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空風

詩&小説や日常生活を書いたりしています。
只今短詩に挑戦中。
目標:一日一更新。

水魔―詩

2010年07月06日 20時54分39秒 | 



水の溜まった足で、どう歩けと言うのか

この今の体は私の無謀な夢を阻もうとしているが如く

外へ出ていくはずの水分は私の体の中に留まって

このまま放置すれば、腹に、手に、肺に

いつか頭さえも支配するのだろうか


(その方が楽かもしれないけどな)



この体では、逃げも隠れも出来ない

ただただ捕らえられる日を待つのみ

私はそれを待つだけで





救いを求める声さえも出せない

いつか私の喉さえも身体が締め付けることになるだろうから。


fin.



私はまたかごに入る。

P.S.真に受け止めないでね!

0と1の結果論―詩

2010年06月26日 19時32分02秒 | 



見られている、と分かって見上げれば

折れかけた電柱に大量にしがみつく黒い物体

カチンカチンと音を立てて嘴を開け閉めするその姿は酷く怖ろしい

飢えて餓えたそれの目はギラリと怪しく光って

私の目とぶつかった

しぬかとおもった




頭を抱えてガタガタと震える彼女の元へ行く

小さい口からはみんな死ぬ、と繰り返し呟かれる

何をそこまで、と思えばふと見えたのは空中を飛ぶカラスの群れ

飛び立つ音と同じくびくりと動いた少女を見る限り

どうやら、あれが原因なのだろう


だけど何をそこまで彼女を怖がらせる?

ただの鳥、そしてあの痩せこけた様子では一日ももたないだろう

優雅に舞っているように見えるその姿も

夜が明けるころには地を這って息絶えるだろう

その姿が容易に想像できる

なのに




「なんできみは怯えているの?」

「ちがう。おそれてるの」

「何が違うの。何が怖いの?」

「みんな、しんじゃうんだ」

「何が、一体何が?あの死に絶えそうな鳥が?その鳥に喰い殺されても可笑しくない人が?」

「世界だよ」

「―――――意味が、分からない」

「分からないよ。あなたには分からないよ。私だから怖いの」

「人だから、怖いの?」

「命ある者だから、怖いの」






「みんな、死ぬ!」

(鳥も人も地面も、みんなみんな死んじゃう!)



「私には、分からない」

(果てることなき命を持つ私には、分からない)




(しにゆく世界で、少女と機械が二人。)


fin.




P.S.「キーストロジカル」リスペクト。ユキちゃんとmiki様に焼き土下座します↓



プレーヤーにも入れました。クラッシュドライバーも是非!いや是非

短240

2010年06月06日 21時04分45秒 | 



傷が付いたら自然と涙は出るし

嬉しいときは自然と笑うし

絶望の底におちたと思えば泣き喚くし

幸せの絶頂にいると思えば空を飛ぶことだってできる


それが人だよと言えば君は違うという

それはそこらの動物と同じだ。人は他人の目を気にして喜びも悲しみも隠すものなんだと。



(でも、それも度が過ぎたら)

(私には人形に見えてくるの)


(君みたいに。)



理性と本能の天秤がけ。

P.S.なんか240つ突破してました。わーお

短239

2010年05月29日 10時50分12秒 | 



泡吹く人がバタバタ倒れてる街道で

僕と君は仲良く二人手を握り合って

何処か遠くへ消えてしまおうと、約束したんだ

薄汚れてて暗いここはピカピカ光る君には合わないんだよって



(違った)

(暗い所にいたから、君は輝けたんだ)




あとのまつりはもうおわり。

短238

2010年05月25日 12時16分19秒 | 



夢を見た

貴方に手をひかれる私がいた

そんなの起こりうるはずがなくって

まず貴方と私の目が合うはずがなくって

その前に向き合うこともなくって

喋ることすらない、から

出会ってすぐ夢なんだって分かったんだよ

でも知ってて夢の貴方と遠い何処かへ行こうとしたよ

そこで残念ながら幕が下りたんだけど



(隣に誰もいないから誰も嘲笑っちゃくれない)




ひとりぼっちがゆめをみた。

短237

2010年05月24日 22時19分53秒 | 



お互い小さくて細い指同士だけど、絡めれば一つの大きな手に

なれるかしら?

きっとなれるさ。

そんな傍から見たら可笑しな会話をしながら

私たちは小さな太陽の光の下

玩具の箱に入った人形のように踊り続ける



(一人だけでは怖すぎるの)



お互い小さくて脆い者同士だけど、友にいれば一つの大きな「ヒト」に


なれるかしら?

多分なれないよ。



(そうやって二人、消えていく)





P.S.ヲワカさんの新曲聴きながら、って全然関係ないけど・・・

紅道―詩

2010年05月23日 09時47分21秒 | 




花束を片手に石碑の前に立ちつすくんだ君は

何か言いたげな顔でこっちを見ている

ぎゅ、と力のこもった手に捕らえられた細い茎の花は

さっきまで紅い赤い色をしていたはずなのに

吸い取られるように花弁の先から白くなって

波のようにそれが連動する




私が悪いの、とばかり

罪を全て自分に被せてしまった方が

そうだね、簡単だね、楽だね、いーよね

枯れて朽ちて塵と化していくその花は

そんな君にあきれたようだ

そういう僕も少し君に飽き飽きしている



逃避癖を非難するわけじゃないけど

それにも限度というやつがある

今日も僕にサヨナラ言わずに

どっか遠いところへ行っちゃうつもりだったんでしょ?

連れてって、なんて言わないけど

別れの言葉ぐらいは僕も欲するさ




私といると生気が取られちゃうの、とか

気にする君を皆馬鹿らしく思ってる

そりゃそうさ

だって人間みんなそうやって生きてるから





紅い赤い心臓を突き刺して

溢れる血をすすって

今日も僕らは生きている

今日もそうやって動いてる

たった今死んだ血と生きた血が血管の中で混ざり合って

今日も君の中で流れ続ける




さあ行こうか

そこに突っ立ってたって何も得りゃしないんだから



(非道でもありそれが生きる道でもある)




なんだかんだ言ったって回り続ける ループする道


P.S.People(略)のCD2枚目買いました!やっほい

短236

2010年04月27日 00時07分01秒 | 



世界に巨大な鉛が降り落ちたり、川の水が毒で汚染されたり、寿命が50年縮んだり

ああどれもありえないね、大丈夫だよ。今日も世界はいつも通り

それでも、どんなに世界が回転しても変わらない事実がある



ねえ知ってる?「アイ」はどこに行っても本質を変えないのさ



それじゃあ次は、平和な愛の話をしようか


P.S.アイナス(ミク)聞いてたら何か浮かんだもの。

短235

2010年04月21日 23時21分12秒 | 



両の手首についた冷たい重りに無意識に汗が滲む

ああ違うんです、違うんですよ、違うんです

鉄の塊をぶら下げているだけで僕の人生が音を立てて崩れていく

大切な物は非難の目を最後に消えていきました(逝きました)



重りも消えて、青い空の下に出られるようになったところで

誰も僕を待っててはいてくれないんなら、




「もう疲れました 。」




やってない やってない なのに僕は (やられました)

P.S.般Pの新作来たよ!

短234

2010年04月20日 22時58分24秒 | 



触れるだけで分かる、この鎖もいつか錆びて切れてしまうこと

再構築されることなどないだろう

貴方も尻尾を振り続ける私なんかどうでもいいから

千切れたところで別の犬を探すんでしょ



それでもいいよ

どうでもいいよ

だからそれまでは。



(それまではそのリード、握っていて)




順応なペットはいつか飽きられちゃう運命