(警察の事情聴取に行ってから、大学に戻ろうと思ってたのに、インフルエンザかも知れないから来るなと言われた…。)
禄郎は昨日の早朝博物館に行ってから、その日一日休んで様子を見た所、もう熱も出なさそうなので荷物をまとめ、帰り仕度を済ませました。しかし、突然警察に来るなと言われて、少し憤慨していました。
「病院でインフルエンザの検査を受けて来いって、熱が下がってから病院に行ったら、逆にインフルエンザウイルスに感染するじゃねーか。」
(全く…。インフルエンザなら、翡翠が半分天上界のエネルギーに反応する訳がない。警察に電話して、体調を聞かれた時に、正直に熱が出たって言わなきゃ良かった。)
しょうがないから、取り敢えず学校の出席停止を参考に、熱が下がってから2日間は警察に行かない事にしました。
(熱が下がったの昨日だから、今日明日は警察に行くのは止めよう。)
鞄を部屋の片隅にドサッと置いた禄郎は、博物館での出来事を思い出しました。
景教の天使さんが戻る時に現れた三つの輪。一つは天使さんと行動を共にしていた天使の輪。
でも、他の二つの輪はバーミヤンへ独り手に現れたもので、禄郎がどこかから連れて来た訳ではありませんでした。
(緑色の輪は、翡翠の腕輪に残っていた天使の輪だよな…。)
おそらく、祠の翡翠の腕輪から分離してバーミヤンに現れたのだろうと、禄郎は考えました。
(あれ、もう一つは何だろな?)
当時から時々思い出しては考えていましたが、未だに正体不明でした。
(それに、翡翠の腕輪…。)
禄郎が翡翠の腕輪と再会(?)したのは、高校生の時以来初めてです。
(何で一昨日の夜中、突然幽体離脱して、翡翠の腕輪の所に着いたんだろ?
昨日の朝行ってもよく分からなかった…。)
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