今回のテーマは、漫画誌に見る男女の恋愛観の違いです。
少年漫画と少女漫画、
少女漫画はその黎明期から、一貫して恋愛がテーマでした。
そして今でもそれは変わりません。
対して、少年漫画はどうかといいますと…恋愛などというテーマは、ストーリーのホンの些細なファクターに過ぎず、刺身のツマのような扱いでした。
昔は硬派だったんですよ。
しかし、20年ほど前、突如として軟派になり、「ラブコメ」というジャンルが一大勢力として版図を広げ始め、
今では、一つの漫画雑誌には、必ず幾つか恋愛をメインのテーマとしている作品が連載されている状況です。
スポコンやバイオレンスがメインの漫画でも恋愛というファクターは、かなり重要で、それなりのページを割いて描かなければならなくなっています。
少年誌のグラビアといえば、野球選手等のスポーツ選手、戦車、戦闘機、スポーツカーなどのメカ…と相場が決まっていたのが、
その頃から、アイドルが水着で笑顔を振りまくようになりました。
さてその「ラブコメ」漫画には鉄板ともいえる設定、シュチュエーションがあります。
少年漫画なら、さえない平凡な少年が学園のアイドル的な美女に恋をして、艱難辛苦を乗り越えた末、彼女の心をゲットするまでを描くというモノ。
少女漫画でも、さえないチンクシャ少女が学園一のイケメンスポーツマンに恋をして、恋仲になるまでを描くというモノ。
このノリは、読者層の動物的欲望を満たすだけのモノ…という意味で、
非常に不健康とも言えるんですが…、それだけに非常に人気が高い、まさに鉄板ネタです。
この二つは同じ物の裏返しでよく似ているんですが…一部分だけ大きく異なる部分があります。
ソレは…少年漫画の主人公は彼女の心を努力の末勝ち取るわけですが…、
少女漫画のイケメンは最初から主人公の少女の事が好きだという事。
少年漫画の主人公は誰よりも彼女のために尽くして、感動させて彼女の心を動かすわけですが、
少女漫画のラブコメには、主人公の他にも、もっと彼のために尽くす美女が、脇役で出てきたりします。
しかしながら、何故か彼は平凡な主人公と仲良くなり恋仲になります。
少年漫画の恋のライバルは、本当のライバルで、油断していると彼女の心を奪われてしまうのですが…、
少女漫画の恋のライバルは、二人がくっ付くのを邪魔するだけの役回りとして存在します。
なんたって、最初から彼は主人公のことが好きなんですから…主人公が知らないだけで…^^/
(N○Kの朝の連ドラ、「ウェル○め」もそんな感じだな~と思っていたら…案の定、脚本が女性の方でした^^/)
この違いは一体何を意味しているのでしょうか?
ここには、男女の恋愛に対する見方の違いが隠されているのではないでしょうか?
つまり、
男性にとっての恋愛は
努力次第、
女性にとっての恋愛は
運命次第
ということではないでしょうか?
実際のところ、
男性は、自分のことが好きだと言ってくれる女性を好きになる傾向があり、
出会った当初、それほど魅力的だと思っていなかった女性でも、
好き好き光線出しまくりで寄って来て、何かと世話を焼いてくれたりすると、いつの間にか好きになってたりするようです。
対して、
女性は、好きでもない男性に言い寄られるのが、あまり好きではない。
自分のために何かしてくれるのは、うれしいが、それによって恋愛感情を持つなんてことはない。
出会った時に下した、男性に対する評価は、何か親切にされたとしても、ほとんど変わらないそうです。
人間というのは不思議な生き物で、何事も自分を基準に考えてしまう傾向にあります。
自分が普通、平凡、平均点、一般人だと思い込んでるんですね。
実際には、皆、結構個性的で、かなり違っているのですが、何故か同じだと思い込んでいます。
その流れでしょうか、恋愛漫画も男女共自分と同じだとの「思い込み」(?)によって製作されているようで、
少年漫画では、女性を口説くのは努力次第。
少女漫画では、好きな男性との恋は努力よりも運命。
読者の性別がある程度限定される世界なので、この方がわかりやすく、ヒットしやすいのでしょうが…、
双方とも間違ったメッセージを世間に流布してしまっています。
男女の交際の心理的なすれ違いを助長こそすれ、解決の助けには全くなりません!(ホントか?)
女性の皆さん、彼の心はあなたの努力次第です。
頑張ってください。
男性の皆さん、今彼女に貢いでるお金と時間と労力は全くの無駄です!
今すぐ打ち切って、別の女性にアプローチしましょう!
女性の皆さん、ラブコメは少年誌を読みましょう。
男性の皆さん、少女漫画を読みましょう。
とっても苦痛でつまらなく感じますが、それが現実です。
「良薬、口に苦し」デス
先日、話題になった山○主演の「ブ○ービート」、相武紗○さんのくだりを見て、
うわ!レディースコミックかよ!…とか思っていたら、案の定、脚本が女性の方でした…( ゜∀゜)/アハハー。