第86回全国高校サッカー選手権が開幕する。
今年も東北版の記者として高校サッカー取材に行けることになり、年末に念願成就という最高の状態になった。これで昨年に続いて年末年始もサッカーで1年を締め括り、サッカーで1年を迎えることができる。なんという幸せ。仕事をコツコツと頑張ってきて良かったと、しみじみこの喜びを感じている。
しかも今回は開会式から取材に行ける。かなり興奮している・・・。
今回で3度目になる07-08冬のシリーズ。
今日と明日は東北版が休みということで原稿は一切書かないのだが、年明けを考えて取材だけは行う。
サルヴァのOBで選手権に出場する都立三鷹の裕貴と真人の雄姿を目に焼き付けるため、そして応援をするために今日は来たようなものだ。この日、取材で来た会社の先輩方も、そこは認めてくれている。手伝えることがあれば手伝うといった形になった。
開会式は晴天だった。
先頭を今回の「高校サッカー魂」の応援マネージャーに抜擢された北乃きいちゃんが登場する。北乃きいちゃんは取材席で左斜め前に座って直近で見たが可愛かった。TVで見るよりも大人な顔をしている。ただ、後半は席にいなかった。
昨年度優勝の盛岡商が現れたが、今回は遠野に岩手県代表の座を譲っていただけに3人の行進は寂しかった。自分にとっては昨年の大会で盛岡商のおかげで憧れだった国立まで連れて来てもらったし、優勝まで見ることができたので感謝しているのだが、今年は出場できないということで残念だった。
全出場チームが行進し、選手宣誓が行われ、いよいよ選手権が始まるという雰囲気になってきた。自分は今日まで高校サッカー選手権の開幕式を見たことが無かっただけに全てが目新しかった。新鮮に感じた。
そして・・・。いよいよ都立三鷹の登場である。
試合開始直前、都立三鷹の応援席に行き、裕貴と真人の家族に簡単な挨拶を行い、サルヴァのみんなが陣取っている応援席に向かった。サルヴァのみんなは都立三鷹側の応援席を陣取ることができず、高知中央の応援団の上にしか座れなかった。おおっぴらに応援できないのが残念だった。しかし自分も仕事で来ているので取材席で都立三鷹の応援をできないのが少し残念だった。
初出場同士の決戦。大会開幕を告げるホイッスルが吹かれた。
都立三鷹も、高知中央も初戦の堅さなのか、それとも開幕戦ということなのかミスが続いた。天気も曇り始め、雹まで降ってきた。悪天候のコンディション、ピッチはスリッピーになっていく。どっちが先にペースを掴むのか、試合の焦点が絞られていく。
先にリズムを掴んだのは都立三鷹だった。
CKからクリアーを拾ってDF酒井がシュート。裕貴のいる左サイドを中心に都立三鷹がペースを握ろうと攻撃に出る。
あわやOGかと思った場面もあった。高知中央が左サイドからグラウンダーのセンタリングを入れ、ファーまで流れたボールを都立三鷹のDF繁沢が空振り、それが軸足に当たり、ゴールに吸い込まれそうになったが、かろうじてボールはゴールの外へと転がっていった。
前半は都立三鷹が主導権を握ったが、0対0で終わった。
勝負の後半、都立三鷹のキックオフで始まる。
最初にゲームを大きく動かしたのは、再三攻められていた高知中央だった。4分にクリアボールを拾われて、高知中央のFW仲田が右足でシュートを放ち、それがポストに当たってゴール。都立三鷹は立ち上がりに失点してしまった。
取材席では都立高校は全国では勝てないんだという雰囲気に変わりつつあった。
しかし、ここから都立三鷹の勝負強さが発揮される。
先に失点したことで落胆のショックを引きずったり、慌てたりしないのが都立三鷹の強さでもあった。高知中央が追加点を奪おうとペースを上げてくるが、個人の能力で上回る都立三鷹が逆襲に出る。
失点後、決定的なチャンスが作れなかった都立三鷹だったが、1本のバックパスが流れを都立三鷹に引き寄せることになった。
高知中央の左DFの弱いバックパスを奪った都立三鷹のFW白井がGKと1対1になり、最初は股抜きを狙ったが一旦は阻まれるも、最後まで諦めず、冷静にこぼれ球を拾って無人のゴールへ丁寧に右足でシュート。16分に追いついたのだ。
ここから一気に都立三鷹が勝負に出る。
パスがよく繋がるようになり、武器であるサイドをワイドに使った攻撃で高知中央ゴールを狙っていく。この日は良いところがあまり無かったキャプテンのMF北見も「らしさ」が出始め、本来のプレーが出てくるようになった。
そして28分、裕貴が右サイドのエンドラインからセンタリングを蹴り入れ、それをFW白井が滑り込みながら、体を覆いかぶせるように右足でシュートして逆転!
都立三鷹が高知中央を追い込んだのだ。
この日は裕貴が本来の左サイド中心よりも、右サイドまで流れてくることが多く、それが山下監督の指示だったのか、最後まで分からなかったのだが、攻撃のリズムは作っていた。しかし、逆転ゴールが決まった後に2年生の及川と交代。残念だったが、後で本人に交代の理由を聞いたら「前半は全然ダメでした。今日はダメですね」と自分のデキに納得がいってなかった。交代も仕方なかったということだろう。
もう1人のサルヴァOB・真人はゴールこそ決められなかったが、最後までピッチに立ち、攻守で貢献していた。ただ正直、物足りない部分があった。東京都の決勝のような気持ちが溢れた状態が開幕戦では見られなかった。次の試合に期待するしかない。
そして31分にMF山崎がダメ押しの3点目を決めて勝負あり。
晴れ、曇り、雹、雨とめまぐるしく天気が変わったが、快晴のオレンジ色の光が射し込むなか、3対1で都立三鷹が大舞台での開幕戦を勝利した。
試合終了後、都立三鷹の選手たちに取材するべく待っていたのだが、なかなか現れない。ようやく姿が見えたかと思ったらダウンが始まり、1時間ぐらい待ったような気がする。昨年の決勝でも盛岡商のインタビューを取ろうと長い時間待ったことを思い出した。
都立三鷹イレブンを待っていたら、巧が現れ、少し談笑。巧は今年の選手権の審判割り当ての為、国立での試験に参加していた。全くもって凄い男であると感心する。
先輩記者のため、都立三鷹の選手に取材する。
真人はどこかの記者にマークされていて話がゆっくり聞けない。裕貴はまだマスコミにマークされていないから、3点目を決めた山崎くんと一緒に軽い取材を手伝ってもらった。
学校生活、学校行事をキッチリとやらないと山下監督は激怒するという話を聞き、日々の生活がサッカーの基盤になっている大事さを改めて感じた。裕貴は怒られて泣きそうになると更に泣きそうな顔をするなと怒られたことが多々あるらしい。そこまでこだわって怒る山下監督の徹底した指導哲学が垣間見れた気がした。
山下監督は裕貴を「おもちゃですから・・・」と話す。
裕貴は今大会でゴールを決めて山下監督の信頼に応えるために頑張ってほしい。まだマスコミは裕貴をマークしていないが、きっとやってくれると思う。
初の開会式取材は無事?原稿を1行も書かずに終了。
その後、急いで会社に戻り通常業務に復帰。思わず居眠りをしてしまうほど疲れていることに気がつく。
いよいよ始まった07-08冬のシリーズ。
今年の選手権は一体どんなドラマが待っているのだろうか。自分にとっても3度目の経験ということで、今まで以上に1日1日が勝負になる。世間をアッと言わせることができるような取材と原稿が書けるように頑張っていこうと思う。
できることなら、昨年のように決勝まで辿り着きたいものだ・・・。
今年も東北版の記者として高校サッカー取材に行けることになり、年末に念願成就という最高の状態になった。これで昨年に続いて年末年始もサッカーで1年を締め括り、サッカーで1年を迎えることができる。なんという幸せ。仕事をコツコツと頑張ってきて良かったと、しみじみこの喜びを感じている。
しかも今回は開会式から取材に行ける。かなり興奮している・・・。
今回で3度目になる07-08冬のシリーズ。
今日と明日は東北版が休みということで原稿は一切書かないのだが、年明けを考えて取材だけは行う。
サルヴァのOBで選手権に出場する都立三鷹の裕貴と真人の雄姿を目に焼き付けるため、そして応援をするために今日は来たようなものだ。この日、取材で来た会社の先輩方も、そこは認めてくれている。手伝えることがあれば手伝うといった形になった。
開会式は晴天だった。
先頭を今回の「高校サッカー魂」の応援マネージャーに抜擢された北乃きいちゃんが登場する。北乃きいちゃんは取材席で左斜め前に座って直近で見たが可愛かった。TVで見るよりも大人な顔をしている。ただ、後半は席にいなかった。
昨年度優勝の盛岡商が現れたが、今回は遠野に岩手県代表の座を譲っていただけに3人の行進は寂しかった。自分にとっては昨年の大会で盛岡商のおかげで憧れだった国立まで連れて来てもらったし、優勝まで見ることができたので感謝しているのだが、今年は出場できないということで残念だった。
全出場チームが行進し、選手宣誓が行われ、いよいよ選手権が始まるという雰囲気になってきた。自分は今日まで高校サッカー選手権の開幕式を見たことが無かっただけに全てが目新しかった。新鮮に感じた。
そして・・・。いよいよ都立三鷹の登場である。
試合開始直前、都立三鷹の応援席に行き、裕貴と真人の家族に簡単な挨拶を行い、サルヴァのみんなが陣取っている応援席に向かった。サルヴァのみんなは都立三鷹側の応援席を陣取ることができず、高知中央の応援団の上にしか座れなかった。おおっぴらに応援できないのが残念だった。しかし自分も仕事で来ているので取材席で都立三鷹の応援をできないのが少し残念だった。
初出場同士の決戦。大会開幕を告げるホイッスルが吹かれた。
都立三鷹も、高知中央も初戦の堅さなのか、それとも開幕戦ということなのかミスが続いた。天気も曇り始め、雹まで降ってきた。悪天候のコンディション、ピッチはスリッピーになっていく。どっちが先にペースを掴むのか、試合の焦点が絞られていく。
先にリズムを掴んだのは都立三鷹だった。
CKからクリアーを拾ってDF酒井がシュート。裕貴のいる左サイドを中心に都立三鷹がペースを握ろうと攻撃に出る。
あわやOGかと思った場面もあった。高知中央が左サイドからグラウンダーのセンタリングを入れ、ファーまで流れたボールを都立三鷹のDF繁沢が空振り、それが軸足に当たり、ゴールに吸い込まれそうになったが、かろうじてボールはゴールの外へと転がっていった。
前半は都立三鷹が主導権を握ったが、0対0で終わった。
勝負の後半、都立三鷹のキックオフで始まる。
最初にゲームを大きく動かしたのは、再三攻められていた高知中央だった。4分にクリアボールを拾われて、高知中央のFW仲田が右足でシュートを放ち、それがポストに当たってゴール。都立三鷹は立ち上がりに失点してしまった。
取材席では都立高校は全国では勝てないんだという雰囲気に変わりつつあった。
しかし、ここから都立三鷹の勝負強さが発揮される。
先に失点したことで落胆のショックを引きずったり、慌てたりしないのが都立三鷹の強さでもあった。高知中央が追加点を奪おうとペースを上げてくるが、個人の能力で上回る都立三鷹が逆襲に出る。
失点後、決定的なチャンスが作れなかった都立三鷹だったが、1本のバックパスが流れを都立三鷹に引き寄せることになった。
高知中央の左DFの弱いバックパスを奪った都立三鷹のFW白井がGKと1対1になり、最初は股抜きを狙ったが一旦は阻まれるも、最後まで諦めず、冷静にこぼれ球を拾って無人のゴールへ丁寧に右足でシュート。16分に追いついたのだ。
ここから一気に都立三鷹が勝負に出る。
パスがよく繋がるようになり、武器であるサイドをワイドに使った攻撃で高知中央ゴールを狙っていく。この日は良いところがあまり無かったキャプテンのMF北見も「らしさ」が出始め、本来のプレーが出てくるようになった。
そして28分、裕貴が右サイドのエンドラインからセンタリングを蹴り入れ、それをFW白井が滑り込みながら、体を覆いかぶせるように右足でシュートして逆転!
都立三鷹が高知中央を追い込んだのだ。
この日は裕貴が本来の左サイド中心よりも、右サイドまで流れてくることが多く、それが山下監督の指示だったのか、最後まで分からなかったのだが、攻撃のリズムは作っていた。しかし、逆転ゴールが決まった後に2年生の及川と交代。残念だったが、後で本人に交代の理由を聞いたら「前半は全然ダメでした。今日はダメですね」と自分のデキに納得がいってなかった。交代も仕方なかったということだろう。
もう1人のサルヴァOB・真人はゴールこそ決められなかったが、最後までピッチに立ち、攻守で貢献していた。ただ正直、物足りない部分があった。東京都の決勝のような気持ちが溢れた状態が開幕戦では見られなかった。次の試合に期待するしかない。
そして31分にMF山崎がダメ押しの3点目を決めて勝負あり。
晴れ、曇り、雹、雨とめまぐるしく天気が変わったが、快晴のオレンジ色の光が射し込むなか、3対1で都立三鷹が大舞台での開幕戦を勝利した。
試合終了後、都立三鷹の選手たちに取材するべく待っていたのだが、なかなか現れない。ようやく姿が見えたかと思ったらダウンが始まり、1時間ぐらい待ったような気がする。昨年の決勝でも盛岡商のインタビューを取ろうと長い時間待ったことを思い出した。
都立三鷹イレブンを待っていたら、巧が現れ、少し談笑。巧は今年の選手権の審判割り当ての為、国立での試験に参加していた。全くもって凄い男であると感心する。
先輩記者のため、都立三鷹の選手に取材する。
真人はどこかの記者にマークされていて話がゆっくり聞けない。裕貴はまだマスコミにマークされていないから、3点目を決めた山崎くんと一緒に軽い取材を手伝ってもらった。
学校生活、学校行事をキッチリとやらないと山下監督は激怒するという話を聞き、日々の生活がサッカーの基盤になっている大事さを改めて感じた。裕貴は怒られて泣きそうになると更に泣きそうな顔をするなと怒られたことが多々あるらしい。そこまでこだわって怒る山下監督の徹底した指導哲学が垣間見れた気がした。
山下監督は裕貴を「おもちゃですから・・・」と話す。
裕貴は今大会でゴールを決めて山下監督の信頼に応えるために頑張ってほしい。まだマスコミは裕貴をマークしていないが、きっとやってくれると思う。
初の開会式取材は無事?原稿を1行も書かずに終了。
その後、急いで会社に戻り通常業務に復帰。思わず居眠りをしてしまうほど疲れていることに気がつく。
いよいよ始まった07-08冬のシリーズ。
今年の選手権は一体どんなドラマが待っているのだろうか。自分にとっても3度目の経験ということで、今まで以上に1日1日が勝負になる。世間をアッと言わせることができるような取材と原稿が書けるように頑張っていこうと思う。
できることなら、昨年のように決勝まで辿り着きたいものだ・・・。