前回投稿分>プラスチックは天使か悪魔か 第二章 「環境ホルモンの意外な摂取経路」
今回は環境ホルモンが及ぼすリスクの中でも大きく2点記してみる。
また余談として前章で記しきれなかったこと、
そして次章の前置きについても記してみる。
<私が憂う2大リスク>
1)女性の乳癌
前章で紹介したビスフェノールは乳癌に関わる環境ホルモンの一つ。
このビスフェノールはプラスチックを柔らかくするために用いられる。
柔らかいプラスチックは身の回りにあふれていることと思う。
昔はゴム製品だったものに置き換わり今ではゴム製品を見ることの方が稀。
ゴム製品は寿命の判断が難しく使える温度範囲が狭かった。
なにより有害物質を含んだものが多かった。
それらは健康被害を発症するまでが比較的短時間だったため対策が進められた。
そこで製造コストが安く寿命・温度範囲に優れたプラスチックに置き換わってきた。
ただしゴムより長期間にわたって健康をむしばむため原因特定が難しい。
これが環境ホルモンの実態を見えにくくさせている。
現在日本人女性の9人に1人が乳癌を患うリスクがあると言われている。
また欧米では6人に1人と言われている。
一度話がそれるが、
欧米と日本の差は食生活や生活習慣が関わっていると考えられている。
どうやら納豆・豆腐・豆乳などの大豆イソフラボンが関わっているようだ。
大豆イソフラボンは乳がんリスクを減らせると言われている。
ただし閉経後の女性で健康を害した症例がある。
このケースでは推奨された量を超えてサプリメントを服用したためと言われている。
何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」である。
話を戻して、
30年くらい前の乳癌発生率は20人前後に1人と言われていた。
この30年で一体なにがあったのだろう。
現代社会のストレス過多が様々な病気を引き起こしたという意見がある。
間違いではないだろうがストレスを犯人扱いしても問題が解決するようには見えない。
現代人はことさらストレスを気にして生きようとしている姿が見えるからだ。
だとしたら答えは、
「環境ホルモンの摂取確率が増加している」
ためだろう。
工業製品・工業製造品の縮図は自動車と言われている。
1970年より前の自動車は金属が多用されていて樹脂部品は今より少なかった。
バンパーも昔は金属、内装品もあっさりした感じだったのを覚えている。
1980年代になると急速に樹脂部品が多用されるように変わってきた。
それと呼応するように家庭内のものもどんどんプラスチック化していった。
陶器や磁器の皿・コップ、ガラス瓶に入っていた飲料はペットボトルに置き換わった。
物心付いた時期が1980年以降の人は昭和時代を見たら驚くことだろう。
それほどプラスチックは急速に身の回りに普及していった。
癌治療は進化して予後10年生存率は向上している。
だが乳癌など数種類の癌については別だ。
特に乳癌は脳に転移しやすい特殊な癌の一つといえる。
乳癌の癌細胞は血液中に入り体中を巡り脳にある血液脳関門をすりぬける。
(血液脳関門=脳に障害を与える物質を通さない言わばフィルター)
少子化対策が叫ばれている今、政府が考えるべきは子育てしやすい環境だけはない。
女性を乳癌から守る政策も必須だと思う。
単に人口が減るという経済論的な話だけでない。
大切な人を失うのは何よりも避けたい、避けるべきことだろう。
2)不妊
「草食系男子」と言うキーワードを聞き始めてから久しい。
実は先の乳癌に関わるビスフェノール、
これらを始めとし幾つかの環境ホルモンが関係している。
ビスフェノールは女性ホルモンであるエストロゲンに似ている物質。
そのため女性ホルモン過多のように振る舞う。
そのため前述のように乳癌が増える。
そうでないケースでも女性の男性化、悪化すれば凶暴化につながる。
ここまで記せば勘の良い人はお気づきだろうが、
「男性の女性ホルモンが過多になると女性化する」
「精子減少が起きやすくなる」
「男性更年期障害が増える」
私はこれが草食系男子の正体だと思っている。
上記した通り悪くはたらけば精子減少>不妊・男性更年期障害の一因になるのだろう。
ここ数十年で不妊治療が脚光を浴びてきている。
女性の晩婚化・不妊治療の進歩にも要因があるだろう。
ただ精子減少や男性更年期障害の増加は環境ホルモンによるところも大と思う。
この点からも少子化対策が叫ばれている今、
政府が考えるべきは子育てしやすい環境だけでなく、
環境ホルモン対策に目を向けるべきと思っている。
<前章で記しきれなかったこと>
内容を盛りだくさんにしても頭に残らないと勝手に判断して、
前回ラップ・フリージングバックについて割愛していた。
これらの主な素材はポリエステル、ポリプロピレン。
これは環境ホルモン的に100℃以下の低温下では無害とされている。
(ただし環境負荷にはなる)
問題は添加物として他のプラスチックを混ぜて作られた製品。
有名ブランドメーカーほど使いやすさ他社との差別化のため混ぜものが多い。
全てが人体にNGではない。
ただ、そういった製品には環境ホルモンが混ざっている可能性がある。
大手メーカーでは環境ホルモンを考慮した素材を使っていると公表している。
それについては一応信じるとして、危惧すべきは大手メーカーの模倣品。
大手メーカーの新素材と同じもの言っても環境ホルモンに配慮しいる保証はない。
ラップやフリーザーバッグの多くの謳い文句は、
「電子レンジでそのままチン!」
配慮の足りない素材で作られた商品を高温にさらしたなら、
環境ホルモンが溶け出して食材に染み込むことはほぼ間違いない。
得体の知れない海外製品や出どころが定かでない製品は危ない。
少なくとも素材を確認したほうが良いだろう。
<次章へ>
次章をもってひとまずプラスチックに関する話は締めくくる。
そんな次回のテーマは、
「環境ホルモン、どうすればいいのか私はこうしてる」
を予定している。
<追伸>
ここまで偉そうな能書きを記してきたわけだが・・・
かくいう私もプラスチックの恩恵を受けている。
ただ残念なことにプラスチックの殆どは「悪魔だ」
人には無害でも他の生命には害がある。
それは回り回って人に返ってくる。
だからと言って、
「いついつから一斉にプラスチックを使うのを止めましょう!」
とはならない。
と言うか現実的ではない。
でも多くの人が自身が思っている以上の対処をしなければ私に見える将来は、
「暗い」
まぁ私なんぞは持病が思いつくだけでも6つくらいあるわけで・・・
あと10年も生きられるかどうか分からないので・・・
正直他人のことを気遣っている場合か?
って感じなわけだが。
「将来が明るくないのは嫌だ」
何より目を閉じて耳をふさいで臭いものに蓋をするのは潔くない。
実子はいないが子供同然に成長を見守った姪や甥もずっと近所にいる。
やはり将来は気になる。
だからこそ、本投稿が1人でも次代を担う人の考える種になればと願っている。
<過去記事>
プラスチックは天使か悪魔か 第一章 どんなプラスチックが有害か
プラスチックは天使か悪魔か 第二章 「環境ホルモンの意外な摂取経路」
【最後まで戯言にお付き合い頂きありがとうございます】
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