減措置が適用され、課税標準額が「その土地の固定資産税評価額の6分の1など」に変更されます。

つづいて、負担調整措置適用後の土地の固定資産税を計算する方法をご紹介しましょう。

負担調整措置適用後の100坪の土地の固定資産税の計算方法

100坪の土地を含め、全ての土地には「負担調整措置」という軽減措置が適用されます。

負担調整措置とは、土地所有者の税負担を軽減する措置であり、申告不要で適用されます。

更地に負担調整措置が適用されれば、以下のように「固定資産税評価額の70%など」が課税標準額となります。

負担調整措置適用後の土地の固定資産税の計算式
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の70%など)×固定資産税の税率(主に1.4%)=固定資産税

たとえば、先に5,000万円の100坪の土地の固定資産税を49万円と計算しました。

その土地に負担調整措置が適用されれば、以下のように計算して34万3,000円まで固定資産税が軽減されます。

計算例
課税標準額(固定資産税評価額である3,500万円の70%の2,450万円)×固定資産税の税率(主に1.4%)=34万3,000円

つづいて、「住宅用地の特例」適用後の土地の固定資産税を計算する方法をご紹介しましょう。

住宅用地の特例適用後の100坪の土地の固定資産税の計算方法

固定資産税において、住宅が建つ土地に占める、その土地に建つ住宅の床面積の10倍までの部分を「住宅用地」と呼びます。

さらに住宅用地は、その土地に建つ住宅一戸あたりにつき200㎡(60坪)までの部分が「小規模住宅用地」に、それ以外の部分が「一般住宅用地」に区分されます。

その状況を図解でわかりやすくご紹介すると、以下のとおりです。

住宅用地の固定資産税を計算する方法

そして、住宅用地には「住宅用地の特例」などと呼ばれる軽減措置が適用されます。

「住宅用地の特例」が適用されれば、小規模住宅用地の固定資産税は、以下のように「その土地の固定資産税評価額の6分の1」を課税標準額として税額を計算します。

小規模住宅用地の固定資産税の計算式
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の6分の1)×固定資産税の税率(主に1.4%)=固定資産税

また、「住宅用地の特例」が適用されれば、一般住宅用地の固定資産税は、以下のように「その土地の固定資産税評価額の3分の1」を課税標準額として税額を計算します。

一般住宅用地の固定資産税の計算式
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の3分の1)×固定資産税の税率(主に1.4%)=固定資産税

たとえば先に、固定資産税評価額が3,500万円の100坪の土地の固定資産税を49万円と計算しました。

その100坪の土地の1㎡あたりの固定資産税評価額は「3,500万円÷330㎡(100坪)=10万6,060円」と計算し、10万6,060円です。

その100坪の土地に床面積が66㎡(20坪)の戸建てを新築すれば「66㎡×10=660㎡(200坪)」と計算し、全部分が住宅用地となります。

同時に200㎡(60坪)までの部分が小規模住宅用地に、200㎡を超える部分が一般住宅用地に区分されます。

であれば以下のように計算し、小規模住宅用地の固定資産税評価額は2,121万2,000円、一般住宅用地の固定資産税評価額は1,378万7,800円です。

「小規模住宅用地」の固定資産税評価額の計算例
その土地の1㎡あたりの固定資産税評価額である10万6,060円×200㎡=2,121万2,000円

「一般住宅用地」の固定資産税の計算例
その土地の1㎡あたりの固定資産税評価額である10万6,060円×130㎡=1,378万7,800円

小規模住宅用地と一般住宅用地の固定資産税評価額が上記のとおりであれば以下のように計算し、「住宅用地の特例」適用後の固定資産税は49万円から11万3,800円まで軽減されます。

小規模住宅用地の固定資産税の計算例
課税標準額(小規模住宅用地の固定資産税評価額である2,121万2,000円÷6)×固定資産税の税率(主に1.4%)=4万9,494円

一般住宅用地の固定資産税の計算例
課税標準額(一般住宅用地の固定資産税評価額である1,378万7,800円÷3)×固定資産税の税率(主に1.4%)=6万4,343円

小規模住宅用地と一般住宅用地の固定資産税の合計
4万9,494円(小規模住宅用地の固定資産税)+6万4,343円(一般住宅用地の固定資産税)=11万3,800円

以上で「住宅用地の特例」適用後の100坪の土地の固定資産税を計算する方法の解説の完了です。

ちなみに、私が運営するサイト「固定資産税をパパっと解説」では、100坪の土地や建物の固定資産税の目安を解説するコンテンツ「100坪の固定資産税はビックリ仰天の高さ!?税額の目安を解説」を公開中です。

同記事では、固定資産税がかからない田舎の100坪の土地の特徴などもご紹介しています。

100坪の土地の購入を希望し、固定資産税がいくらになるか案ずる方がいらっしゃいましたら是非ご覧ください。 それではまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。

100坪の固定資産税はビックリ仰天の高さ!?税額の目安を解説


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