きつねの目

★動物カメラマン 山本 つねおのフォトブログ★

マダガスカル撮影日記 Day 5

2013-06-29 14:12:47 | マダガスカル撮影日記
- 2012年7月21日 Day 5
ベレンティ三日目最終日。

ついにきました下痢。
朝起きてすぐに下痢、朝めし前にさらに下痢。
こういう旅をしていると避けて通れないのが下痢問題。
さっそく自宅近くの坂の下の先生に処方してもらった抗生物質を服用する。(ちなみに先生は整形外科医)
腹痛を伴わない下痢なので今のところは大丈夫。
朝ごはんはいつも通り、、かたい。
用心してほとんど食べなかった。
八時からシファカ探しを始めるけど、今朝は昨日よりももっと霧が深い。
九時半ごろまでは何の動きもない。
京大のひとや日本人カップルと話しをしたりして過ごす。
その後霧が晴れて青空になるがあまり成果はなかった。残念。
荷物をまとめて昼ごはん。
マダガスカル料理のポークとほうれん草的な野菜がとても美味しかった。
下痢なのに残さず食べてしまった、大丈夫か。
ご飯食べながら日本人カップルと話しをする。30才くらいの大阪の人だけど以前夫婦で数年間大岡山に住んでたらしい。日本からこんな離れた場所で、ちょーご近所的なはなし。
話しは盛り上がるが、ご飯食べたらお互いチェックアウトしてフォール・ドーファンに行かねばならない。


1時に車に乗り込み、行き来た道をまた三時間かけてデコボコドライブ。
今回は昼間なので景色が見られる分気持ちの良いドライブとなる。
途中でマーケットよったり、川辺に集まる人々の写真が撮れたので少しは成果を取り戻した。


マーケットに寄ったとき、べノアが屋台のマダガスカルコーヒーを飲め飲めとすすめるのでしかたなく一杯飲んでしまった。おれの腹は本当に大丈夫か、、、
四時にフォール・ドーファンのホテルに下ろしてもらい、次の場所のドライバーと落ち合う。
べノアたちとはここでお別れ、三人にチップを渡して別れのあいさつをする。
そしてNahampoana Reserveへ移動。
フォール・ドーファンからは車で30分ほど、ものすごい凸凹道路の中、小さな村々をいくつも通り過ぎた山の中にあった。
ドライバーは英語を話さないのか、車中ずーっと無言のままロッジのレセプションへ。
そして出てきたオジサンもまるっきり英語が通じず.....ちょっぴり不安。
部屋まで案内されてあれやこれやと身振り手振りでようやくお互いに分かりあったことは、夕方六時にガイドがここへ来るということ。
その後はどうするとか、食事はどうするとか、明日はどうするとかそういうことはいっさい説明なし。先の予定が全く分からない。
で、ガイドは英語喋るのかと聞くと、オジサン苦笑い、、、どうしたらいいんでしょうか。やばいぞこれは。
そして約束通り六時にガイドが来る。
おじさんと若者。
僕が最初にひととおり文句をぶちまける!そして部屋の前のライトは点くのか点かないのかとまくし立てたら、二人ともムッとした顔で険悪なムード。
おじさんがガイドで、若者は一応英語の通訳ということだった。
まず電気のことは、ソーラーパワーなので玄関前は点かないという。
部屋にはかろうじてだが蛍光灯がひとつついているのに、何故玄関は点かない何故何故何故とぼくが問いただすと、ソーラーソーラーの一点張り。あたりはもう真っ暗闇、部屋から一歩外へ出るとひとりでは戻って来れそうもない。
この若者も英語通訳とはいうものの、コミュニケーションがぎりぎりとれるくらい。
その後ナイトウォークが始まるんだけど、おじさんはむすっとしたまま歩き続け、時々蝶が後尾してるところなんかを見つけてはエラソーに紹介する。
その度に通訳君はドラゴンフライだと説明するが、それはトンボだろ!
おじさんはとにかく夜行性のキツネザルを見せるのが仕事らしく、一匹キツネザルを見つけるとそれをライトで追いながら何度も何度も僕に見せようとする。
でもってキツネザルが枝の奥でじっと動かなくなると、おじさんは枝を折ってそれでキツネザルをツンツンしたりもする。
これはひどいぞ、、、こんなんで写真が撮れるんだろうか。
ベレンティの環境と優秀なガイドが早くも懐かしくなる。まだベレンティを後にして半日も経っていないのに。
でもそんなこと言ってても何も始まらないので、僕の方から歩み寄ってみた。
通じないけどいろいろな話しをしたり、冗談でおじさんをからかったりしてたら少しづつ不穏なムードが解けて、やわらかな雰囲気になってくる。
一時間半ほどのナイトウォークが終わるころ、僕が何故誰も説明してくれない!ここでどう過ごすか、ここのシステムを教えてくれなきゃダメだろう!身振り手振りで伝えると、おじさんと若者もようやく僕の最初の怒りを理解してくれたようで、一生懸命明日の説明をしてくれる。
ここへ来る客はほぼすべてフランス人で、英語はまったく使われないらしい、、、ということを後から若者が教えてくれた。
ナイトウォークが終わって晩御飯に案内されると、広いダイニングにぽつんと僕の席だけが用意されている。テーブルの上には裸ろうそくが五本、あとはすべて真っ暗。厨房もレセプションも真っ暗。風がスーっと吹くと、頼りないろうそくの灯りがさらに心細くなる。
僕がここへ着いた時にフランス人団体客約20人くらいいたはずだがどうしたの?と聞くと、ここへ泊まる客はほとんどいないという。なので今晩は僕一人、多分明日の晩も僕一人。
何だかとんでもない所に来ちゃったみたい。
しかも動物はまったく期待できなさそう、、、どうする。
まぁとにかく来ちゃったんだからやれるだけの事をするしかない。
ちなみに晩御飯のメニューは特大のゼブ牛ステーキ。けっこう美味い!
受付のオジサンとガイドのおじさんと通訳若者しかここにはいないのにどうやって調理したんだろう、と思ったけどそんなこと考えてもしょうがないので今日もビール2本飲んで寝ちゃいます。
お腹はずうううっとぐつぐついったまんま、、、

つづく


フォール・ドーファンへ向かう途中で出会った黒い一家。


田舎の生活には川が重要な拠点になっている。


ナハンプアナの夜の森で出会ったカメレオン。



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