中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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閑話休題;胆石症闘病記(10);第5日目;1回目のERCP

2016年04月17日 02時49分41秒 | 閑話休題:日々雑感

   閑話休題;胆石症闘病記(10);第5日目;1回目のERCP

2016年4月1日(金)  晴

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<5日目の朝>

■朝は蒸しタオル2枚で始まる
 今日から4月である.エイプリルフールだ.
 テレビの報道によると,昨日(3月31日),東京のサクラは満開になったようである.
 鎌倉のサクラは,私が退院する頃まで,見頃が持つかなと心配になる.
 昨夜はなかなか寝付かれなかったので,夜遅くまでテレビを見続けていた.それでもそこは良くしたもので,日付が変わる頃から何とか眠ることができた.
 しかし,寝ている四六時中,奇妙な夢を見続ける.
 夢の中で,私はだれかの法事に出席するために,故郷の小諸に帰っている.法事は私の知らない寺で行われている.辺りを見回しても,知らない人ばかりである.そのうちに私は何時の間にか広場の真ん中に1人だけになって立っている.そこへ立派な身なりをした男性が,つかつかと私の所へ近付いてくる.
 「さきほどから,あちらで,お姉様が待っています…ご案内致しましょう…」
と私を誘う.
 ここで目が覚める.手許の時計は5時46分を指している.
 姉は,つい先日,旅立ったばかりである.まさか,いくら私の肉親からのお呼びでも,すぐに姉の後を追いかける積もりはない.
 ”何だか嫌な夢を見たな…縁起でもない”
 今日は,もう,立春を過ぎてから2週間ほども経過している.夜が明けるのがますます早くなっている.
 ”もう,今日は金曜日か…!”
 もう少しで入院してから1週間になる.
 来週中頃には,大切な取引先の方と話をすることになっている.それまでに果たして退院できるだろうか.だんだんと心配になってくる.

■ベッドメーキング
 7時頃,看護師が,
 「おはようございます…」
と挨拶しながら,熱々の蒸しタオルを2枚持ってくる.そして,
 「窓のカーテン,開けて良いですか」
と私に聞く.
窓のカーテンは二重になっている,分厚い方のカーテンを開けると,部屋の中がサァ~ッと明るくなる,どうやら今日も上々のお天気のようである.
 ”ああ,それなのに…それなのに,私は狭い篭の中…”
 ”外へ出たいな…こんなに良い天気なのに,オレはしがない篭の鳥…!”
 看護師が,血圧,脈拍,熱,血中酸素濃度を測る.今日もやっぱり血圧が少し高目である.
 今日,午後,ERCPを受ける予定になっている.そのために朝食はなし.その代わりに点滴の連続である.
 9時頃,2人の看護師が来る.
 「…ベッドの掃除をしますので,暫く休憩所でお待ち下さい…」
とのこと.
 ベッドメーキングが終わるまで,休憩所で本を読みながら待機する.

<第1回ERCP>

■幾つもの点滴
 ベッドの掃除が終わったので,再び自分のベッドに戻る.
 10時頃,看護師が現れる.今日,担当の看護師はTNさんである.私のエトバス付近の体毛を刈り取った方である.
 「…予定が早まって,11時30分からERCPを始めます…」
とのこと.
 そして,また血圧を測定する.今度は,上下ともに正常な血圧に戻っている.
 さらに,
 「…もう一ヶ所,点滴用の針を刺します…」
ということで,現在使っている右腕の針の近傍に,
 「ちょっと痛いですよ…」
と宣言してから,新しい針をズブリと刺す.やっぱり痛い…が,仕方がない.そして,私には,中身が何か良く分からない注射を2本ほど注入してから,小さな袋に入った新しい液体の点滴が追加される.
 「どうして,別々の針から点滴するんですか…」
と看護師に尋ねる.
 「これらのお薬が混らないように,別々に点滴します」
とのこと.
 ”でも,私の体内に入れば結局は混ざってしまうのに…”
 私は何となく腑に落ちないが,多忙な看護師に下らない質問をして患わせるのも不本意なので,そのままにする.

■手術室;窓のない部屋
 11時40分,男性の看護師の先導で,手術室に向かう.勿論,厄介な点滴棒を引きずってである.
 手術室に入る.窓が全くない圧迫感のある地下室のような部屋である.
 見廻すと薄暗くて冷たい感じのする
部屋だ.だだっ広い部屋のあちこちに棚や什器が並んでいる.数名の人が私を待っている.
 私は,自分が牛になって,場に押し込められたような気分になる.
 部屋の中央には,黒色のベッドが置かれている.看護師がベッドの高さを少し下げて,
 「どうぞ,ここに座って下さい…」
と言う.
 私がベッドに座ると,チョコ1杯ほどの量の透明な液体を私に持たせる.
 「…では,この薬を舌の上に乗せたまま,呑み込まないで,暫く我慢してください…なるべく飲まないようにしてください.ただ,飲んでも毒にはなりません…」
 私は何の薬か知りたかったが,質問は遠慮して,言われるままに舌の上に液体を乗せる.少し甘みのあるとろりとした液体である.
 ついつい呑み込んでしまいそうになるので,舌の上に起き続けるのは結構大変である.
 数分してから,看護師が小さな入れ物を私に持たせて,
 「…ここに吐き出してください」
と指示する.
 指示通りに吐き出す.透明でどろりとした液体が糸を引きながら入れ物に入っていく.

<ERCP室のイメージ>

■いよいよ麻酔だ
 「…では,うつ伏せになって寝てください」
 こうなったら”まな板の鯉”である.死刑台(見たことないが…)や,戦時中の出来事として話題になった生体実験のことを,思わず連想してしまう.
 正直なところ,怖い.
 看護師が,
 「入れ歯はしていませんね…」
と私に念を押す.そして,うつ伏せになったまま,顔を右に向けるように指示される.結構苦しい姿勢である.
 看護師は,すかさず,何か穴の開いた治具を口に入れ,軽く噛むように促す.噛んだ途端に,もう何もしゃべれなくなる.まるで猿ぐつわを嵌められたかのような気分である.
 すぐに,口の中が乾燥してガラガラになる.でもこの猿ぐつわもどきが邪魔をして,唾液を上手く呑み込むこともできない.
 少し離れたところで主治医のTD先生と,執刀医のTN先生が何か話をして居られる.
 看護師が,
 「…もうすぐ楽になりますよ…」
と言いながら,点滴用の針から何か冷たくて血管がすこしピリピリする薬を注入する.私はこのピリピリは多分麻酔薬だろうと直感する.
 先日の手術のときと同じように,
 ”麻酔なんかに掛かって堪るか…”
と頑張るが,自分でも分からない間に,意識を失う.

<ERCPが無事終わる>

■何時の間にか自分のベッドへ
 気が付くと,何時の間にか,自分のベッドに戻っている.
 私が知らないうちに,どうやらECRとやらが終わったようである.
 ”いつ自分のベッドに戻ったんだろう…?”
 私は不思議な気分で辺りを見回していると,看護師が様子を見に来る.
 「ご気分はいかがですか…? お腹,痛くないですか?」
 「大丈夫です,痛くないです.ところで,今,何時頃ですか…?」
 「もう夕方ですよ…」
 鼻の近くで何かある気配を感じる.酸素吸入器のようである.
 看護師が,血圧,体温,血中酸素濃度を測る.どうやら異常はないようである.血中酸素も95パーセントを超える値になっているので,酸素吸入は不必要ということで,鼻付近のチューブは取り外される.
 私は記憶を辿る.
 ERCP手術前に麻酔の注射を打たれた後,数秒のことは確かに覚えている.その後,知らぬ間に自分のベッドに戻っている…ということは,あの手術台から移動用のベッド(何という名称か分からないが…)に移されたのかな? それとも手術台に載せられたまま,ここまで連れて来られたのかも知れない…
 でも,何れにしても,最終的に,人の手で自分のベッドへ移されたに違いない.

■TN先生の回診
 暫くすると,執刀医のTN先生が様子を見に来る.
 「…手術は無事に成功しました…ただ,今回,石を取り除くところまではできなかったので,明後日,再手術をします…」
 先生のお話によると,今日は胆管入口の切開手術を行ったとのこと.この手術は,もっとも難易度の高い手術のようである.
 いずれにしても,今日の手術で,山場を越したようなので,まずは一安心である.

■今日の夕食は"なし”
 私は,家内と長女に,今日のERCPが無事終わったことと,明後日つづきのERCPを受けることを,携帯メールで報告する.
 ERCPが2回になったことで,退院日はさらに先になってしまう.
 今日はERCPを受けた当日なので,夕食はなし.ひたすら点滴,点滴である.
 同室のベッドAの患者は大部屋に移動したらしく,ベッドAは空いたままになっている.したがって,結果的に2人部屋を私1人で使っていることになる.

■眠れぬ夜
 暫くの間は,ベッドに横になったり,起き上がったりを繰り返す.
 眠れない夜である.
 テレビを見ながら,ひたすら眠くなるのを待つ.
 でも,たまたま見始めたドラマが面白いのでついつい見続ける.ところが,もう少しでドラマが大団円を迎えるところで,TVカードの残量がなくなり,テレビがプツンと切れてしまう.
 "サノバビッチ!”
 そのうちに,やっと眠くなる.
 こうして,入院第5日目は終わった.
                                    (第5日目終わり)
                                    (第6日目に続く)
つづき(第6日目)の記事
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胆石症闘病記の目次
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8dca4e221d0d78329dc3044965c5a92c
 
「閑話休題」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e13b5813653ca233117e79f3a4128786
「閑話休題」の次回の記事
(なし)

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