中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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登山者で大賑わいの丹沢:塔ノ岳(今年30回目)

2010年10月12日 11時11分41秒 | 丹沢の山旅
                     <花立場から富士山と南アルプスを望む>

       登山者で大賑わいの丹沢:塔ノ岳(今年30回目)
             (単独山行)
        2010年10月11日(月・体育の日)

■大混雑の1番バス
 10月9日,土曜日からの3連休.折角の休みなのに9日,10日は雨.3日目の今日は,漸く秋晴れである.本来ならば,小諸に住む弟たちと浅間山を訪れるつもりでいたが,突然,某氏から塔ノ岳案内を依頼され,不承不承,浅間行を断念した.ところが昨夜遅くになってから,某氏から“都合が悪くなった”とキャンセルされた.
 “サノバビッチ! 何ていうことだ!”
 それならば最初から小諸へ行けば良かった!!
 でも,折角の行楽日和.私は単独で塔ノ岳を往復することにする.秋も深まったこの頃にしては,今朝は随分と暖かである.連休3日間の登山客が集中するので,多分,今日は大混雑だろうなと予想しながら,定刻5時10分,コオロギの啼き声を聞きながら家を出発する.
 大船から小田原経由で渋沢へ出る.1番バスは大混雑.私はリュックを足許に置いてギュウギュウ詰めのバスに乗り込む.すぐ後に下り電車が到着する.この電車で来た登山客は全部乗り切れずに,かなりの積み残しが出る.バスは7時丁度に大倉に到着する.
 バスから下車するにも時間が掛かる.韋駄天組の何人かは,ソソクサと出発する.私は,例によって,トイレで待たされたり,ノサノサしたりしている内に,渋沢を1番バスより15分遅く出発する2番バスの方々と一緒になってしまう.2番バスも沢山の立ち席が出ているが,1番バスよりはかなり空いている.
 7時14分,ようやく,私も歩き出す.

■沢山の登山客に混じって
 素晴らしい秋晴れである.上空には殆ど雲はない.歩き出してみると,この時期にしては,気温が随分高いようである.私は自分自身に,“速く歩くばかりが能ではない.折角登るんだから,秋の風情を楽しみながら,ユックリと登るんだぞ.”と強く言い聞かせる.そうしないと,ついつい他所様を追い抜きあくなり,挙げ句の果てにバテるからである.
 7時19分,登山口に入る.路面は昨日までの雨でビッショリと濡れている.沢山の登山客が数珠つなぎになっている.こんなことを言うと失礼かも知れないが,平日の登山客と比較すると,平素殆ど登山をしていないなと思われる方々がかなり沢山居られる.
 私は“歩き出しが肝心だぞ”と自分自身に言い聞かせながら,スロー・バット・ステディを守りながら,定速で登り続ける.それでも何人かの登山客を追い越す.逆に威勢の良い登山客に追い越される.
 後ろから,「カツ,カツ,カツ,・・」と威勢の良い音が聞こえてくる.初老の男性が,ダブルストックの突き音勇ましく,私を追い越していく.でも,ハア,ハアと呼吸が荒く,大股である.私は内心で,
 「この男性は,山頂まで持たないな・・」
と想像する.

■久々のK大Nさん
 7時30分,観音茶屋を通過する.
 先ほど,威勢の良い音を立てながら,私を追い越していた男性が,ノロノロと歩いている.遠慮せずに追い越させていただく.その後,この男性を見掛けなかったので,どうしたのだろうか.
 数十メートル先に,見覚えのある帽子を被った男性が登っている.K大N氏である.私が背後から,
 「K大Nさん,こんにちは.暫く振りです・・」
と挨拶する.これを切っ掛けにして,雑事場ノ平付近まで,K大Nさんと雑談をしながら一緒に登る.
 7時53分,見晴茶屋を通過する.茶屋のすぐ後に,大倉尾根最初の難関の急坂がある.見上げると,沢山の登山客が登っている.ここでも,何人かの登山者を追い抜くが,逆に何人もの若い登山者に追い抜かれる.
 駒止茶屋手前の急な階段道に差し掛かる.歩き出してからここまで随分とユックリ登ってきたので,体力が温存されている.案外すんなりと急坂を登って,8時24分に駒止茶屋を通過する.歩き出してから,2時間10分経過している.随分なスローペースである.気温は20.2℃.やっぱり気温は高めである.

■富士山が良く見える
 駒止茶屋上のベンチでは,先ほど私を凄い勢いで追い越していった男性が休憩を取っている.上半身裸になって,扇子でバタバタと扇いでいる.私はスローペースながら,途中で休憩は取らない.そのまま通過する.
 堀山の尾根に差し掛かる.トップギヤー型の私は,平らなところでは,足が速い.ふうふうしながら歩いている男性追い抜く.
 「随分と速いですね・・」
 「平らなところだけですよ,坂道はからっきしダメなんです.坂道で追い抜いて下さい」
と挨拶して,先へ進む.
 富士山が良く見えるところに到着する.数名の登山者が立ち止まって写真を撮っている.私もここで立ち止まって数枚の写真を撮る.夏場と違って,空気が透明で,富士山が良く見えている.まだ初冠雪はまだ見られない.


■堀山の家
 8時40分,堀山の家を通過する.小草平のベンチが満席になるほど沢山の人たちが休憩を取っている.結構若い人が多い.今,流行の山ガールも沢山居る.私はそのまま堀山の家を通過する.
 ここから長い坂道になる.マイペースで呼吸が乱れないように注意しながら登り続ける.楽しい.登りながら,つい先日登った浅間山に比較すると,大倉尾根はかなり楽だなと実感する.

■萱場平
 9時01分,萱場平を通過する.ベンチでは登山客が休憩を取っている.昨日までの雨で地面に水たまりができているが,木道が完成しているので,楽に通過する.
 

■花立山荘
 9時17分,「あと7分坂」に到着する.眼下に素晴らしい展望が広がっている.まずは写真を数枚.坂を登りながら,ときどき振り返って写真を撮る.9時26分,花立山荘に到着する.時計を見て,
 「ありゃっ! 7分坂に9分掛けてしまった・・」
と反省する.山荘前のベンチは休憩を取る人たちで満杯である.相変わらず富士山が良く見えている.これらの人たちをフレームアウトさせんがら富士山の写真を撮るのに苦労する.


■韋駄天さんと次々にすれ違う
 花立場付近で,同じバスに載っていた韋駄天のSさんとすれ違う.いくら私がのんびりしていたにしても,随分と早いので,私もビックリする.
 「あれぇ・・随分速いですね」
 「今日は涼しかったんで,(山頂まで)2時間を切りました・・ところで,どこかへ行っていたんですか」
 「先週は,浅間山に行っていました」
 「また,大船辺りであったときに,話を聞かせて下さい」
 立ち話で,数分のロス.
 花立場に到着する頃,今度は韋駄天のTさんとすれ違う.また,立ち話.気温21.9℃.随分と高い.
 そんなこんなで,9時43分,漸く金冷シを通過する.気温20.6℃.金冷シを通過して最初の坂道を登り始める.坂道の途中で三角髭のTさんとすれ違う.また,ほんの暫く立ち話.


■塔ノ岳山頂
 9時58分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温17.2℃.涼しい.少し雲が出てきたが,相変わらず富士山が良く見えている.早速,写真を数枚撮る.
 山頂では,沢山の登山客が休憩を取っている.1番バスに乗ってきた登山客の大半は,まだ,山頂までは到着していないはずである.一体,こんなに沢山の登山客はどこから登ってきたのだろうか.不思議である.
 余りの人の多さにビックリしながら山頂を一回りする.今日は大分遅れているので尊仏山荘には寄らずに下山しようかなと思いながら,山荘の方を見ると,小屋番のX氏と眼がバッタリ合う.X氏がニッコリしながら,私に挨拶する.
 「やっぱり,寄っていこう・・遅くなってもいいや!」


■尊仏山荘
 山荘に入る.山頂の賑わいとは裏腹に,先客はご常連お一人だけ.今日は休日とあって小屋番は,オーナーのHさんを含めて3人,オールスターキャスト.
 私が山荘に入るなり,X氏が,
 「ネコ元気ですよ・・」
と教えてくれる.
 窓越しに隣のネコ御殿を見ると,例の定位置で,ミー君が気持ち良さそうに昼寝をしている.
 「さっき,2階で粗相したので,おしりを叩いたら,すねてあっちへ行っちゃったんです・・」
 「あいつも,もう11歳でしたね,人間で言えば70~80才か.粗相する年かも知れませんね・・ところで,その後,Oさんの様子は如何ですか・・」
 「足の手術は終わったんですが・・もう一カ所悪いところが見付かって・・」
 これ以上のことは,プライバシィに関わるので,このブログに記述することは差し控えるが,とにかく入院が長引いているようである.
 「ミー君も年だし・・Oさん復帰の前に,死んじゃうと困りますね・・」
 そんな話をしている内に,K大Nさんが山荘に到着する.
 「おや,随分速いですね・・」
 「そうなんです.今日は調子が良くて3時間で登れました.先週はもっと調子が良くて3時間を切りましたよ・・」


■下山開始
 10時30分,Oさんと入れ替わりに,尊仏山荘を出発する.富士山の山腹に雲が掛かり始めている.山頂で休憩を取る登山者が,先ほどよりもっと増えている.私はネコ御殿でノンビリ昼寝をしているミー君の写真を撮ってから,登山客の間を縫うようにして,下山口に向かう.
 大倉発13時11分のバスに乗るつもりである.まだ,時間はたっぷりある.ノンビリと風景を愛でながら下り続ける.次から次へと足早に下る登山客に追い越されるが,下りでは,追い越されても,あまり気にならない.
 次から次へと数珠つなぎに登ってくる登山客とすれ違いながらの下山である.時々,顔見知りの方とすれ違う,その度に二言三言雑談をする.
 11時丁度に花立場に到着.相変わらず眺望がよい.眼下には相模湾が見えている.まるで自分が鳥にでもなったような気分になる.あまりに気持ちがよいので,暫く立ち止まって,周辺の風景を楽しむ.
 花立場を通過して,花立山荘に向けて下山し始める.すると,下から登ってくる大柄な男性が,
 「FHさぁ~ん・・」
と私に声を掛けてくる.近視で目が悪い私は,一瞬,誰かなと思うが,山の知人のジャイアンさんである.
 「この頃,月ごとに(登山所要時間)長くなるんです・・」
とジャイアンさんがこぼす.この気持ち,私にも良く分かる.私も年ごとに所要時間が長くなっている.つい,昨年までは,2時間15~25分で,大倉尾根を軽く登れたのに,今年は2時間40分台.とても,とても,2時間15分では登れなくなっている.
 ここで,5分ほど雑談.
 「一緒に下山しませんか・・」
と誘うが,折角ここまで登ってきたのだから山頂まで行きますとのこと.当然である.
 ジャイアンと雑談していると,ご常連の女性が下山してくる.私に,
 「・・登り,それとも下り・・?」
と質問する.
 久々にジャイアンと雑談をしたいので,
 「ユックリ下山していますので,追いついて下さい・・」
と半ば本気で言ってお別れする.


■ノンビリしすぎた下山
 その後も,次々に顔見知りと会う.その都度,少しずつ引っかかる.
 12時20分頃,一本松手前のベンチを通過する.ベンチで数人の方が休憩を取っている.一人の女性から,
 「・・私,また引っかかっていますよ・・」
と声を掛けられる.先ほどジャイアンと雑談していたときに,私を追い越していったご常連である.
 「いや・・お互い様で・・」
 12時38分,見晴茶屋を通過する.
 「こりゃ・・いかん! 13時11分のバスに間に合わないぞ・・」
 特段,このバスに間に合わなくても構わないが,最初に決めた目標と違ってしまうのも気分が悪い.ここから随分と飛ばして,13時07分に,無事,大倉バス停に到着する.この飛ばしですっかり疲れてしまった気分である.
 15時少し前に,無事帰宅.気分は最高である.

<ラップタイム>

 7:14  大倉歩き出し
 7:30  観音茶屋(21.5℃)
 7:53  見晴茶屋
 8:16  駒止茶屋(17.0℃)
 8:40  堀山の家(20.0℃)
 9:26  花立山荘(21.9℃)
 9:43  金冷シ(20.6℃)
 9:53  塔ノ岳山頂 着
===========================================
10:30  塔ノ岳山頂 発(+17.2℃)
10:45  金冷シ
11:08  花立山荘
11:48  堀山の家
12:08  駒止茶屋
12:38  見晴茶屋
12:51  観音茶屋
13:07  大倉 着

[山行記録]

■水平距離
       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉  発       7:14
  塔ノ岳 着       9:58
 (所要時間)  2時間44 分(2.73h)
 登攀速度   1269m/2.73h=464.8m/h

■下降所要時間(雑談時間を含む)
  塔ノ岳 発      10:30
  大倉  着      13:07
 (所要時間)  2時間37分(2.62h)  
 下降速度   1269m/2.62h=484.4m/h
                          (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/aee5b251b58bd6ce6248a7cc4ff8d1ad
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/086949232c48f1cadac0633724c64fbc 


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