革でゆるりとカバンでも作ろ

革の職人の日記。革の手縫いのこと、ものづくりのこと、日頃思ういろいろなこと。
小さな町家の工房からお送りします。

頑張らずに前に進む方法

2009年04月27日 12時11分22秒 | Weblog
今月4日から12日まで個展を開いた。

そして同じ今年9月にも個展を開く。

新作をたくさん作るというのではない。

革カバンの製作をはじめてすぐに「食べて」いかなくてはならなかった。

新しい仕事で食べるのは普通4~5年はかかる。

それも下請けの仕事からコツコツとはじめるのが普通だと思う。

グラフィックデザインをしていた時は

最初小遣い稼ぎのつもりの小さな仕事が膨れ上がって

独立しなくてはならなくなった。

あの時もそれほどデザインが上手かったわけではない。

時代はバブルの終わり頃で時代の後押しもあったと思う。

28歳で独立することは、どちらかというと早い方だろう。


今はあの時の逆。

年齢はすでにアラフォーを過ぎて、体力も知力も下降線。

時代は前代未聞の大不況で、しかも選んだのは不況の時代には売れない革カバン。

あと残るものはこれまで人生を歩んで来た「経験」だけ。


デザインやプランニングの仕事で培ったのは

絶対的な「お客様の視点」の持ち方。

デザインでもプランニングでも最終目標は「集客」と「売上」。

どんな大きなイベントでどんなに予算を使っても

お客様が来なければ失敗。

どんなに画期的なすごい新製品でも

売上が上がらなければ失敗。

それが広告やセールスプロモーションの世界。

大手代理店や大手企業はお金をかけ有名なタレントを使って

「集客」や「売上」を図るけれど、

僕が最後にしていたのは予算のない中小企業の仕事。

もちろん大企業が相手の仕事でも同じ考え方だけど

とことん「お客様」の目線でものを見ることが成功につながる。

「集客」も「売上」も達成できなければフリーのクリエイターなんて

すぐに仕事がなくなる。

でも大手企業の中にはただ「予算を使い切る」とか

「上司に媚びる」とか「得意先の顔色を伺う」ことしか

考えていない人たちもいる。

そしてそういう仕事は「目先」の数字は上がるかもしれないが

「継続性」も「本質」もどこかにいってしまう。

つまり「お客様の視点」にはなっていない。

だから先細りしていつか消え去る。


今は革のカバンを作っている。

だからお客様とはいつも顔をあわせる。

ごまかしのきかない仕事。


うつ病で踏ん張りは効かない。

だから出来ることは毎日坦々と前に進むだけ。

失敗にくじけない、と言いたいが、やっぱりくじける。

でもそれでも前だけ見る。

後戻りしない。


今日はこうしよう。

毎日それだけを考えている。

さて、ちょっとは前に進んだろうか?

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