9月2日,かつて3D Realmsでリードデザイナーを務めていたジョージ?ブロウサード(George Broussard)氏が,Twitterでなんの前触れもなく“羽根の生えたブタが飛んでいる画像”へのリンクをツイートした。これにより,14年以上にわたって開発が続いている形となっている「Duke Nukem Forever」について,“実は開発は終わっているのでは?”というウワサが上がり始めた。ジョージ?ブロウサード氏がツイートで貼り付けたブタの画像 実は4年ほど前,ブロウサード氏は米国のゲーム情報サイト「1UP」のインタビュー中で「ブタが飛んだときにゲームはリリースされる」という意味深なメッセージを出していた。つまり今回の行動は,本作の開発に何らかの進展があったことを匂わせていると考えられるのだ。 「Duke Nukem Forever」といえば,筆者の連載「Access Accepted」の「第218回:さよならデューク ? 「Duke Nukem Forever」の歴史」および「第219回:どうなるデューク? マッチョヒーローを巡る攻防戦が激化」で詳しくレポートしているように,3D Realms関係者が1996年以来“ダラダラと”としか言いようのない期間を費やして開発を続けている3Dシューティングゲームだ。その間,何度も開発中止の憂き目に合いながらも,ある意味綱渡り的な(?)ビジネス戦略で,新しい資金提供元を見つけては危機を乗り越えてきた。 しかし「一度はDOOMやQuakeに対抗するほどの名シリーズだった」という本作のブランドのみに頼る形となっていた3D Realmsは,2009年に最後の販売提携先だったTake-Two Interactiveとの関係が悪化。3D Realmsはついに閉鎖してしまった。 そしてその後は,Duke Nukemシリーズの版権がどこに帰属するかで裁判沙汰になっており,Take-Two Intertactiveは「Borderlands」などで知られるGearbox Softwareに,Duke Nukem Foreverとは別の新作「Duke Nukem Begins」の開発を依頼していたのだが――。 今回のブタの飛翔が実際に何を意味するのかは,ブロウサード氏ら一部の関係者にしか分からないだろうが,3D Realmsは2009年の閉鎖のタイミングですべての開発者を解雇している。現在はブロウサード氏と社長だったスコット?ミラー(Scott Miller)氏によって社名だけが管理されている状態であり,とてもじゃないが販売に漕ぎ着けるだけの余力があるとは考えられない。ひょっとしたら,Take-Two Interactiveとの間で何らかの決着があったという意味なのかもしれないが,ファンはしばらく事の成り行きを見守るしかなさそうだ。