来週、竣工引き渡しとなる住宅。
住宅の階段はその空間を成り立たせる極めて重要なデザイン要素と言えます。
しかし、それは基本的に上下階を移動するための装置であるため
施主の安心・安全に十分配慮しなければなりません。
いかにお洒落で軽快なデザインでも、子供が転げ落ちそうな階段ではNGです。
このお宅の奥さんは、結構怖がりの様で、
蹴込みのない階段は怖い、手摺があってもその上から転げ落ちそう、、と不安がります。
それでいて、閉鎖的な階段はイヤ、そしてあまりお金のかかるのもチョット、、という矛盾が孕んでいました。
そこでデザインしたのが、この木造の吊り階段。
階段の蹴込み板を一枚づつ集成材の角材で吊っています。
4、5回図面を描き直して、やっとこの案に決まり、やっとできましたが、
デザインとは、やはり、デザインのためのデザインになってしまってはいけません。
デザインには意味があり、様々な要求を解決してこそいいデザインが生まれる、という訳です。