The Byrds
1965.12
Produced by Terry Melcher
いやぁ4月は忙しかった・・・月末の新聞で分かった方もいるかも知れませんが
忙しさの山場は越えましたが、そろそろ監禁生活が始まりそうな臭いも感じつつ、気を取り直して、久々にバーズでも書きます
さて、フォーク・ロック元年を演出したバーズが、完全に時代の寵児となれたのがこのアルバムのタイトル曲「ターン・ターン・ターン」の大ヒットでしょう
この年は、ビートルズの「涙の乗車券」、ストーンズの「サティスファクション」、BB5の「カリフォルニア・ガールズ」、ボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」と、サウンドが飛躍的な変化をし始めるシングルが多いですね~
さて、そのバーズのセカンド・ヒットですが、ピート・シーガー作品にビートを利かせて大爆発、、、「ミスター・タンブリンマン」時と基本路線は同じ
これはかえって彼らのプライドに発火させてしまったかも知れません
この大ヒットを、もろ手を挙げて歓迎しきれない気持もあるようで、本アルバムのリリース後、最大のメロディ・メーカー、ジーン・クラークが早くも脱退することに
一方で、デヴィッド・クロスビーがライターとしてクレジットされた最初のアルバム
マッギン、クラーク、クロスビーの3ライターそろい踏みという、貴重な瞬間でもある本作品
曲作りの過程での彼らの衝突というのは、見方によっては、すごい長所でもあったわけですよね、飽くなき追求というか
テリー・メルチャーのような若いプロデューサーだからこそ、収集つけ切れなかったとも言える初期2作は、そんなギラギラするような彼らの才能が感じられるせいか、今最も輝きのあるバーズ作品のような気がしています
① Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is a Season) Arr. P.Seeger US #1 /UK #26
タンバリンマンに負けず劣らず、聴き手の“期待感”を一気に高揚させる、素晴らしい始まり方
これは素直にテリー・メルチャーを褒めてあげたい
何といっても、この前奏からサビまでの流れ方が完璧
聖書にあるフレーズとのことで、ロック最古の歌詞という(大して意味のない)称号を頂いているこの曲
メロディをつけたのは、ご存じピート・シーガー
確か初登場はジュディ・コリンズのアルバムで、その時もマッギンがギターを担当したんですよね
バーズは、この曲の録音時も皆の意見がぶつかりまくり、何テイクも録ったんだとか
しかし、タンブリン男を上回るこの“完璧”な空気は、まさにその賜物ですよね
十分すぎるくらいにプロテスト・ソングを感じさせる歌詞と、それを目いっぱい引き立たせるボーカル
その味わい深さが、彼らを一躍“時の人”にしました
どうでも良い話ですが、僕が英語の講師をしていた時、これをリスニングの教材に使いました
「ア」と「オ」の中間音みたいな発音記号を教えるには最適の一曲です
「オッタイ」「オッタイ」聞こえますからね
② It Won't Be Wrong H.Gerst - R.McGuinn US #63
デビューからの流れに乗り、①に続くシングルという光栄に預かったのがこちら
初期自作曲の代表作
初期も初期、バンド名もThe Beefeatersと名乗ってた頃、64年作の「Don't Be Wrong」がもととなっていたそうな
よく分からんのが、作成当時はジーン・クラークのクレジットがあったらしいんですよね
ちなみに、共作者のハーヴィ・ガーストは、メンバーの誰かのペンネーム説があったくらい、目立たない地味な人ですが、実際にはマッギンの友人で、ちゃんと存在しているらしいです(笑)。
シングル・カットもうなずける、キャッチーなメロディ
さらりと見せる、巧みなテンポ・チェンジは、ビートルズに向こうを張った感じ
ファーストの⑨It's No Useもそうですが、自作曲はビートの利き具合が濃い目ですね
③ Set You Free This Time G.Clark US #79
ボブ・ディランを意識したのでしょうが、何かもう長淵ですね
イギリスでのツアー中に、ジーンが思いついた曲②のB面。
「これはバーズの方向性を決める曲だ」と感じれたほどの自信作
社会的な歌詞も相まって、初期バラードの中でもファンの多い1曲ではないでしょうか
④ Lay Down Your Weary Tune B.Dylan
やっぱり登場ボブ・ディラン
彼から、「お前らのカヴァーは一味違う」みたいなお墨付きをもらった曲らしいですが、どうなんでしょ
⑤ He Was a Friend of Mine Trad. R.McGuinn
そのボブ・ディランもカヴァーした伝統曲。
の替え歌。
中身はジョン・フレデリック・ケネディへの哀悼。
彼の暗殺は63年の11月のことですが、マッギンも仕上げたのはその日の晩だとか。(だとすると、バーズの超初期作品ということに)
同じく、ケネディに捧げられた、ビーチ・ボーイズの「太陽の温かさ」と比べ、圧倒的にストレートにケネディへの思いを歌い上げていますね。彼の死のショックの大きさが伝わってきます。
僕はこれのオリジナルは、ゴールド・ブライアーズ(カート・ベッチャーで有名な)で初めて聴きましたね
⑥ World Turns All Around Her G.Clark
これも隠れた初期代表作でしょう
印象的なギターリフがとってもキャッチー
久々にラヴソングが来たもんだから、ちょっとビックリ
アップテンポな曲にも、幽玄さ漂うハイトーンのハーモニー
この辺はバーズだけが披露できる世界ですね
⑦ Satisfied Mind J."Red" Hayes/J.Rhodes
ベースのクリス・ヒルマン所望でカヴァーした、ポーター・ワゴナーのカントリーヒット曲(55年)
⑧ If You're Gone G.Clark
これもジーンのナイス・バラード
特徴的なのは全編通して響き渡る、幻想的なハミング
マッギンの発案だそうですが、後のラーガのスタイルを思わせる作りこみですね。
⑨ Times They Are A-Changin' B.Dylan
ボブ・ディランの超有名曲
サイモン&ガーファンクルもビーチ・ボーイズもカヴァー
最近はオバマとマケインの選挙を茶化す替え歌もあったような気がします。
バーズは必殺のハイトーン・ハーモニーで爽やかにカヴァー
冒頭のハイハットと、“ちゃんちゃん”みたいな終わり方が、何と言おうか「まともにカヴァーする気はねーぜ」って主張のように思えます
⑩ Wait and See R.McGuinn - D.Crosby
記念すべき初のマッギン&クロスビー
クロスビー曰く、それほど貢献していないらしい
⑪ Oh, Susannah Arr. R.McGuinn
ドラムのマイケル・クラーク、やり過ぎです
ファーストの時以上に最後をボケてきました
小さい頃、ピアノをかじっていた妹が、唯一覚えたと言っていいこの曲を、しょっちゅう演奏していたこと思い出します。
最後にシングルも。
○She Don't Care About Time G.Clark
「ターン×3」のB面を飾ったこちらも紹介
ジーンの絶好調ぶりがうかがえる好曲
アップテンポの時はジーンの声を表に出さないようですが、申し訳ないですが、それは正解だと思う
ビーチ・ボーイズの「レディ・リンダ」で有名な、バッハの「主よ 人の望みの喜びを」が効果的に間奏に入ってくるところが魅力
何かで見た気がしますが、ポップスに拝借されるクラシックの作曲家ランキングでは、モーツァルトを抑え、バッハがトップらしいですね
現代音楽にも圧倒的な存在感を示す“音楽の父”
しかし、これだけの曲を書いてもB面ですもんね
普通のバンドだったら、これほど良質の曲をたくさん書けるライターは、リーダーのはずなんですが、バーズはなぜかマッギンがリーダーですからね
そりゃ不協和音も生じる訳で
こうして翌66年の春に、ジーンが脱退し、テリー・メルチャーも離れ、次のステップへと向かうことになりました
このアルバムは最初に買ったバーズのアルバムで大好きです。
ジャケと共にエバーグリーンってやつです。
表題曲の爽やか度&解放感は最高ですね。
1stはスタジオ・ミュージシャンを使っていたらしいですけど、2ndだとかなりオリジナルな要素が出てきましたね。
ただ僕にとっての最高傑作はFifth Dimensionなんですよね~。
バーズのファッションってぶっちぎりでカッコいいですよね。おしゃれなジャケです。
そうそう、スタジオ・ミュージシャンのこと書けばよかったですね。
ちょっとビート感に違い感じますし。
Fifth Dimensionですか!
僕はソフトロック色強い好みを持ってますので、その次くらいですね
また書けるようにします。
この2作目も素晴らしいアルバムですよね♪
このアルバムは前作よりも明らかに完成度が高くなっていると思うのですが、ちょっと地味な(?)印象がありますね。
バーズといえば次作以降のドタバタした印象が強いせいでしょうか(笑)、どちらかといえば3、4作目を聴くことの方が多いかもしれません。
でも、しばらくこのアルバムを聴いていなかったので、久しぶりに聴きたくなってきました♪
これから二度寝した後に聴いてみます!(笑)
分かりやすすぎるぐらいに第一段階終了なアルバムですよね
僕はやっぱ4と5を聴きこんだ方です。ナイス・サイケだと思います。
が、最近は1と2の方が好きですね。
イントロが印象的ですよね。
ミスタータンブリンマンもいい曲ですよねー♪
でも脱退しちゃった人がいるんですかぁー、残念・・・。
他にもいろんな曲があるんですね。
その2つの特大カヴァーヒット曲のB面書いてるメンバーの脱退ですからね。どえらいことだったと思いますわ。