2012年8月の MNP 利用数
ボーナス商戦がひと段落したのに加えて、間もなく発表されると噂されている“新しい iPhone”を意識した買い控え、各社の新機種発売に対する様子見などから、8月は全体的に MNP による契約者の動きは商戦期と比べて大きくないと言える。ただ、その中でも KDDI のみが安定して3万件以上の転入超過を達成している背景には、iPhone 4S への乗り換えキャンペーンや、「auスマートバリュー」の好調がありそうだ。
アディダス/>同社は6月末から、他社から iPhone 4S に乗り換えた契約者に対して21,000円をキャッシュバックする「WE ARE!au で iPhone キャンペーン」を展開。ソフトバンクモバイルも MNP での新規契約者に基本利用料を無料にする「iPhone かえトクキャンペーン」を展開したが、MNP 転入数の両者の差を見る限りでは、明確なお得感をアピールした KDDI のキャンペーンが勝利した格好だ。KDDI では当初キャンペーンを8月末で終了する予定だったが、期間を9月30日まで延長。これが9月の動向にどのような影響を与えるかが注目される。
また、「au スマートバリュー」の利用者数100万突破を記念した「スマートバリューズ入団キャンペーン」を6月1日~8月31日まで実施したことも、転入超過に寄与したようだ。
なお、KDDI 広報部は取材に対し、「新商品の発売が少ない時期でもポートイン(MNP による転入)数が順調に獲得できたのは、iPhone と au スマートバリューで展開しているキャンペーンの効果によるものが大きい。このまま9月も MNP による契約者数増加の勢いを維持していければ」とコメントしている。
一方、8月の携帯電話純増数は、ソフトバンクモバイルが21万7,200件で首位を維持。2位は KDDI(au) で16万1,900件、NTTドコモは8万1,200という結果に。また、データ通信サービスのみのため単純比較はできないが、UQコミュニケーションズの純増数が24万5,100件とソフトバンクの純増数を3か月連続で上回る結果となっている。また、全社を合計した総契約者数は1億2,665万4,600件となり、前月比で0.4%の増加となっている。
2012年8月の携帯電話純増数と契約数
8月で夏商戦がひと段落し、9月からは、間もなく発表ではと噂される“新しい iPhone”や、秋冬向けに発表される各社の新モデル、新サービスなどがユーザーの動向にどれほどの影響を与えるかが注目される。9月を終えた時点でユーザーの各社に対する評価がどのように変化しているか、この1か月で各社が行う様々な施策?発表が市場にどのようなインパクトを与えるのかを注視していきたい。