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本と音楽とねこと

シングルマザー、その後

黒川祥子,2021,シングルマザー、その後,集英社.(12.9.2022)

 シングルマザーの貧困は、子どもが経済的に自立したあとも続く。
 この国は、シングルマザーを、「死別者」と「離別者」に分類し、前者を優遇し、後者を「罰して」きた。たとえば、「死別者」には遺族年金が支給されるが、「離別者」は年金はもちろんのこと子どもの養育費さえ保障されない。
 この国は、夫の暴力や虐待から逃れ、自立して生きていこうとする女を憎み、罰する。理不尽な仕打ちに耐え忍ぶ女性は、国民年金の「第3号被保険者」として扱い優遇する。
 クソのよう、というよりクソそのものの国、それが日本である。

雇い止めや学校の一斉休校、家庭内トラブルの増加。
コロナ禍で一層、シングルマザーの生活困難が深刻になっている。
「早く子育てから解放され、自分の人生を謳歌したい」。
だが、将来を夢見て耐え忍ぶ彼女たちを待つのは、一層苛酷な現実だった……。
子どもを何とか自立させたものの、雇用や社会保障から見放された双肩には老親の介護がのしかかる。
調停マニアの前夫と戦う女性やセックスワーカーなど、国から見放された女性たちの痛切な叫びに耳を傾け、制度の不作為を告発するルポルタージュ。

目次
はじめに
第一章 子育ての後に、待っていたもの   
第二章 一九八五年──女性の貧困元年
インタビュー 一九八〇年代以降の無策がシングルマザーを苦しめている 宮本みち子(千葉大学・放送大学名誉教授)
第三章 老後などない 
インタビュー 福祉は恵んであげるもの、という誤解 神原文子(社会学者)
第四章 世界はシングルマザーをどう見ているのか  ──フランスと韓国の場合
インタビュー 日本のシングルマザーはなぜ、ワーキングプア状態に陥るのか 畠山勝太(比較教育行財政/国際教育開発専門)

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