年末に近づくにつれ、そろそろ部屋の中を少し整理しようかなと思っていた。まずは、その辺に散らばっているラックに入りきらない音楽CDを、買ってきた収納ケースに入れる。これが優に100枚を越えてしまっていた。そして、押入れに山済みになっていた読み終えた文庫本も、トントンと手で均して崩れないようにした。それでもちょっと掃除機をかけると何だかすっきりした。よしよし。
本当は本棚などに収納できればいいのだけど、これはいらないなと思う物だけは思い切って処分している。なぜならその手の物はいつでも手に入るからだ。
吉田修一の『パークライフ』を読んだ。芥川賞を受賞した作品だが、僕はその次に収録されている『flowers』の方が人間くさくて良かった(カバーの絵は意味不明だなあ)。ウチの人も文庫本を読んでいたので、何を読んでいるのかと見ると、なんと奇遇にも同じ作家の『日曜日たち』という作品だった。こちらはどちらかというと世の中にネガティブで意気阻喪した物語なのだが、それでも終わり方が少し爽やかで印象的だった。この作者の作品は、頻繁に過去と現在の話がさり気なく替わるのが特徴で、読んでいると一瞬分からなくなる事がある。どちらもただ平凡な生活を延々と描いている為、そこにふと出てくる変わった人物や過去の出来事などが楽しめれば、なかなか面白い本であると思う。
なかなか良い作家を見つけたが、こうして次々と(いろいろな物が)増殖されていくのだな。
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