前回ご紹介した標高が高いほうの湖、ネシ湖。
あの後10日後ほど経ってから、湖の氷はどうなってるのかしら?と気になって、
再び訪れてみたのが4月21日。そう、イースターのミサの後です。
朝は冷え込むとはいえ、日中は16、7℃くらいまで上がる日が続いていた。
昼間の日差しは意外に強い。
さすがにいくらなんでも溶けてるだろう、と思っていた。
湖にいたる道には雪がない。
よく見るとわずかに芽吹き始めた木も。
しばらく行ったところで、道のすぐそばの水たまり池に
カモのつがいがいるのを発見。近づいてもまったく動じない。
雌ガモはいたって食欲旺盛。
忙しく泳ぎ回って食べ物のありそうな所を突っつき回したり、
水に潜って水草をむしったりして腹ごしらえに余念がない。
そんな雌ガモを、雄ガモは時々気にしてるようなそぶりを見せつつも、
おおかたは悟りきった表情でボーッと遠くを見つめていらっしゃる。
「まあ、女ちゅうもんはね、こんなもんでしょ。こうなったら待ってるよりしょうがないでしょ。」
そんな雄ガモの心の声が聞こえてきた。
問題の湖はというと、こんな感じでした。
半ば溶け、半ば凍っているという状態。
街中のピュハ湖は全く凍っていないのに、18mの差でこんなに違うものなんですね。
真ん中の浮島になっているところは、実はカモメたちの基地になっている。
とうてい鳥とは思えない、サル山のサルのような獣くさい声で鳴きながら、
あちこちでなにやら密談していらっしゃる様子。
カモメって、海だけにいるものじゃなかったの?!
体感的にはここも立派な海なのだが、いわゆる淡水の湖にカモメが
生息しているらしいことを発見して驚いたのであった。
そういえば、タンペレの街中を時々カモメが飛んでるな(今さら気づく)。
早朝の広場で食べ物を物色している彼らのお振る舞いは、まるで日本のカラスですけどね。
そして、湖のほとりに建つサウナ小屋はこの日も大入り満員のようだった。
実は、梯子を伝って湖へ入っていく人々を、遠慮しいしい撮った写真が一枚あったのだが、
いかにも隠し撮りしたような怪しい一枚になってしまったので
掲載は差し控えたいと思います、はい💦
しかしなんですね、みなさんただサウナに入るだけでなく、
サウナ小屋の前のベンチで体を冷ましながら四方山話に興じていらっしゃるのを見ると、
サウナは一種の社交場なのだな、ということがつくづく感じられる。
昔の日本の銭湯も、ちょっとこんな感じだったんじゃないだろうか。
この日はさらに足をのばして、もう一つのサウナ小屋とビーチがある場所まで
湖沿いの道を歩いてみることにする。
奥に進むほど氷が厚くなっていくような...
途中、湖に突き出た桟橋を発見。
ワンワンを連れたお散歩中のカップルが休憩している。
「ねえ、もう行こうよ~!。いつまでこんなとこでじっとしてるのさ~!」
そんなワンワンの心の声が聞こえてきた。
そして、辿り着いたビーチにはまだ厚い氷が残っていた。
「今、何月だと思ってんだよー」と思わず湖に突っ込みをいれる。
水際で遊んでた女の子と子犬。
氷におどろく子犬のしぐさが可愛すぎる♡
それにしても、タンペレの犬は幸せだなぁ。
こんなにいいお散歩コースがあって、おまけに夏は涼しいんだから。
このビーチの右手にもう一つのサウナ小屋と水浴場がある。
この日はティーンエイジャーとおぼしき若者たちでにぎわっている。
サウナ小屋の水浴場周辺は氷が溶けていた(やはり温水が送り込まれているのか?!)
覗き込むと、透明度はあるものの、水の色は茶色っぽい鉄錆色。
ミネラル分をたくさん含む水なのかもしれない。
ネシ湖の二つのサウナ場を巡るこの散策路は、森と湖の良さを
存分に楽しめるおすすめのコースだ。
途中休憩したり、景色をのんびり楽しんだりしても、うちから
歩いて二時間もあれば行って帰って来られるのも魅力。
新緑のころがまた楽しみである。