革でゆるりとカバンでも作ろ

革の職人の日記。革の手縫いのこと、ものづくりのこと、日頃思ういろいろなこと。
小さな町家の工房からお送りします。

変化

2009年08月10日 19時01分32秒 | Weblog
変化するものと、変化しないもの。

一昨年の春に僕を苦しめて「うつ病」を引き起こした出来事。

その人の行った事に対する悲しい気持ちはいまでも変わらずにこの胸で疼いている。

その人を心から信じてやまない信頼もやはりこの胸の中で息づいている。


以前はその人の事を考えるだけで

気持ちが萎え、生きる気力を失った。

自己矛盾を引き起こし、悲しみと憎しみと絶望と自己否定が同時に渦巻いて

僕をうつ病へと引き戻した。


今はどうなんだろう。

やはり彼女の間違いと自分の間違いに心が揺らぐ。

でも死に近づくほどの自己否定はしなくなった。


この地にたどり着いた時と同じく

今でも「ここで野タレ死ぬ」つもりでいる自分がいる。

いつも心の底で「死」を受け入れようとしている。

一刻も早く「死」が来ないか待ち構えている。

でも、今は自分から「死」に向かっていこうとしてはいない。


この地での癒しや温かさに触れて、

少しだけ未来にも踏み出した。

でもそれは人が思うほど積極的な歩みではない。

ここで小さく息をするだけのほんのわずかな試みでしかない。


それでもたぶん、変化はしている。

痛みは薄れ、和らいでいる。

その人に対する痛いほどの焦燥感は消えた。

それでも伝えたい事はある。

わかってほしい事はある。

彼女が言うように「すぐにはわからない」のかもしれない。

でもやはり「すぐにわかるべきだ」と感じる。

独りよがりな言葉だと感じているのかもしれない。

でもきっと独りよがりなだけではない。

人として。子供として。親として。

わからなければならない事だと思う。

それは今も変わらない。

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