間が空いてしまいましたが、ポーランド旅行の続きをいってみたいと思います。
ワルシャワ編・後編の続編、どうぞ!
「その2」からでしたよね...
その2 地下鉄・トラム・バスの乗り放題券はお得
今回はまるまる3日、ワルシャワで過ごす時間があったのだが、
ワルシャワの街は広く、目的の場所を歩いて回っていると意外に時間がかかってしまう。
そこで移動手段として地下鉄・トラム・バスの72時間乗り放題券を購入した。
これです。↓
見た目は何の変哲もない普通の切符で、ポケットに入ってたらごみと間違って捨てちゃいそうだが、
これで3日間乗れるすごいヤツ。36PLNで、日本円だと1000円ちょっとだから、かなりお得だ。
ちなみに、PLNは「ポーリッシュニュー」の略。
1995年のデノミで新しい通貨基準が導入されたことによる呼称で、1PLN=約30円である。
チケットは地下鉄構内の券売機で買え、街中にも気をつけて見てみるとポツポツあるようだった。
券売機は英語の案内に切りかえることもでき、クレジットカードで購入できた。
チケットは72時間のほか、48時間、24時間というのもあり、滞在日数に合わせて選ぶことができる。
ワルシャワ駅に到着後、駅そばの文化科学宮の1階にあるインフォメーションでもらったワルシャワの地図を握りしめ、
バスにこそ乗らなかったものの、地図に記された観光スポットと地下鉄(2路線しかない)の駅をたよりに、地下鉄とトラムを乗り回した。
この地図にはなぜかトラムの路線が記されてないのだが(たぶん複雑すぎるから?)
乗り放題のチケットは使い初めに改札を一回しておけばあとは乗り降り自由なので、
自分の行きたい方向に走っているトラムを見つけてはとりあえず乗って、適当なところで降りる、というようなことも簡単にできる。
注意したいのは、チケット使い初めの改札。地下鉄なら乗る時にいつものように改札機に通せばOKだが、
トラムやバスの場合、乗車後に自分で車内に設置されている機械にチケットを通して、乗車時間を打刻する必要がある。
日本人には慣れないシステムなので、チケットを買ったことに安心して、つい忘れてしまいそうだ。
しかし、乗った時も自分で打刻(運転手はノーチェック)、降りる時もノーチェックの性善説に則ったこのシステム、
究極のところ切符を持っていなくても、乗って降りてができてしまうんじゃないか!?と思うのだが、どうなんでしょう。
まあ、今までトラムもバスも経営破綻することなく続いているところをみると、仮にそういう人がいたとしても
今の乗降車システムの運用に支障をきたすような人数ではないということなのだろうか。
(ガイドブックには、乗車中に抜き打ちで切符のチェックがあるから気をつけろ、と書いてありました。)
日本人には慣れない、と言えば、地下鉄を降りる時の作法も日本と違って、最初はとまどった。
日本であれば地下鉄を降りた後、そのまま改札を出るにせよ、乗り換えるにせよ、一度切符を改札機に通すのが常識だ。
しかしワルシャワでは(ヨーロッパではそういうところが多いのかもしれないが)、降りるときは改札機に通さなくてもよい。
というか、改札機にそもそも切符の挿入口が付いていないのだ。
初めて地下鉄を降りて、改札を通る時はこんな感じでした。(「 」はわたしの心の声)
「72時間の切符だから、切符を改札機に入れてもまた出てくるはず。取り忘れないようにしないとね。」
しかし改札機を見るも、どこにも切符の挿入口がない。
「あれ?おかしいな...ないの!?」
しかししかし、目の前には両サイドから開閉する式の小さいドアがあって、もちろん閉まっている。
このままでは通れない。
運悪く、その場に他に人はおらず、正しいやり方を真似することができない。
「えっ?なに、なに? どうすればドアがあくわけ?」(あたふた、あたふた💦)
必死の形相で切符の挿入口を探す私の姿があまりにもみっともなかったのか、
通路を歩いていたおじさんが立ち止まって、こちらに合図を送っている。
何か言いながら、しきりに前を指さしている。
「何?前?行くの?」真似して指さすわたし。
そうだ、そうだ、とうなずくおじさん。
「えーい!ままよ!」
己を信じて前に歩いてみたら、あら、不思議。目の前のドアが開いたではありませんか!
杖を振り上げたモーゼの前に海がパカッとふたつに割れたのって、こんな感じだったのかしら(そんなはずなかろう)。
言った通りだろう、という顔で笑っているおじさん。
「おじさん、ありがとね!」笑顔でOKサインを送るわたし。
なんのことはない、自動ドアというやつです。
ドアではなく腰のあたりで回転するバーの場合もあるが、どちらにしても、己を信じて進めば
相手が勝手に開いたり回ったりしてくれるので、何も心配することはない。
心配することはないのだが、慣れていないせいか、ほんとにドアは開くのかな?(ドキドキ)
ほんとにバーは回ってくれるのかな?(どきどき)と、改札を通るたびに妙に緊張してしまう。
そう、あれです、ETCカードを入れて高速に乗って、高速を降りるときにETC専用レーンに入って、
そのままスピードを落として進めばバーは上がってくれる、とわかっているのに、ほんとにバーは上がるのか?
上がらないでぶつかっちゃったらヤダな...と、思ってしまう時のあの感じに非常によく似ています。
あれ?何の話だっけ?
そう、ちょっと思ったのだが、東京にはこういう旅行者用のお得なチケットってあるのだろうか。
1日乗り放題券なんてのはありそうだが、それでもJRならJR、地下鉄なら地下鉄、(バスならバス?)と
交通機関や運営会社によって分かれているような気がするし、3日(72時間)なんていう長期のチケットのこともあまり聞かない。
交通費が高く(多くの外国人にとって)、路線も複雑に入り組んでいる東京で、複数の交通機関が横断的に利用できる
ワルシャワのような乗り放題チケットがあれば、海外からの個人旅行者とって心強い味方になるのではないだろうか。
だって、もし私が外国人で東京に旅行に来て、いちいちJRやら地下鉄やらで切符を買わなければいけないと思ったら、
それだけで気が重くなるもんね。
ひょっとしたら、ワルシャワは旧社会主義国の名残で、地下鉄・トラム・バスの経営母体が同じ、ということはあり得るかもしれない。
そうであれば全線共通乗り放題の導入は比較的容易だろう。逆に、東京のように複数の運営会社が入り乱れているようなところでは、
利害の調整や方針の一本化が難しく、導入は難しいということになるのかもしれない。
しかし、外国人観光客の誘致を政府をあげて推進するというのであれば(もちろん、日本は東京だけじゃないが、首都である東京が
まず範を垂れるべきであろう)、そのくらいのことをしてもいいように思うのだが。
長くなったので、「その3」はまた次回!
ワルシャワが終わらない・・・