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moi! タンペレ

フィンランドのタンペレに半年滞在することに。その滞在記です。

タンペレは今が花盛り

2019年05月22日 | 日記

 

moi~!

タンペレは今日、26℃まで気温が上がりました。

これって、今までの最高気温じゃない?

ついに、今日、クローゼットの奥に押し込まれていた扇風機を引っ張り出して、つけましたよ。

すんごい強力なヤツ。エアコンないからこのぐらいないとね。

でも、湿度が低いので意外とこれで乗り切れるかも。


それでは、「旅行記ばかりでタンペレのことが全然わかんないじゃないのよ!」という読者の声にお応えして(何?そんな声ないって?)

急遽、タンペレの今を写真でお伝えすることにいたしました。

タイトルにありますように、今、タンペレは花盛りなのであります。

気温は春以上なので、なんといいますか、春と夏がいっぺんに来てしまった感じでなのであります。

それでは、昨日、今日の散歩の時に撮ってきた花々をご覧ください。

いずれも遠景と接写の二本立てです。


  

 

  

 

  


   

 

なんだか植物図鑑チックになっちゃったけど、いかがでしたか?

日本にありそうで、どこかちょっとずつ違う感じがする花々ですよね。

ひょっとしたら、北海道辺りにはあるのかもしれないけど...

はい、今日はこれだけです。

また次回お会いしましょう~(^^♪

 


 




ポーランド旅行~クラクフ編・公園で太極拳~

2019年05月21日 | 日記

5月3日はクラクフに来て4日目。

翌日は早朝にクラクフを発ちタンペレへ戻るので、この日が実質的に観光ができる最後の日である。

にもかかわらず、朝から曇天で、時折小雨も混じったりのあいにくの天気。

身体にも疲労感があり、朝から出歩きたくない気分である。

午前中はのんびりして、午後から天候を見て出かけることにする。


しばらくすると雨が上がり、日が差してきた。

そうだ、今日は太極拳をしよう~! 

疲れているときは部屋でゴロゴロするより、適度に体を動かしたほうが元気になるタイプ。

あの公園で太極拳をしたら、さぞ気持ちよかろうのう~(^^♪

と、ここに来たときから太極拳スポットとして目をつけていた、アパートホテルの、通りを挟んで向かいにある公園へ赴く。

他の公園と同じように、お散歩用の小道の横にところどころベンチが置かれ、大きく育った木々には若葉が茂り、

園内には草木から発散される清新な気が充満している。この雰囲気、いいですな~~♪ 

 

ただ、この公園が他と違うのは、その入り口を入ってすぐのところに、

1978年から2005年まで長くローマ教皇の地位にあったヨハネ・パウロ2世の銅像が立っていることである。

彼はクラクフ近郊のヴァドヴィツェ生まれ。教皇になる前はクラクフ教区の大司教を務めていたというから、

街の人たちからしてみれば、まさにわが街が生んだローマ教皇であり、クラクフの誇りなのだろう。

 

この像、顔が本人にそっくりで、なんだか人間っぽい。銅像にありがちな直立不動の姿勢ではなく、 

少し前かがみになってほほ笑みながら右手(あれ?左だったっけ)を差し出し、こちらに何か話しかけているように見える。

像の前にはいつ見ても美しい生花が供えられていて、彼がいかに街の人たちから愛されているかがわかる。

実際、彼は共産党政権下という難しい状況にあって、ワルシャワ蜂起で戦った人たちの名誉回復や

ポーランド人とユダヤ人との融和のために心を尽くし、その後ポーランドが民主化した後も人々の精神的支柱であり続けた。

勇気と知恵と徳と、そして絶妙のバランス感覚を備えた人物だったのだろう。

この日は憲法記念日。像の前で静かに祈りを捧げては去っていく人たちの姿があった。

 

公園を一巡りし、銅像から20~30m離れたお散歩道の外側の一角によさそうな場所を見つける。

大木が枝を広げ、気持ちのいい木陰をつくっている。見上げると、若葉のうねりが空の奥まで続いているみたいだ。

大きく深呼吸する。そのあと軽く準備体操をし、基本の歩法、二十四式太極拳と、いつものように練習を進める。

こうして心静かに自分の身体と向き合う時間が、いつの頃からか私にとってかけがえのないものになった。


二十四式を二回通し、陳式の老架一路の套路(技をつなげて一連の動作にしたもの)を通そうと思って、一瞬迷った。

太極拳の源流とも言われている陳式太極拳には発勁動作(パンチや蹴り)も含まれていて、

ゆったりした動きのみで構成されている二十四式とは違い、動きに緩急がある。

そこに内包されているある種の激しさが、この静かな公園の雰囲気を乱してしまうのではないかと思ったのだ。

銅像近くのベンチには昔馴染み風のおじいちゃんが二人座っている。

二人は何をするともなく、銅像のほうを見やりながら、時折言葉を交わしている。

あとは、たまに犬を連れた人が通り過ぎて行くぐらい。


うん、大丈夫だろう。せっかくこの公園で練習しているのだから、今日はヨハネ・パウロ2世に敬意を表して、

彼に「奉納する」つもりで、太極拳の中で私の最も好きな陳式太極拳の老架一路を通そう。そう心に決める。

わたしの故郷、宮崎県高千穂町には高千穂夜神楽という神楽がある。

秋の収穫が終わると、11月から2月にかけて、各集落で神々に奉納するために、33番の神楽を夜通し舞うのである。

神楽と陳式太極拳、似ていなくもない。

 

1時間半ほど体を動かしたら、すっかり気分がよくなった。

こうして元気を回復し、午後からはクラクフ最後の観光へと出掛けていったのだった。(つづく)

 


 

 


ポーランド旅行~クラクフ編・フードコートで晩ご飯~

2019年05月20日 | 日記

クラクフ滞在も残すところあと2日となった。あっ、旅行記の話です。

今回は晩ご飯のことを少し書いてみましょう。

なんてったって、食べ物のことを書いてる時が一番しあわせなあたし💕 


クラクフでの晩ご飯と言えば、クラクフ中央駅に隣接する「Galeria Klakowska」(ガレリア・クラコウスカ)という

巨大ショッピングモールの最上階のフードコートに入っている「PARAGPN FISKALNY」(パラゴン・フィスカルニー)と

「VEGE STATION」(ベジステーション)だ。クラクフに5泊したうちの実に3回を、ここで食べた。

パラゴンのほうはポーランド料理。ベジのほうはベジタリアン用で野菜料理しかない(油は多め)。

いずれもビュッフェ形式になっていて、大皿に、食べたいものを食べたいだけとるスタイルだ。


おもしろいのは、料金が重さで決まるというところ。

大皿に盛った料理をレジ横の秤に載せ、重さに応じた料金を払うというシステムになっている。

そう、コオロギが齧るきゅうも、人間の血肉となるステーキも、重さが同じなら料金は同じというラディカルな料金体系。

いいじゃありませんか~(^^♪


基本は2人ともパラゴンだけど、野菜が足りないと思ったら、共同戦線を張ってひとりはベジ、ひとりはパラゴンと二手に分かれ、

二人がとってきた料理を合わせて野菜たっぷりのメニューにするという裏技も可能。

パラゴンのポーランド料理はレベルが高く、フードコートに入っている店とは思えない。

メインのお肉系、付け合わせ系、小皿系、生野菜系などに分かれて、何種類かずつ料理があるので、

組み合わせ方によって毎回違う自分だけの一皿を作ることができる。なかなか楽しい💛

料金は一人20ztから40ztぐらいの間だったから、600円から高くても1200円ぐらいで充分豪華なディナーが食べられる。


ただ、ひとつ、こんなにおいしいポーランド料理にも解せないことがある。

こんなことを言うとポーランドの人から顰蹙をかいそうだが...

ピエロギって、ほんとにおいしい? そう、皮が肉厚の餃子みたいなやつだ。

ガイドブックを見ても、ポーランドを旅行した人のブログを見ても、「ポーランドの名物と言えばピエロギ!一度は食べてみるべし。」だの、

「やっぱりピエロギはうまかった。ポーランドに来たら必須!」だのと書いてあるのだが、

旅行中に3回ほど食べる機会に恵まれたものの、「おお~、これはうまい!」と思えるようなピエロギに、一度も行き当らなかった。

これだったら餃子のほうが(何だったらわたしの作る水餃子のほうが)ずっとおいしい。


まず、皮に技が感じられない。

餃子であれば、薄力粉に強力粉を混ぜてみたり、こねた後にしばらく寝かせてみたりと、

茹でた時にもちもちつるんとした食感になるよう、工夫が凝らされているものだが、

ピエロギの食感は、何というか、もちゃっとしていて、やわらかい。

あの食感は、おそらく薄力粉に米粉か何らかのでんぷん粉が混ぜられているのだと思うが、

それを水でこねたら寝かさずに、そのまま茹でているのではないだろうか。

形も、こういっちゃなんだが不細工で、原始的な食べ物のように見えてしまう。

さらに、具に存在感がない。

そもそも中に入っている量が少ないこともあるが、最初に食べたのは、うーん...これって...ツナ?みたいな感じだったし、

二回目に食べたのは、うーん...これって...じゃがいも?(まさかの炭水化物オンリーピエロギ)みたいな感じだったし、

最後に食べたのは、うーん...これって...ツナ&じゃがいも?みたいな感じだった。

中身を特定できず、味も薄いのだ(どこかにソースがあったのかな)。


これだけ書いといてなんだが、別にピエロギをけなしているわけではない。

ただ私の口に合わなかったというだけのことである。

ポーランドの人にしてみれば、あのもちゃっとしたやわらかい食感こそがおいしいのであり、

具にしても何か入ってればいい程度で、皮のうまさをこそ味わう料理なのかもしれない。

食文化の違い、といえばそれまでだが、それにしても、なぜ他の料理はおいしく感じたのに、ピエロギはそう感じなかったのだろう?

のどの奥に引っかかった小骨のようなピエロギ。

しかし、おいしさを理解できないピエロギの存在が、逆にポーランド料理の奥深さを物語っているようにも思われた。

まだまだアンタにはわからん世界が広がっておるのじゃよ、と。


ちなみに、あとの2日の晩ご飯はというと、ワルシャワの時と同じく部屋でOYAKATAラーメンの宴を開いたのでした。

というのも、5月1日(メーデー)と3日(ポーランドの憲法記念日)はポーランドの祝日で、

ショッピングモールのガレリア・クラコウスカ自体が閉まっていたからである。

祝日って、ショッピングモールの稼ぎ時なわけで、日本だったら閉めるなんてことはあり得ないが、

ポーランドではみなさん、休んじゃうんですね。

金儲けより、労働者の祭りと憲法を大切にする精神。

いいじゃありませんか~(^^♪

 




 

 

 


 

 


ポーランド旅行~クラクフ編・シンドラーの工場へ行く~

2019年05月20日 | 日記

moi~!

今日も雲は多いものの初夏の陽気。気温は25℃まで上がる予報だ。

ふと気づいてしまったのだが、今のアパート、どの部屋にもクーラーが付いてないんです。

付いてなくても、一般にクーラーを設置するような壁の位置にコンセントの差込口とかホースの通し口なんかがあって、

クーラーが使える仕様になってればいいのだが、そんなものもまったく見当たらない。

うーむ... そもそもクーラーを付けることが想定されていないとしか思えないこの造り。

ということは、これまでクーラーが必要なほどの事態には至っていないということの証だな。

そうか、そうか、そういうことね。ひとまず安心してもよさそうだ。

 

でもでも、5月のこの時点で25℃ってことは、真夏はもっと上がるんじゃないの...?

最近は地球温暖化で、昔に比べると全体的に夏も暑くなってきてるわけだし。

それともあれか!部屋に張り巡らされてるセントラルヒーティングの設備、あれに夏場は冷水が通るようになってて、

たちまち冷房設備に早変わり!とか? ...そんな都合のいい話はないか...

まあ、いいや。そのうち誰かに聞いてみよう(クーラーなんてないわよ。ちょっとぐらい暑くても我慢すんのよ、って言われそうでコワイ...)。

 

今回はポーランド旅行、クラクフの3日目です。

この日は早起きして、トラムに乗り、映画『シンドラーのリスト』の舞台となったシンドラーの工場へ向かった。

アウシュビッツツアーに行った時、添乗員のおねえさんから、シンドラーの工場はとにかく込むので、行くなら朝一番に!

と釘を刺されたので、そのアドバイスに従った。開門10分前には現地に着き、恐ろしい数の修学旅行生と(別に団体入り口があるみたい)、

かなりの数の観光客と一緒に、入り口付近に張られた、かつての工場の従業員と思われる人たちの顔写真を眺めたりしながら

9:00になるのを待った。

 

オープンと同時にチケットを買うべく受付へと向かう。みなさんグイグイくるのでわたしもグイグイいくことにする。

受付の女性は、ポーランドの「受付」と名のつくところでそれまでに何度かお目にかかったことのあるような、

ジロッとその目で見られると何も悪いことをしてないのに、つい、すみません!と謝ってしまいたくなるような、

つまりなんだか剣のあるコワイ感じの人だった。そして受付には彼女ひとりしかいないのである。

そう、オープンと同時に一分一秒でも早く中に入ろうと殺気立ってる人たちが長い列を作っているというのに、

それに対応するのが彼女一人なのである。理解に苦しむ。

 

これでは眉間にしわも寄ろうというものだ。海外からの観光客は概ねクレジットカード払いなので、その処理に現金よりも時間がかかる。

彼女はよくやっていた。目の前でどんどん長くなっていく列から受けるプレッシャーに耐え、ミスなく冷静に一連の作業をこなしていくには、

あのぐらいの強面で、はやる客を制し、強いセルフイメージを保つ必要があるのだろう。

わたしは少し彼女に同情した。

 

第二次大戦中、ナチス占領下でオスカー・シンドラーが経営していた琺瑯工場は、その後内部がリニューアルされ、

2010年からクラクフ歴史博物館として開業している。今ではクラクフの人気観光スポットのひとつだ。

ワルシャワで見学した博物館などと同様、インタラクティブな手法を用いた新しいタイプの博物館で、

見学者は様々な「仕掛け」に反応しながら、当時のクラクフの街の様子や工場近くに作られたゲットーでのユダヤ人の生活、

そして強制収容所行きを免れたこの工場のユダヤ人従業員たちの生活などを、能動的に学べるようになっている。

 

ワルシャワでも博物館を見てきたので、当時のユダヤ人の人たちの暮らしぶりは何となくわかっていたが、

ゲットーというものが実に非人間的な場所だということを、改めて痛感させられた。

これまでは壁に囲われた中で、ユダヤ人は普通の生活を送っていたのだろう、ぐらいに思っていたが、とんでもない間違いだ。

壁に囲われた、というその状況が、すでに人々がそこで普通の生活を送ることを不可能ならしめる条件であったのだ。

食糧を制限され(一日の一人当たりの配給は300~400kcalだったという)、就業を制限され、周囲からの差別の視線にさらされ、

ましてや恣意的な虐待の横行が許された空間であってみれば、そこは肉体的にも精神的にも

緩慢に死んでいくことを強制された場所に他ならなかった。

そんなユダヤ人を死へと追いやっていく壁を、ナチスドイツは当のユダヤ人たちに作らせたのだ。

慄然たる事実である。そして今回の旅で幾度も胸に去来した思いがまたよみがえる。

どうして誰もこの事態を止めることができなかったのか。今を生きる我々に残された、重い問いである。

 

ところで、この博物館に音声ガイドというものがない。

なので、解説用のパネルに書かれた英文にせよ、元従業員たちの証言ビデオ(ポーランド語)の英語字幕にせよ、

とにかく英語を読むだけで理解するしかなく、これがけっこう辛かった。

どうせ私なんかには全部はわからないのだが、聞くことも一緒にできたら、もう少し理解しやすくなると思われる。

博物館にはぜひ、音声ガイドを(英語でもいいので)導入していただきたいと思った次第です。

 

見学が終わり、ヘロヘロになってロッカーに預けた荷物を取りに向かったら(ちなみにロッカーは無料です)、

受付の前の列は最後尾がどこかわからないくらい伸びていた。とにもかくにも朝一番に来てよかった、と胸をなでおろす。

あれ?でも、ここはこんなに人が多いけど、中はそこまで込んでなかったな。

そこで、はたと思い至った。ここがこんなに人が多いから、中がそこまで込んでいなかったのだ。

工場をリニューアルした博物館、意外に間口が狭かったり、展示コースが入り組んでいたりして、

人が一度にたくさん入ってしまったら見学に大きな支障をきたすことが予想される。

おそらく非合理的に見える一人受付体制が、期せずして(期して?)緩やかな入場制限みたいな役割を果たしていたのではなかろうか。

 

朝の受付の彼女は、今も眉間にしわをよせ、客をジロッと一瞥して余計な口をきかせないように牽制しつつ、

少しも慌てることなく冷静にクレジットカードの処理をし、入場チケットを客に手渡していることだろう。

あまり友達にはなりたくはないタイプだが、がんばれ!と、心の中でつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ポーランド旅行~クラクフ編・旧市街散策~

2019年05月18日 | 日記

moi~!

タンペレは今日も朝から快晴だった。最高気温は22℃。

いや~、一気に初夏らしい気候になってきました。

 

こちらでは、最近、オープンカフェが大盛況である。

あっちの店でも、こっちの店でも、いそいそと外に椅子とテーブルを並べてお客さんをお出迎え。

冬が長い分、みなさん太陽の光を心待ちにしているのがよくわかる。

金曜の17時頃、うちの近くの「bar Passion」(パッション、ですよ!)の前を通りかかったら、

サマータイムで早々に仕事を終えたサラリーマンや大学生と思しき若者たちが、戸外のオープンスペースに三々五々陣取って、

思う存分陽光を浴びながら、お気に入りの飲み物片手に仲間との会話を楽しんでいた。

 

こちらではbarというと、ほんとにお酒を飲むだけで、食べ物はなしみたいね。 

なんかちょっとつまむものがあると、お酒ももっとおいしく飲めていいんじゃない?と思うんだけど、それは日本人の感覚なのかな。

たぶん、コンセプトが違うってこと? barが客に提供している最大のものは、実は酒ではなくて、

日光浴ができて、仲間と親密なおしゃべりができて、ついでに公然とお酒も飲めちゃうあの戸外のオープンスペース、というわけなのだろう。

わたしも夏のうちに一度、ぜひ「bar Passion」体験をしてみたいものだわ(^^♪

その時はぜひ「bar Passion」潜入レポートをお送りしたいと思います。

 

前置きが長くなってしまいましたが、クラクフの2日目、いってみましょう!

この日は前の日とはうってかわって、朝からの晴天。朝食を済ませ、さっそく旧市街散策に出かける。

ワルシャワの街がナチスドイツによって徹底的に破壊されたのとは対照的に、クラクフは中世の街並みがほぼそのままの形で残ってる。

というのも、第二次大戦中、ナチスの司令部がクラクフに置かれていたからだという。

なんだか複雑な気持ちを抱えて出発~!

 

 中央広場に続く目抜き通りのフロリアンスカ通り 奥に見えるのは聖マリア教会

     

中央広場へ向かう道は朝からたくさんの人出だ。

この日はメーデーで、ポーランドでは祝日なので、その影響もあるのだろうか。

広場に到着し、まずは旧市街が見渡せるという昔の市庁舎の塔に上ってみることに。

 

 広場に建つ旧市庁舎の塔 市庁舎の建物は現存せず、塔だけが残っている

   

開門の10時半を待っている時に、塔の前にヘンな像を発見。

     

 

   

あれ?きみたち、ひょっとして、よく神社の前なんかにいる狛犬さんじゃないの?

もともと狛犬は、ペルシアのほうから伝わってきた獅子の像だったというから、まあ、原形に近いのかもしれんし、

口の形もなんとなく、ア、ウンと言ってるようにも見えるが...

いやいや、それにしてもヘタレすぎなんとちゃう?! ふつう、狛犬ゆうたら、しゃんと背すじ伸ばしてお座りしとるもんじゃないんか?

なに、のんきに寝そべっとんねん! そんなんじゃ、悪いもんがバンバンはいってくるでー!

と、例によって関西弁のツッコミをいれる。

 

10時半、チケットを買い、塔へ。螺旋階段をひたすら同じ巻きで登っていくスタイルで目が回る。

背の高い人は頭をぶつけないよう屈んで登らねばならず、おのずと下半身が鍛えられる。

 

 塔からの眺め 聖マリア教会の高い尖塔がひときわ目をひく

         

 

 聖マリア教会の中 繊細優美なステンドグラス

       

 

   

ステンドグラスや装飾の美しさは筆舌に尽くしがたい。

一部修復中であったが、国宝となっている祭壇の、金色に輝く豪華絢爛ぶりにも息をのんだ。

こういうキリスト教の教会を見ると、高く高く作られていて、天上への憧れがいかに強いものであったのかが感じられる。

 

 広場の長辺に建つ織物会館 かつては織物の交易所に使われていた

   

会館前にはカフェが立ち並び、朝から観光客で賑わっている。

中に入るとお土産物屋がずらり。約100メートルにわたって通りが続いている。

   

広場を抜け、南下、ヴァヴェル城へ向かう。

 

 途中、立ち寄った聖ペテロ教会

   

 

 ヴィスワ川の近くに建つヴァヴェル城

   

   

城には、歴代のポーランド王の居住した王宮や、王の戴冠式が行われたヴァヴェル大聖堂などがある。

しかし門をくぐって中に入ると、王宮のチケット売り場にはすでに長蛇の列ができている。

チケットの枚数制限があったり、時間指定制だったりと、何かと面倒そうだ。

ヴァヴェル城観光のハイライトらしいのだが、ワルシャワの旧市街にある王宮をすでに見学しているし、

それと似たり寄ったりじゃないの? もともと王様の豪華な宝石やら調度品やらにはあんまり興味ないしな。

という乱暴な論理で潔くパスすることに。


比較的すいていた大聖堂だけ見学する(王宮とは別のチケットが必要)。ここは内部の撮影は禁止だ。

気がつけば、今が盛りと咲き誇っている庭園の花ばかり撮っていた。

 

   

          

 

大聖堂見学のあと、ヴァヴェル城前のスロープをくだり、ヴィスワ川の岸辺のほうに向かって歩く。

上から見ると、この一帯に食べ物の屋台が立ち並んでいるのがわかる。

気づけばお昼時を過ぎている。おいしそうな匂いが漂ってくる。

 

最初に見つけた屋台は、巨大なソーセージと巨大な串刺し肉をジュージュー焼いて、

それをパンとともに供するお店。むくつけき大男が油の煮えたぎった鍋で調理している様を見ていると、

何だか中世にタイムスリップしたような気分になってくる。

「それください!!」 迷わず注文。

すごいボリュームだ~! 

ホットドッグはどうみても二人分。串焼きにはピクルスがごろんと一本ついてくる。

   

ヴィスワ川を望む緑のまぶしい公園で、gas入りのミネラルウォーターをガブ飲みしつつ、

巨大なホットドッグ&串焼きにかぶりついた。至福の昼食。

食べ終えると、どっと疲れが襲ってくる。一度宿に帰って休むことに。

 

帰り道、いつの間にか公園を歩いている。木々の若葉が美しい。

そう、クラクフは公園がやたら多いのだ。

それにしても、ポーランドに来てから、何枚これと同じような写真を撮ったことだろう。

われながら呆れてしまう。しかしこの景色を目にすると、その美しさにカメラ(じゃなくて携帯ですが)を向けずにはいられなくなる。

木立の中を歩いていると、心からリフレッシュできる。  

   

 

地図と合わせて見てみると、どうやら公園が旧市街の周りをぐるりと取り囲んでいるらしいことを発見!

おそらく昔、城壁があった場所なのだろう。

緑の木々が赤茶色の壁に取って代わったのだ。

もちろん、わたしは今のほうが好きだ。