今、半分空の上にいるから

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今、半分空の上にいるから 謎の輪 その1

2017-09-11 13:09:02 | 今、半分空の上にいるから②(完結)

 (警察の事情聴取に行ってから、大学に戻ろうと思ってたのに、インフルエンザかも知れないから来るなと言われた…。)

 禄郎は昨日の早朝博物館に行ってから、その日一日休んで様子を見た所、もう熱も出なさそうなので荷物をまとめ、帰り仕度を済ませました。しかし、突然警察に来るなと言われて、少し憤慨していました。

 「病院でインフルエンザの検査を受けて来いって、熱が下がってから病院に行ったら、逆にインフルエンザウイルスに感染するじゃねーか。」

 (全く…。インフルエンザなら、翡翠が半分天上界のエネルギーに反応する訳がない。警察に電話して、体調を聞かれた時に、正直に熱が出たって言わなきゃ良かった。)

 しょうがないから、取り敢えず学校の出席停止を参考に、熱が下がってから2日間は警察に行かない事にしました。

 (熱が下がったの昨日だから、今日明日は警察に行くのは止めよう。)

 鞄を部屋の片隅にドサッと置いた禄郎は、博物館での出来事を思い出しました。

 景教の天使さんが戻る時に現れた三つの輪。一つは天使さんと行動を共にしていた天使の輪。
 でも、他の二つの輪はバーミヤンへ独り手に現れたもので、禄郎がどこかから連れて来た訳ではありませんでした。

 (緑色の輪は、翡翠の腕輪に残っていた天使の輪だよな…。)

 おそらく、祠の翡翠の腕輪から分離してバーミヤンに現れたのだろうと、禄郎は考えました。

 (あれ、もう一つは何だろな?)

 当時から時々思い出しては考えていましたが、未だに正体不明でした。

 (それに、翡翠の腕輪…。)

 禄郎が翡翠の腕輪と再会(?)したのは、高校生の時以来初めてです。

 (何で一昨日の夜中、突然幽体離脱して、翡翠の腕輪の所に着いたんだろ?
 昨日の朝行ってもよく分からなかった…。)


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