ふとした会話で久しぶりに本棚から取り出した一冊の本。
高田好胤著書「心」
中学校の修学旅行先で聞いた説法という会話から「そう言えば、ばぁちゃんに初めて買ってあげた本が“心”だったよ」と夫の言葉。
「ばぁちゃんに何が欲しい?と聞いたらすぐに“高田好胤の本で心”だとすぐに答えたからね」
“心”・・私がこの本に出会ったのはいつのことだったか思い出せないけれど・・・本棚に収めていたのは確信していたからすぐに「これでしょ!」と取り出したのでした。
一度もお会いしていない夫のおばぁちゃんですが幾度となく私たちの会話に登場しているので身近な存在に思えてしまいます。
おばぁちゃんはこの本をどんな思いで読んでいたのかなぁと思いを馳せ久しぶりにもう一度読み返しています。
さて先日の新聞にこんな記事が掲載されていました。
<年を重ねると、月日の流れがどんどん速くなる。楽しい時が駆け足なのは常としても、退屈な時間までが大股である。物の本によれば「心の時計」のせいらしい。>
新しい年を迎え今日は16日の朝を迎え心の時計をゆっくりと楽しみたいもの。
昨日は姪が無事に出産を終え赤ちゃんの写メールを送信してくれました。
元気だなぁと思いつつ赤ちゃんの写真を見ていると微笑みがわいてきます。
周りの人をみんな優しい心に変えてくれる不思議な力が赤ちゃんにはあるのですね。
そうそう、昨日式場でこんな会話を聞きました。
「ほらほら、花が揺れてるよ」
見ると、本当に花祭壇の一部の花が揺れています。
「お通夜の時にもあの1本の花が揺れてたよね。
00ちゃん(お孫さん)が言ってたよ。おばぁちゃんが参列の人たちひとりひとりを眺めロビーではみんなにお礼を言ってたって。僕が手を振るとおばぁちゃんが手を振り返してくれたよって。00ちゃんにはみえるんだって」
見える00ちゃんのお父さんは故人様の息子さんで病から入院をしていたそうですがそのベッドにおばぁちゃんが現れ「生きなさい」と強い言葉を告げたそうです。
その言葉のまま医師から許可を受けお通夜・ご葬儀と参列が叶ったことも伺いました。
「通夜で花が揺れていたよな」と喪主様も一言。
思えば幾度かその光景を目にしたことがあります。
故人様が見守る式場・・・真摯にと改めて心に刻みます。
初七日を終えご自宅に帰る車中から「またねと言いたいけれど・・」「そうですね。私も言えません。どうぞお元気で」とご挨拶を済ませ故人様を乗せた車をお送りしながら一期一会と言う言葉が過ぎりました。
葬儀社さんや担当者さんを選ぶことはあっても私を指名されるご葬家はありません。
だからこそ後悔されるようなことがないように日々新たな心で・・一期一会です。