1000円でオートクチュール

100年に一度の未曾有の大不況といわれています。
仕事を求めて右往左往、懸命に頑張っている人たちがいます。
“寮完備”の会社に勤めていた人たちは
「契約打ち切りです、出て行ってください」＝野宿、という
憂き目に遭ったり

世の中大不況、というのはわかりますが、皆が力を
あわせて頑張らなきゃいけないとき、信じられないことを
やっている輩もいたりするわけで。

私も請負の仕事をすることがあり。
「すいませ～ん、経費がかけられないので」という理由で
最初の約束の半額以下のギャラになり、交通費が出ない、というのも
珍しくありません。
都内から郊外まで出かけていくと、往復2000円近くかかることも。
でも、無理言っても仕方ないのでせっせと働くわけですが
支払い翌々月、下手すると半年後。
（そんな値段じゃ、やってられません）と突っぱねられるほど
偉くもないし、突っぱねたら生活していけないので
やるしかないし。
安いからと手抜きをすると次から仕事が来なくなるのは必至。
あるデザイナーさんが言っていました。
「ギャラが安くてもクオリティが高いものを求められる。
これは1000円でオートクチュールをつくれといっているのと同じ」
そのとおりかもしれませんね。
質が良くて安い。
とても魅力的なようですが、つくり手のことを考えたとき
こんないいモノつくってくれるなら、もっとお金を払ってあげよう、
という気持ちになる人、いないのでしょうか？
（いないんでしょうね～）
人間国宝ならまだしも、一般人にそれは難しいのかしら。

一生懸命頑張っていても、“自分の仕事の価値って、そんなもんかぁ”と
モチベーションが下がった瞬間から、オートクチュールは
直線縫いだけでOKの雑巾になってしまいます。
日本の市場に粗悪品ばかりが出回るようになるのも
時間の問題かもしれません。

でもって、さっきの信じられない輩の話ですが、
経費をきりつめなければならないので大変と言っていたはずが
超高級レストランで会社の経費で飲み食いしていたことが発覚。
お得意様と一緒でもなく、そのお店に義理があるわけでもなく。
100歩譲って年に一度の忘年会なら仕方ないですが
いつも同じメンバーで、月に2～3回通うってのはどうなのよ
まあ、正社員の特典だといわれれば、それまでですが
数十万単位で飲み食いできるお金があるなら、派遣さんの一人くらい
雇えるだろうし、数千円単位のギャラを出し惜しみすることも
ないと思うのですが。
似たようなことやっていて潰れた会社がありましたが、それは
計画的経費無駄遣いで、散々遊び倒して退社。
会社に残ったのは膨大な赤字ですが、今頃経営者は大変でしょうね。

不況だ、派遣切りだ、経費節減だと騒いでいる会社は多いですが
蓋を開けたら、まだまだお馬鹿な無駄遣いをやっていないとも限りません。

国会議員の先生達も、ご立派な宿舎にお住まいですが、
その家賃は7万前後。
議会に出席しても携帯メールしたり居眠りしたり。
それで多額のお給料がもらえるなんて、疑問です。
国会議員の給料が300万円くらいで、宿舎は普通の
マンションで、朝から晩まで働かなければならないとしたら。
“日本のために私は頑張る”と留まる人は
どのくらいいらっしゃるでしょうか？

今日は愚痴大会となりましたが、メゲずに働きます。
そのうちなんとかなるだろう～ですよ、きっと