戦国武将がよく来るキャバクラ 尼子経久
活躍の割に知名度が低い戦国武将が
よく通うキャバクラがあるんだとか…
ボーイ「失礼します。レイナさんです」
レイナ「こんばんは、レイナです。よろしくお願いします」
?「どうも」
レ「お客さん戦国武将の方ですよね?」
?「うん、まあ…」
レ「やっぱり!」
?「でももっと 言うと、戦国大名ね」
こだわりがあるらしい
レ「えー、戦国武将と戦国大名ってなんか違うんですか?」
?「いや。全然違う」
レ「あ、そうなんだ」
?「高校球児とメジャーリーガーくらい違う」
レ「えー、そんなにー?」
わかっているのか?
?「そうよ。結構広い範囲を治めていないと戦国大名って呼んでもらえないんだから」
レ「えーじゃあお客さん、結構広い範囲治めてたんですね」
?「結構広いんじゃない」
レ「あー!すごーい!」
?「鳥取、島根、岡山と兵庫の一部。それからこう、広島辺りまで。結構どう。広いでしょ?」
レ「広い。ヤバいですねー!」
?「まあ、あの戦国大名ですから」
レ「戦国大名!」
?「もっと言って」
レ「戦国大名!カッコいいぞ、戦国大名。まいりましたー!」
?「苦しゅうない苦しゅうない。俺さ、戦国大名にずっとなりたかったの」
レ「はーぁ」
?「だから戦国大名って言われんのがすっごい嬉しいんだよね」
レ「へぇー…そうなんだ。あ、なんか飲みます?あ、そうだ。シャンパンとかどうですか。戦国大名」
?「いいね。いいね、苦しゅうない」
レ「あ、いっちゃう?すいませーん」
?「シャンパンを頼もう!」
ボ「こちらの戦国大名のお客様、シャンパンいただきました。ありがとうございます」
レ「いただきましたー!」
?「苦しゅうない」
レ「ありがとうございます。楽しいね。あ、そうだ。お名前、まだきいてなかったですよね。きいちゃってもいいですか?」
?「どうぞどうぞ。戦国大名の尼子経久と申します」
尼子経久
(1458~1541年)/出雲の戦国大名
レ「尼の子?」
尼子経久「尼の子供と書いて、尼子」
レ「あ。尼の子供なんですね!」
尼「尼の子供ではない」
レ「違う。え、でも尼の子供だから、尼子じゃない?」
尼「尼の子供じゃないし、尼子って名字。経久、名前。尼子名字」
レ「だよねー。思ったー」
尼「思ったでしょ」
レ「あ、きたきた。ありがとう」
尼「おぉ、苦しゅうない」
レ「大名にはシャンパンだねぇ。きたよー。はい、じゃあ戦国大名にかんぱーい!」
尼「尼子乾杯」
レ「なんかすっごい楽しくなってきたね、尼子」
尼「そう?」
レ「ねぇねぇ、尼子はなんで戦国大名になりたかったの?」
尼「それきいてしまう」
レ「きいちゃう!」
尼「なぜ、私が戦国大名になりたかったのかというと。元々ね、俺結構名門の出なのよ」
レ「へぇー。そうなの?」
尼「ま、ちょっとややこしい話なんだけど。室町時代までは、守護ってのが各地域治めてたわけ」
レ「ふーん」
尼「で、うちの尼子家っていうのは、守護のね、1こ下の守護代っていうポストだったの。わかる?これ」
レ「ふーん。あ、わかった!バイトでいうサブリーダーみたいな感じ?あたしね、なんか前にファミレスでバイトしてたからわかるー」
尼「ま…サブリーダーというよりは、なんだろな…店長と店長代理みたいな関係」
レ「あー。なんかうちのお店、店長代理とかいなかったから、サブリーダーでもいい?」
尼「サブリーダーでいい」
レ「よかった」
尼「で、まあね、守護に次ぐ偉いポストだったわけ」
レ「ふーん。そっか。はい、(ポッキー)どうぞ」
尼「でもさ、そのまんまだとだ。いつまで経っても守護代は守護の下なわけよ」
レ「守護の下だ」
尼「でも男と生まれたからにはさ、こっちにいきたいでしょ。こっち」
レ「いきたいいきたい。こっち」
尼「こっちいきたい」
レ「いきたーい!」
尼「こっちいっちゃおうと。なんで、尼子はこの守護の京極家に反発したわけです」
レ「えー。どうやって反発したの?」
尼「ここに納めなきゃいけない税金があるんだけど、尼子は払いませんと。びた一文払いませんと」
レ「えー。でもさ、尼子サブリーダーなわけじゃん。えークビになっちゃうと、大丈夫?」
尼「そう。もう簡単にクビになっちゃって」
レ「え!!」
尼「で、こう住んでたお城も追い出されちゃって。でもうそれからは、放浪生活」
1484年
居城を包囲され 守護代の職を剥奪され
出雲から追放されたとか
レ「もうバカじゃないの。もうそんなの当たり前じゃん、尼子」
アホなんでしょ?
尼「当たり前でしょ。そんなバカ尼子のここからが大逆転がはじまるわけ」
レ「きた?なになに?」
尼「きたきた。まず、追い出されたお城を奪い返してやろうじゃないかと」
レ「お」
尼「お城を奪い返してやろうじゃないかと。さぁ、尼子はどのようにしてお城を奪い返したのでしょうか」
レ「うーん。わかりません!」
尼「ヒントでます」
レ「ヒントも難しいので答えお願いします!」
考える気がないと
尼「まああの、柔らかく言うと、元旦に突入」
1486年 元旦
尼子経久は城主に返り咲き京極家から独立したとか
レ「お!元旦!」
尼「まああの元旦ってさ、みんなこうだらけちゃってるわけよ」
レ「あー、わかるぅ」
尼「ちょろい、ちょろいわけ」
レ「わかる。なんかみんな大体テレビ見て寝てるもんねー」
尼「そう。もうテレビ見てわーって寝てるから、尼子がプスみたいなね。ま、その時代はテレビはないけれども」
レ「あー…」
なんでそこで感心するの?笑
尼「そんな敵の隙をついた奇襲攻撃で見事に」
レ「見事に」
尼「お城を奪い返し、徐々に勢力をのばしーの」
レ「のばしーの」
尼「念願の戦国大名の座に」
レ「座に」
尼「君臨するわけです」
レ「フー!戦国大名!戦国だいみょー!」
尼「いやぁあの頃の俺はね、それはもう勢いあったよね」
レ「すごいね」
尼「勢いと書いて尼子と読むと言われたぐらいだからね」
レ「フー!」
尼子経久・毛利元就・宇喜田秀家は
中国三大謀将と称されたとか
尼「出雲を制圧し、その後はここもね、ほぼ手中にはおさめてたんだけど」
レ「あ、おさめてた、けど、ダメだったの?」
尼「いやぁいけるはずだったんだよなぁ」
レ「えー、なになになになに。どうしてどうしてどうしたー。教えてー」
尼「いやね、その頃、大内っていう結構でかい大名がいたのよ。で、そいつと俺が中国地方の覇権を取り合ってたんだけど、競ってね
で、また別の奴で毛利元就ってやつが俺と同盟関係を結んでたのね。お友達だよ」
レ「うん、友だち」
尼「この野郎が裏切りやがって」
レ「えー!」
尼「大内側についちゃったの」
裏切りで勢い(尼子)じゃなくなったのね。
レ「うっそ、毛利って人最悪じゃーん」
尼「最悪でしょ、こいつ」
レ「えー、ひどいねー。え、そういう時食べた方がいいよ、(ポッキーを差し出し)はい、はい。乾杯」
尼「乾杯…」
レ「打ち上げ、打ち上げ」
尼「大分ショックでね、それが」
レ「ショックだよ、それはー」
尼「俺、結構ショックなことってあって。尼子、子どもがいるんだけど」
レ「あ、そうなの。パパなんだー」
尼「実の息子にね、大規模なね、反乱を起こされてしまってね」
1530年
尼子経久の三男が大規模な反乱を起こしたとか
なんかかわいそうな人
レ「尼子、息子に裏切られるとか、あははっ。相当痛いパパだね」
尼「おい、痛いパパとか。痛くねーよ!頑張って生きてんだよ、尼子」
容赦なく傷を抉られているwww
レ「おかしい。うん、でも頑張って」
尼「ウケてんなよ」
レ「頑張った証拠だと思う。乾杯しよ、乾杯。大名」
尼「実の息子…」
レ「大名、かんぱーい!」
尼「乾杯…実の息子に裏切られるってのはね、これかなりショックなんだよね」
レ「そうだよね」
ボ「申し訳ありません。レイナさん、指名はいりました」
レ「え、ほんと。今ちょうど」
尼「いやいやいや。君、なに言ってるのかな」
ボ「失礼します」
尼「失礼だよ、ほんとに君」
レ「残念。はい、これ。私の名刺。レ、イ、ナ。今度来た時はちゃーんと指名してね。親子関係は、大事だぞ。じゃあね。バイバイ、飲み切っちゃって。バイバーイ」
尼「息子と今度は来るかなぁ」
レ「あー、もう久しぶりぃー。もうどこ行ってたんだ」
指名客「一昨日来たぞ」
常連なのにwww
レ「えー、そうだっけ。どうぞ、どうぞ。こっち」
指「あれ誰?戦国武将?」
レ「なんか、なんとか尼子って人。知ってる?」
指「女?知らない」
どう見たって男でしょ
ボ「失礼します。その帽子、カッコいいですねぇ」
尼「え?カッコいい?」
ボ「渋いっす」
尼「渋いだろ、これ。そっか。欲しい?」
ボ「いや、いらないです」
尼「欲しいかぁ」
ボ「いや大丈夫ですよ」
尼「あげるよ、これ」
ボ「いやいやいや、いいですいいです。大丈夫ですって」
謀略家であったが 家臣に対しては非常に優しく
装身具を気前よく渡し 自分は質素な服で過ごしたとか
尼「いいからいいから。大丈夫」
ボ「悪いし」
尼「家に帰ったら1248個くらいあんだから、これ」
よく覚えてるな
ボ「1248個ですか」
尼「ほらほら」
ボ「いやいや、いいいいいい」
尼「いやいや、いいんだって」
ボ「いいですいいです」
尼「いいんだって。みんなほら羨ましそうにして。ほら、これ持って」
ボ「はい…ありがとうございます」
注目の的で笑われてるぞ