小学館刊行の学習雑誌『小学●年生』に連載されていた、内山 まもる先生のプロ野球マンガ『リトル巨人くん』に登場する、その名のとおり主人公。私の場合はこのマンガを小学生の頃にリアルタイムで読んでいて、その当時は知らなかったが、『小学●年生』以外にも少年マンガ雑誌『コロコロコミックス』にも連載されていたらしい。ちなみに年齢は小4(10歳)で統一されていたような(つまり、雑誌が『小学三年生』『小学五年生』でも小4)。‥‥‥ でも私の学年のときには、『小学五年生』の時には連載が終わっていた気もする。この内山先生の別のマンガ(『はらっぱ同盟』のこと)を見た気もするし。まぁそんな思い出話はさておき。
この作品名や主人公の名前からも見当がつくとおり、これは現存するプロ野球セントラルリーグの球団・読売巨人軍を素材にしたマンガです。アンチ巨人の方には申し訳ないのですが、私はずっと長い間巨人ファン。巨人ファンになった理由は単に、「私が住んでいた田舎では巨人戦しか放映されなかったから」ですが、このマンガの影響もかなり大きい。
この頃、私はまだ「雑誌に載ったものはコミックス化する」ということを知らなかったので、現在コミックスは大学に入ってから古本屋で買った第7~9,12~15巻(最終巻)くらい ‥‥‥ しかもうろ覚え。でも、8歳くらいのときに読んだものを18歳になってもまた読んでみたいと思うくらいに、面白かったんですョこれが。
とりあえずコミックスを見て1番ビックリしたのが、
「えッ!『滝 巨人』って名前って、『たき きょと』って読むの!?」
ずっと「たき きょじん」って読んでたんで。ていうか、作品タイトルは「リトルきょじんくん」って書いてあるし。コミックス冒頭のあらすじ&キャラクター紹介ではちゃんと「きょと」とルビがふってあり、「きょじん」と読むのは愛称と ‥‥‥ 。でも別の巻ではちゃんと「きょじん」って書いてあったりする。謎。あの辺、『小学●年生』と『コロコロ』とで、または同じ『小学●年生』でも発行年度が違ったら設定が微妙に違うという、あの小学生学習雑誌特有の時差が生じていたのでしょう(同じように連載されていた『ハッピーまりちゃん』『ラブリーまりちゃん』や『うたってナナちゃん』などみたく)。でも、さすがに『たき きょと』は語呂が悪すぎだろうよ ‥‥‥ 苗字が短いのに ‥‥‥。
さて。この滝 巨人くんは、両親・兄の4人暮らしで普通に小学校に通う野球少年だったのが、リトルリーグで子供離れした活躍を見せていたところを見出され、そのまま巨人に入団するという、今考えるとぶっ飛んだストーリー。ちなみにその臨時入団テストで巨人くんは長嶋 茂雄氏を三振にとった(!)が、その威力を甘くみていたため素手でキャッチャーに挑んだ王 貞治氏は至極後悔したという(笑)。
でもこの巨人くんのすごいところって何だろう。‥‥‥ 当時最速レベルの150km/h後半をストレートで投げられたことか ‥‥‥ それとも、現実にはありえない魔球(変化球)を一切使わずにプロ相手に勝てたことか(どっちも現実にはありえんけどな/笑)。
そんな訳で守備位置は投手でリリーフエース。但し途中のエピソードで肩を故障し打者に転向し、再度投手として復帰するという、デーブ大久保のようなことをしてたような気が(デーブ大久保:本名・大久保 博満。西武ライオンズから移籍したが、元・巨人の正捕手となり最下位だったチームを優勝争いに加わらせ「ラッキーボーイ」と呼ばれた。怪我をして一塁手に転向したが、後に捕手に復帰した)。
ちなみに巨人くんは、その肩をアメリカに渡って治療したらしい。父親の転勤で渡米していただけらしいが、20年前の小学生とは思えん ‥‥‥。
そして背番号は『3』。この背番号はご存知、現在は終身栄誉監督である長嶋 茂雄氏が現役時代につけていた番号ということで、当時は既に永久欠番になっていたのに ‥‥‥ あっさりこの巨人くんに渡したという長嶋監督、このマンガでもインパクトのあることをしています(笑)。ああ、ちなみにこの長嶋監督の時代、当然あの「メイク ミラクル」の時代じゃないですよ、今から20年以上前、まだ王監督が巨人軍の『助監督』だった時代の話です。「王助監督」‥‥‥ 私も、このコミックス見るまでそんな時代があったことさえ知らなかった。藤田監督もいたなァ。‥‥‥ と、そのくらい昔の話。
このマンガ、読んでると時代背景がよくわかる。「科学万博つくば'85」なんていつの時代だよ(1985年だよ)というネタが随所に登場する。
このマンガは、現在で言うところの『ドカベン~プロ野球編』と同じように、実際のプロ野球に忠実に描いてあるので、当時の現役選手がずらりと登場するんですが、マンガの中でレギュラーキャラとなって巨人くんと仲良しだった3人が、原 辰徳氏・中畑 清氏・江川 卓氏。‥‥‥‥‥‥ 時代が ‥‥‥(大笑)。江川氏が現役退いてもうどのくらいになるよ? 中畑氏は国際大会(オリンピック)で監督代行を務めるまでになったし! 原氏なんて、現在の監督だよ!?
他にも、堀内 恒夫氏が現役最後の年だったり、桑田 真澄氏が巨人くんの後輩でライバルだったり。別のチームでは、山本(浩)氏や衣笠氏(広島)、掛布氏、バース氏(阪神)とか、全員現役。何より、あの落合 博満氏がロッテの人なんですけど ‥‥‥(巨人どころか、中日ですらない)。
ちなみにこの巨人くん、最終回が何種類かあるんですが(コロコロver.とか小学●年生ver.とか/笑)1つ目は「普通の学生に戻る」1つ目は「これからも(プロ選手として)がんばるぞ」、3つ目は「巨人くん、大リーグへ!」(え)。私が連載当時リアルタイムで見たのはこの「大リーグ」ver.だったので、すごいインパクトでした。
だって、まだイチロー氏どころか野茂氏だって、そのマンガに出てこないくらい昔の話!(野茂氏は出てたかな ‥‥‥ 近鉄で) 大体、日本人がメジャーリーグに行くなんて考えもつかなかった頃。というか、「メジャー」という言葉すら普及していなかった時代。
ある意味、すごく最先端を行っていたマンガ、その主人公でした。