<インカ道:峠の関所からの眺望>
ペルー周遊記(22):第6日目(5):インカ道とマチュピチュ村
2008年7月6日(月) 晴
<インカ道を辿る>
■インカ道へ
マチュピチュ遺跡出入口前にあるマチュピチュサンクチュアリーロッジで昼食を終えて,自由行動となる.自由時間の時間は2時間足らずである.私が一番行きたいところは,ワイナピチュにある月の神殿である.しかし,月の神殿を往復するには,少々時間が足りないので,諦めるしかない.
では,どこへ行こうかと迷う.まだ,十分に歩いていない庶民・技術者の居住区辺りを歩こうか,それとも,ほんの少しだけ,インカ道を歩いてみようか・・・・そんなことを考えていると,KAさんが,私の拙いスケッチを皆さんに見せながら,
「・・・ここの所まで,歩いてみませんか・・・」
と一同に提案する.
その結果,サンクチュアリーロッジで,引き続き休憩を取る人,一人で散策する人,インカ道を歩く人などに分かれる.
<峠までのインカ道>
■巨大な岩を背負った関所跡
私は,折角の機会だから,インカ道のさわりだけでも歩いてみたいと思う.13時11分,数名の同行者と一緒に,もういちど出入口を通って,マチュピチュ遺跡に入る.
先ほど見学した見張小屋近くを通過して,インカ道に入る.直ぐに,ほぼ西へ向かう石垣沿いのなだらかな登り坂になる.インカ道は遺跡の中を通っている.先頭に立つKAさんは,かなりの速度で歩いている.強い日射しがジリジリと照りつける.次第に,足の速い人と遅い人の間がばらけてくる.
13時32分に,先ほど中腹に見えていた関所の遺跡に到着する.道路から巨石を積んだ石段を登ると広場になっている.広場を挟んで石段と反対側には,巨大な岩が聳えている.遺跡全体の写真を撮りたいと思ったが,デジカメの視野には,とても収まらない.
<1番目の関所の雰囲気> <1番目の関所>
■2番目の関所跡
13時34分,どこからともなく水が流れる音が聞こえてくる.どこかに川がありそうなので,少々一行から遅れてしまうが,道路を離れて,音が聞こえてくる土手を,少し登ってみる.どうやら川はなく暗渠が作られているようである.近くにマンホールの蓋が見えている.マンホールの蓋を見た途端に,古代のロマンから現実に戻されたような気分になる.この水が下流のどこで使われているのかは良く分からない.
13時39分,2番目の関所に到着する.道の両側に石積の壁で出来た城郭のような所である.同行者のお一人が遅れ始めるので,私もお付き合いして,一番後から付いていく.
<右の眼下に九十九折りのハイラムビンガム道路が見える>
※ここから尾根続きににマチュピチュ遺跡が見えている.
■峠の関所跡
13時50分,3番目の遺跡を通過する.この辺りから振り返ると,マチュピチュ遺跡が一段と低い所に見えている.いつの間にか随分と高い所まで登っている.マチュピチュ遺跡の麓には,マチュピチュ村へ降りる九十九折りのハイラムビンガム道路が見えている.この道路は,午前中,私達がバスで登ってきた道である.
14時04分,私達が目的としていた峠の関所に到着する.石が凸凹の形に積み上げられている.その石積みの廻りに樹木が生え茂っていて,涼しい日陰を作っている.先に到着した仲間が,一番後から到着した私達を待っている.
この関所を越えると,インカ道はなだらかな下り坂になって,どこまでも続いているように見える.地図で確かめると,このインカ道をさらに先へ歩いていくと,オリャンタイタンボ駅とアグアルカリエンテス駅の中間にあるコリウアヤラチナ(Q’Orihuayarachina)というところに通じているらしい(ペルー周遊記(18)の地図参照).
<峠の関所>
■往路を引き返す
14時11分に関所を出発して,往路を引き返す.
途中の風景をスケッチしたかった私は,リーダーの了承を得て,少し早足で下りながら,要所,要所で,メモ代わりのスケッチをしながら下る.
往路を下るにつれて,眼下に,だんだんとマチュピチュ遺跡が見え始める.
このインカ道を辿って,マチュピチュ遺跡にまで歩き続けて,マチュピチュ遺跡が見え始めたら,感激も一入だろうなと想像する.
下りながら何人かの観光客とすれ違う.
<マチュピチュ村>
■民芸品マーケット
少しの間,インカ道を経験した私達は,14時56分にマチュピチュ出入口に戻る.
そして,15時06分発の乗合バスに乗車して,九十九折りのハイラムビンガム道路を下り,15時29分にオリャンタイタンボ駅近くのバスターミナルに到着する.
バスターミナル降車場は,往路に乗車した場所から東へ100メートルほど寄ったアグアスカリエンテス川の畔にある.バスを下車して,近くに掛かっている橋を渡る.どこか日本の川筋の温泉場のような雰囲気が漂っている.
川を渡ると,道なりに民芸品マーケット(Complejo Artesanal)の中に入り込む.マーケットの中は狭い道が迷路のように交差している.
■やっぱり高度障害か
私達が乗車するビスタドーム号の発車時刻まで,1時間以上時間がある.それまでの間,自由行動となる.私は特段買いたいものはないが,暇つぶしに民芸品マーケットの中を,グルグルと廻ってみる.同じような商品を並べた小さな店が軒を連ねている.
同じ所を何回もグルグルとまわってから,アグアスカリエンテス川の畔に出てみる.かなりの急流である.ゴツゴツとした石の間を,ザーザーと音を立てながら川の水が流れている.橋の欄干にもたれかかって,暫くの間,川を眺めるが,すぐに飽きる.
特段することもないので,駅構内に入ることにする.
15時40分頃,駅構内を仕切る柵の入口で,係員に乗車券を提示して,構内に入る.すでに沢山の旅行客が構内で休憩を取っている.構内の広場にいると直射日光が暑い.日光を避けるようにして,待合室の中に入る.
待合室のベンチの片隅に腰掛ける.何となく身体がだるい感じがする.脈拍を測ると,76回/分もある.普段,55~60回/分程度の脈拍なので,大分多い.やはり,高度障害があるようだ.
<アグアスカリエンテス駅の広場と駅舎>
(つづく)
前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c3a393ad5bbb6afaa03102b8b1e89d8a
次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5a56c51bd5058530e48f1b0514f7a02b
このシリーズの最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6fee0e316085f32cce0c47a424821346
ペルー周遊記(22):第6日目(5):インカ道とマチュピチュ村
2008年7月6日(月) 晴
<インカ道を辿る>
■インカ道へ
マチュピチュ遺跡出入口前にあるマチュピチュサンクチュアリーロッジで昼食を終えて,自由行動となる.自由時間の時間は2時間足らずである.私が一番行きたいところは,ワイナピチュにある月の神殿である.しかし,月の神殿を往復するには,少々時間が足りないので,諦めるしかない.
では,どこへ行こうかと迷う.まだ,十分に歩いていない庶民・技術者の居住区辺りを歩こうか,それとも,ほんの少しだけ,インカ道を歩いてみようか・・・・そんなことを考えていると,KAさんが,私の拙いスケッチを皆さんに見せながら,
「・・・ここの所まで,歩いてみませんか・・・」
と一同に提案する.
その結果,サンクチュアリーロッジで,引き続き休憩を取る人,一人で散策する人,インカ道を歩く人などに分かれる.
<峠までのインカ道>
■巨大な岩を背負った関所跡
私は,折角の機会だから,インカ道のさわりだけでも歩いてみたいと思う.13時11分,数名の同行者と一緒に,もういちど出入口を通って,マチュピチュ遺跡に入る.
先ほど見学した見張小屋近くを通過して,インカ道に入る.直ぐに,ほぼ西へ向かう石垣沿いのなだらかな登り坂になる.インカ道は遺跡の中を通っている.先頭に立つKAさんは,かなりの速度で歩いている.強い日射しがジリジリと照りつける.次第に,足の速い人と遅い人の間がばらけてくる.
13時32分に,先ほど中腹に見えていた関所の遺跡に到着する.道路から巨石を積んだ石段を登ると広場になっている.広場を挟んで石段と反対側には,巨大な岩が聳えている.遺跡全体の写真を撮りたいと思ったが,デジカメの視野には,とても収まらない.
<1番目の関所の雰囲気> <1番目の関所>
■2番目の関所跡
13時34分,どこからともなく水が流れる音が聞こえてくる.どこかに川がありそうなので,少々一行から遅れてしまうが,道路を離れて,音が聞こえてくる土手を,少し登ってみる.どうやら川はなく暗渠が作られているようである.近くにマンホールの蓋が見えている.マンホールの蓋を見た途端に,古代のロマンから現実に戻されたような気分になる.この水が下流のどこで使われているのかは良く分からない.
13時39分,2番目の関所に到着する.道の両側に石積の壁で出来た城郭のような所である.同行者のお一人が遅れ始めるので,私もお付き合いして,一番後から付いていく.
<右の眼下に九十九折りのハイラムビンガム道路が見える>
※ここから尾根続きににマチュピチュ遺跡が見えている.
■峠の関所跡
13時50分,3番目の遺跡を通過する.この辺りから振り返ると,マチュピチュ遺跡が一段と低い所に見えている.いつの間にか随分と高い所まで登っている.マチュピチュ遺跡の麓には,マチュピチュ村へ降りる九十九折りのハイラムビンガム道路が見えている.この道路は,午前中,私達がバスで登ってきた道である.
14時04分,私達が目的としていた峠の関所に到着する.石が凸凹の形に積み上げられている.その石積みの廻りに樹木が生え茂っていて,涼しい日陰を作っている.先に到着した仲間が,一番後から到着した私達を待っている.
この関所を越えると,インカ道はなだらかな下り坂になって,どこまでも続いているように見える.地図で確かめると,このインカ道をさらに先へ歩いていくと,オリャンタイタンボ駅とアグアルカリエンテス駅の中間にあるコリウアヤラチナ(Q’Orihuayarachina)というところに通じているらしい(ペルー周遊記(18)の地図参照).
<峠の関所>
■往路を引き返す
14時11分に関所を出発して,往路を引き返す.
途中の風景をスケッチしたかった私は,リーダーの了承を得て,少し早足で下りながら,要所,要所で,メモ代わりのスケッチをしながら下る.
往路を下るにつれて,眼下に,だんだんとマチュピチュ遺跡が見え始める.
このインカ道を辿って,マチュピチュ遺跡にまで歩き続けて,マチュピチュ遺跡が見え始めたら,感激も一入だろうなと想像する.
下りながら何人かの観光客とすれ違う.
<マチュピチュ村>
■民芸品マーケット
少しの間,インカ道を経験した私達は,14時56分にマチュピチュ出入口に戻る.
そして,15時06分発の乗合バスに乗車して,九十九折りのハイラムビンガム道路を下り,15時29分にオリャンタイタンボ駅近くのバスターミナルに到着する.
バスターミナル降車場は,往路に乗車した場所から東へ100メートルほど寄ったアグアスカリエンテス川の畔にある.バスを下車して,近くに掛かっている橋を渡る.どこか日本の川筋の温泉場のような雰囲気が漂っている.
川を渡ると,道なりに民芸品マーケット(Complejo Artesanal)の中に入り込む.マーケットの中は狭い道が迷路のように交差している.
■やっぱり高度障害か
私達が乗車するビスタドーム号の発車時刻まで,1時間以上時間がある.それまでの間,自由行動となる.私は特段買いたいものはないが,暇つぶしに民芸品マーケットの中を,グルグルと廻ってみる.同じような商品を並べた小さな店が軒を連ねている.
同じ所を何回もグルグルとまわってから,アグアスカリエンテス川の畔に出てみる.かなりの急流である.ゴツゴツとした石の間を,ザーザーと音を立てながら川の水が流れている.橋の欄干にもたれかかって,暫くの間,川を眺めるが,すぐに飽きる.
特段することもないので,駅構内に入ることにする.
15時40分頃,駅構内を仕切る柵の入口で,係員に乗車券を提示して,構内に入る.すでに沢山の旅行客が構内で休憩を取っている.構内の広場にいると直射日光が暑い.日光を避けるようにして,待合室の中に入る.
待合室のベンチの片隅に腰掛ける.何となく身体がだるい感じがする.脈拍を測ると,76回/分もある.普段,55~60回/分程度の脈拍なので,大分多い.やはり,高度障害があるようだ.
<アグアスカリエンテス駅の広場と駅舎>
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