ジプシーのチョコレイトBOX

人生はチョコレイトのように甘くほろ苦い・・・人生ってなんとかなるって思ったら、きっとあなたに人生の方がついてくるわ  

連載「「ちびジプちゃん」第9回

2010-01-06 23:19:12 | 読み物
幾多の試練を乗り越えて、連載第9回。
最近のハイテク幼稚園では、
暖房があるところも多いらしい。


しかし、我がジプちゃんの幼稚園では、
ストーブしかなかった。
まあ、今からOO年前のことだから
仕方がないのである


冬場になると、ジプちゃんたちは、
プラスチックじゃなく、
金属で出来たお弁当箱を持って
いかなければならなかった


なぜなら、職員室のストーブの周りにおいて
あっためてもらうからである(笑)
もちろん、この頃、電子レンジなどないし、
耐熱のプラスチックの弁当箱も
まだ登場していなかったのである(笑)


ある日、いつものように
先生にストーブの周りにお弁当を
並べてもらったジプちゃんは
お昼休みを心待ちにしていた


ジリリンかどうかは忘れたが、
チャイムが鳴った!!
みんな、ストーブの周りに殺到した


まるで、西武が優勝したときの
西友のようである。

ジプちゃんは 一歩出遅れてしまった
先生は次々とアツアツのお弁当を配る


ジプちゃんのお弁当は、その日、
ストーブの火の一番近いところにあった
ジプちゃんの手にお弁当が渡ったのは
一番最後であった
・・・・・遅かった。

ジプちゃんお気に入りの
「みなしごハッチ」のお弁当は(笑)
黒こげであった


先生の、
「ジプちゃん!!!ごめんね!!」と
必死で謝る声も遠く聞こえる


ジプちゃんは真っ黒になった
ウインナーを涙を流しながら
見つめていた。
お弁当箱がこげたから泣いたのか、
ウインナーが食べれなかったから、
泣いたのか。


しかし、翌日には
新しい、「アンデルセン物語」の
お弁当箱を持って
昨日のことなど忘れたように、
にこやかに幼稚園に向かった
ジプちゃんであった。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿