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アカガメ号航海記

週末は、ヨットで気ままにどんぶらこ!

ジェシカ・ワトソン『ジェシカ16歳 夢が私に勇気をくれた』

2014年02月08日 | 海本コーナー
ジェシカ・ワトソン『ジェシカ16歳 夢が私に勇気をくれた』
~TRUE SPILIT by Jessica Watson ~


いつもの本屋(ジュンク堂盛岡店)をブラブラしていたら、さりげなく書棚に置かれている本書を発見!
ひさびさのヨット本、即購入。ヤッホ~。


オーストラリアの、弱冠16歳の少女?が、単独無寄港世界一周という夢を叶えるまでを記録した、フレッシュな航海記。
やっぱり、その人最初の「航海記」はいいなぁ!日本なら堀江謙一さんの『太平洋ひとりぼっち』、白石康次郎さんの『七つの海を越えて』、外国ならタニア・アービー『タニア18歳 世界一周』や、ニコレット・ミルンズ・ウォーカー『アジズ号とわたし』などなど、真摯な意気込みとミズミズしくスガスガしい読後感が共通してる。特に、このジェシカさんはなんと16歳!しっかり者で、将来はヨットに止まらず、広い世界で活躍するでしょう。今後の成長が楽しみ!
訳もよくて読みやすい。訳:田島巳起子さん。

以下、メモ。
よい本だったので大量。
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p13 海の持つとてつもない影響力とは何なのか。…。(『マスト アンド セイル イン ヨーロッパ アンド アジア』H.ワリントン・スミス より引用)
p23 (ヨットレースのコツに気付いたときのこと)「でも、ある穏やかな日のこと、もっとうまく動けるようになるコツは、もうちょっと計画性を持ち、技を身につけ、そして根気強くなることだと気付いた。うまくなってくると、ポジション争いができるまでになってきた。」⇒やっぱりそうか…。わかっちゃいるけど、ネ!
p26 (家族でオーストラリア東海岸をクルーズしていたときのこと)「家族全員が最高の場所だと思うのは、リザード島だ。ヤシの木が海岸に立ち並び、サンゴ礁の海を持つ、息をのむほど美しいトロピカルパラダイスだ。」
p31 「ケイ・コティの『ファースト・レディ』を何度も繰り返し読んだ」(補足:女性で初の単独無寄港・無支援で世界一周を成し遂げた人。)⇒読むべし。
p31 「ジェシー・マーティンの『勇敢な人』も何度も繰り返し読み、」…⇒読むべし。
p33 「著書『勇敢な人』の終わりで、ジェシーはこう言っている。「僕たちは、周りの人々を勇気づけたり、助けたりしなければならない。どんなことでもいいから夢を持っている若い人たちに対しては、それが特に必要。すると、素晴らしいことが起きるのを目にするだろう。…、彼らを信じで励ましてほしい。その人たちが「人間の持つ最も重要な財産の一つ」を失わないように。そう、「夢見る能力」を。」⇒感動した!(古いか。)
p38 「オーストラリアの最南端にあるウィルソンズ・プロモントリー灯台。私の「また行きたい場所リスト」に間違いなく入るところ。」
p42 (スポンサーを捜すため)「…聞いてくれる人にならば誰にでも話をし、たくさんの質問をした。何らかの方法で助けてくれるんじゃないかと思える人には、手紙を書いた。クイーンズランド州首相、アンナ・ブライにまで、若い冒険家が利用できる助成金があるかどうかを確かめるために手紙を出した。首相の代わりに政策顧問の一人から返事が来た」⇒白石康次郎さんみたい。
p42 「…この旅に出るためにとても重要な人物がブルース・アームズだ。一生を航海に捧げてきた人。…」
p48 (オーストラリアの最も経験豊かな船乗りの一人、ドン・マッキンタイアの言葉)「…。オーストラリアにはヒーローが必要。そう、冒険家のことだ。…」
p49 「私は、オーシャンズ・ウォッチのCEOであり、アジア・太平洋地区のプロジェクトリーダーであるクリス・ボーンに連絡を取った。」⇒白石康次郎さんみたい。
p51 「…理想の船リストを最初にまとめたとき、私はS&S34を思い描いていた。…」
p54 マイク・パーハム(オープン50 トータルメモリー.com号で2008年に最年少単独無支援無寄港の世界一周に挑戦した人物)
p62 「十分に考えた後に決断をするなら、それが間違っていても、少なくとも後悔はない」(ドン・マッキンタイアの言葉)⇒正しすぎる…。
p71 「彼らは、どんな冒険でも、準備をきっちりすることの大切さを強調し続けた。ジェームス(・キャストリション)とジャスティン(・ジョーンズ)は、自分たちの記録的な功績の四分の三は、出発する前に成し遂げられていたの言っていると。ピート(・ゴス)も同じことを言っていた。どのレースでも、8割はレースが始まる前に勝ちが決まっていると。」⇒…はーい。
p76 ピーター・ニコル著『ボジャージュ フォー マッドメン』⇒ナイスなタイトル、読みたい。
p105 「いまから20年たったら、君は、それまでにやったことより、やらなかったことを後悔するだろう。だから、自分を縛るものから自由になって、安全な港から海へと漕ぎだそう。帆にいっぱいの風を受けて。そこにあるのは、冒険、夢、そして発見。 マーク・トゥエイン)⇒定番のセリフ、今一度胸に刻もう。
p114 「父はいつも言っていた。問題には正面から取り組み、決して先延ばしにするなと。」⇒はーい…。
p145 「赤道の熱帯無風帯を単独で航海するのは、画期的なこと。船乗りたちが語り継ぐ伝説の場所の一つ。…サミュエル・テイラー・コールリッジが書いた『老水夫の歌』が有名。これはこの無風帯の本質を描いたもの」(⇒本文に全文記載あり、割愛)
p176 「しあわせ眼鏡」「この私の楽天的な考え方」⇒やっぱり、ジェシカはどこか白石康次郎さんと似てる。
p249 「小さなヤンマーのエンジンは、その能力を証明してくれた。バッテリーをチャージしたら、まず点火しなかったことがない。…。エンジンで必要な唯一のメンテナンスは、迅速なファンベルトの締め付けと、時々、船尾のグランド(パッキン?)に潤滑油を吹きかけること。それから、先週は、燃料フィルターから少量の水を排出する必要があった」
p275 「マイク・パラムの本『セーリング・ドリーム』が、今日、イギリスとオーストラリアで発売になった。…この本は読む価値がある!」⇒読むべし!
p288 ジェイミー・ダンロス、事故で四肢麻痺となった後も、2000年のパラリンピックのソナークラスで金メダルを取ったヨットマン。「ジェイミーは自分のホームページでこう言っている。「何が起ころうと、人生は続く。それをどう考えるか、それこそが重要なことだ」
p295 「今日はトリムをして順調に航海するために、重りになっている水とディーゼル燃料をたくさん使って、船首と船尾のバランスを戻す作業をした。」⇒前後のトリム、長距離では重要なんだろうなぁ。われらがモサ号も、調整をやっぺし。
p305 「べサニー・ハミルトン(サメに左腕を喰われてから1月後に海に戻った、14歳のサーファー)の大好きな言葉がある。「勇気、犠牲、決断力、約束、強さ、心、才能、ガッツ。これで女の子はできている。シュガーとスパイスなんていらない」
p318 (シドニー帰港間近になって)「風向きが変わった瞬間に、陸地の、故郷においがしてきた。」
p322 (世界一周を成し遂げた後、)「何人かの人から、ピンクレディ号と私が、その人たちが昔にあきらめてしまったことに挑戦する後押しをしたと知らされて、とてもうれしかった。」
p327(航海を終えて、自分が変わったと思うかとの問いに対して、)「物おじしなくなった」「キャーキャー叫んで、クスクスと笑う、反応の大きな人になった」「一つに絞るならば、人生や自分のことを、あまりにも真剣にとらえすぎるなということ。航海で楽しむことの大切さを学んだのだ。当たり前のことかも。」
p329 「…。だけど、私には「願い」は必要ない。私には、夢を見る能力がある。これこそが、すべての人が「願い」や「夢」を現実にするために必要なこと。」
p329 「あなたに流れ星は必要ない。だって、自分でその願いを叶えることができるから。」

以上








白石康次郎『精神筋力』

2012年10月23日 | 海本コーナー
白石康次郎『精神筋力』

尊敬する白石さんの最新刊。
相変わらずの前向きさ、行動力、誠実さ!
最近はヨットレースこそ出場していないないので新しいヨットネタはなし。でも、同じネタについて書かれた文章でも、ちょっとずつ表現が変わっていて、読むたびに新しい発見がある。
これは書き手の白石さんが成長しているからだと思う。
読み手に「成長したい!」と思わせる一冊。
がんばらねば…。

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p4 (まえがき)…天才は創り出すことはできない。生まれて来るものなのだ。何かが少しだけ得意、という一般的な人間は、むしろそれ以外の「思わぬこと」のなかに運があるかもしれない。
p21 自分のわからないことは、それをよく知っている人に会って話を聞くのがいちばん。…「この電車、どこまでいくの?」父の答えはこうだ。「あそこに駅員さんがいるから聞いてごらん」
p65 「とにかく船検をとおさないと始まらないので、『すみません、どうしてもこの船でレースに出たいので、どのようにしたら船検が通るか教えてください。』と言え」(多田雄幸)
p73 「でも先生、この刀、ここにちょっと傷があるんですよね」間髪をいれず、先生はこう言った。「白石君、君にもホクロがあるだろう。そのホクロでお前の価値が下がるのか!」
p86 宮本武蔵の『五輪書』、『マンガ仏教入門』(大和書房)
p134 「母の席に座ってください」、『心に響く小さな五つの物語』
p138 「三年かけてただ練習するより、三年かかってもいいからよき師匠を選びなさい」
p156 (アンパンマンのマーチの白石流解釈あり)
p172 僕のカバンにいつも入っている、宮本武蔵の『五輪書』水之巻
p180 「若いうちは生意気でもいい。素直にまっすぐぶつかっていけ!」これに尽きる。
p185 大切なことは 大志を抱き それを成し遂げる 技能と忍耐とを 持つことである その他は何れも 重要ではない (ゲーテの言葉)
p190 「この湖、なんでこんなにきれいなのかわかるか?内側からきれいな水が湧いているんだ。だから雨が降っても濁らないで、いつも澄んでいる。人間も同じだよ。内側からのきれいな水が止まると、あっという間に周りから泥水が入るぞ。君たちも泥水に染まるな。内側からきれいな水を出しつづけろ」 そう言ったら、後ろで聞いていた大人のスタッフがいっせいに下を向いてしまった。
p198 「僕には両親がいる。僕の親にも二人の両親がいる。その親にもそれぞれ親がいて、10代遡ると1024人になる。じゃあ、20代遡ると何人になると思う?すごいよ、100万人を超えちゃうんだから」
p201 (子どもに「夢」を聞いて)「あのね、誰が職業を書けといった?僕は夢を書けと言ったんだよ。何になりたいかじゃなくて、何をしたいかをきいているんだ。…」
p204 カンフーパンダ、「素直に自分を信じ、人を敬うものこそ大きなことを成し遂げられる」
p212 「ずる賢いやつは好きか?」「お前、恥ずかしくないか?」
p238 僕はヨットを通じて、東洋型のシーマンシップを育てる教育をしたい。
p245 (あとがき)ヨットの魅力の一つに、自分と向き合う時間が長いことがあります。


…大人になっても成長できるよう、明日からガンバロウ!(今夜はビールでも…。)




ダーウィン『ビーグル号世界周航記』~ダーウィンは何をみたか~

2011年06月18日 | 海本コーナー
チャールズ・ダーウィン著『ビーグル号世界周航記』
~ダーウィンは何をみたか~

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あの「種の起源」を産むこととなった、ダーウィンの航海の記録。

細かいことを言えば、ベースは原本『ビーグル号航海記』ではなく、1880年に出版された「What Mr.Aarwin saw in his Voyage round the World in the Ship "Beagle"」。だから厳密には「ダーウィン著」とは言い難い、と訳者は記しているが、そんなことが気にならないほど面白い!生物の話も面白いが、圧巻は南アメリカの「未開人」の章!どんな生物よりも、やっぱり人間が面白い。
また、多数添えられた銅版画による挿絵が、当時の航海に思いを馳せる手助けをしてくれる。

子供と一緒に、挿絵を楽しみながら読みたい本。

(チャールズ・ダーウィン略歴)
1809年 意義知るのシューズベリに生まれる
1831年 英海軍測量艦ビーグル号に乗り組み世界一周の航海に出る
1836年 航海より帰る
1839年 「航海記」出版
1858年 ロンドンで「進化論」発表
1859年 「種の起源」出版
1882年 73歳にて歿す

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p74 (南アメリカの未開人の集落で)「ある日生まれたばかりの子供に乳房をふくませていた一人の女が、船のそばへ来て、ものめずらしげにたたずんでいた。ちょうどみぞれが降っていたが、彼女のあらわな胸と、赤ん坊の裸のままの皮膚の上で、みぞれが溶けていた!…(中略)…夜になると5人か6人の人間が、裸のままかで、この荒々しい気候の風と雨に対し、ほとんど保護されずにさらされたまま、湿った地上に、動物のようにかたまって寝るのである。」
p104(チリの鉱山労働者について)チリーの鉱夫は、毎日、普通の荷物を12回―すなわち80mの深さのところから、108kgのものを担ぎあげていたし、また、そのあいまには鉱石を割ったり拾ったりする仕事に携わっていた。
p162(海洋について)限りない海洋の誇らしい壮大さとは一体何であろうか?それは、退屈きわまる荒野であり、アラビア人が呼んでいるように、それは水の砂漠である。疑いもなく海にもいくつかのよろこばしい光景はある。晴れ渡った空と暗くきらめく海と、穏やかに吹く貿易風の肌に和やかな空気をいっぱいにはらんだ白い帆を背景にもった月の輝く夜がそれであり、鏡のように磨かれた上下する水面と時折帆をはためかすほかは万物音もないまったくの無風状態がそれである。…(後段割愛(読んでのお楽しみ!)


ジャック・ロンドン『海の狼』

2011年06月11日 | 海本コーナー
ジャック・ロンドン『海の狼』

O橋さんから寄贈されたこの本、衝撃的な面白さ!
これまで文学哲学の類に触れてこなかった自分の人生を航海、いや後悔しました。

100年前のサンフランシスコ。ひ弱な評論家が乗ったフェリーが遭難。偶然助けてくれたアザラシ漁の船長「狼・ラーセン」は、冷酷無比な「超人」だった…。過酷なフネの生活の中で、ひ弱だった主人公が生長し、自立した男になっていく。大きなテーマは唯物論対唯心論、現実主義対理想主義。そして、「いったい生命」とは何なんだ???
久しぶりの、ページをめくるのがもったいない本!

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(「 」は、強靭で冷酷な船長・ラーセンのセリフ)
p56 「自分で始末をつけろ」
p57 「おまえは魂の不滅を信じるか?」
p58 「生命などというものは、発行を起こさせる酵母のようなものだ。一分か、一時間化、百年は動き続けるかもしれないが、結局最後には動きを止める。大きなものが動き続けるために小さなものを食い、強いものが力を維持するために弱いものを食う。運のいいものが一番多く食い、一番長く動き続けるだけのことだ。おまえはこれをどう思う?」
p61 「それなら、なぜ動くのか?動くとは生きることだ。動きもせず、酵母の一部でもないならば、希望がないということもなくなる。だが実際は、生きて動かねばならない理由などないのに、われわれは生きて動くことを望むのだ。あいにく、生きて動くのが生命の本質であり、生きて動きたいと望むのも生命の本質だからだ。そうでなければ、生命は死ぬ。おまえが自分の不滅を夢見るのは、お前の内にあるこの生命のなせる技なのだ。お前の内なる生命が生きているから、その生命が永遠に生き続けたいと望むのだ。くだらん!不滅の強欲だと!」
p252 「おれは、理性の価値を疑うことがよくある。夢の方が中身があって満足も大きいに違いない。感情的な喜びの方が、知的な喜びよりも充実しているし、長続きする。その上、瞬間的な知的喜びに対しては、憂鬱になることで代価を支払わなければならない。感情的な喜びの後にくるのは、すぐに回復する感覚の疲労だけだ。おれはお前たちが羨ましい。」
p406(解説)狼ラーセンは、メルヴィルのエイハブ船長やコンラッドのノストローモに匹敵する
p406(解説)1913年から57年の間に実に7回も映画になっている。…、ごく最近では93年のTVムーヴィー版がある。…『シーウルフ」のタイトルで日本のレンタル・ビデオ屋にも置いてある。

『KAZI  2011年2月号』

2011年01月30日 | 海本コーナー
『KAZI  2011年2月号』

今週は海に行けなかったので、海本コーナー。
最近読んだ本のメモです。
『KAZI  2011年2月号』、いつもより内容充実!
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p29 ヨーロッパの大規模ボートショー
日本の5~10倍の規模だって。行ってみたいな。そういえば知り合いのKさん、先週久々に会ったら全身ニューグッズ。「ジェノバのボートショーで買った。向こうは安いの!」って。それまで欲しいものは我慢!?その時のために、時期と場所のリストのメモ。
・イギリス・ロンドン・1月中旬
・ドイツ・デュッセルドルフ・1月下旬
・フィンランド・ヘルシンキ・2月中旬
・オランダ・アステルダム・3月上旬
・フランス・ラロシェル・9月中旬
・イギリス・サウサンプトン9月中旬
・イタリア・ジェノバ・10月上旬
・ドイツ・ハンブルグ・11月上旬
・スペイン・バルセロナ・11月上旬
・フランス・パリ・12月上旬
p39 空飛ぶモス「MACH2」特集
。23ノット!チャンピオン後藤浩紀さん(SAILFASTってかいてあるハル)、プロセーラー脇永達也さん(白いセンターボード、HH,GORETEXって書いてあるハル)。乗ってみた~イ。でも180万…。
p68 西村一広的熱視線
ヨット王国NZのオークランドでは、平日の水曜夕方に行うシリーズレースがあるという。「この国にはいまのところ「残業する」という発想が存在しない」だって。うーむ…。この違いはなんなんだ…。
p127 ボーショトー割引券
今年も付いていた。嬉しいなぁ。
p153 なるほどインサイド
富浦漁港、不明朗な料金徴収。
クルーザーで漁港に着けるときって、なぜかいつも後ろめたい気持ちが、少しある。
もしどこの漁港にも気兼ねなく入れられるようになれば、ヨットもより楽しくなるのになぁ。こんな記事も、しっかり読もう。
p170 ハワードのCreative Cruising
メンテを自分で行うことの重要性。その通り。今年こそ。
p214 リーダーズボイス
「アーサーランサムは最高!」っていう人の意見。ランサムの12連作(岩波書店・愛蔵版)というものがあるそうな。新たに新書版も出たとのこと。江ノ島の方「スメラギさんん」。そのうち会えるかな?
p218 海の仲間のための忘年会
伊藝徳夫さんが主催。2011年も12月9日に代官山のsedonaであるみたい。

メモが長くなった…。



Kevin Wilson著『COMPETENT CREW SAIL』

2010年01月23日 | 海本コーナー
Kevin Wilson著『COMPETENT CREW SAIL』(日本語バージョン)
~Learn from the experts~

知り合いのヨット乗Kさんは、以前、カナダで「COMPETENT CREW SAIL」というサーティフィケートを取得するための講習を受けたことがあり、そのテキストを「とってもためになるから」と貸してくれた。
読んでみたら、これは基礎知識の宝庫!
クルーザーについては素人同然の私にとって、ちょうど小学校の教科書のようなものに思えた。
要点を忘れないように、ノートとりました。
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(衣類・個人装備)
・フリース素材の重ね着が最適。コットン下着は避ける。
・荒天時のオイルスキン選びの際は、「反射材」「膝パッド」「フリースの内張りのついた高い襟」等がポイント
・フリースのライナー付きゴム手袋は着脱の容易な大きめのもの
・フリースのソックス
・リギンナイフ(プロペラに絡まったシート等を切る波型の刃が付いているもの)
・マルチツール

(ウインチ)
・シートなどをクリートから外すときは、必ずウインチにシートを巻いておいてから外す
・ウインチを使えないカムクリートからラインを外すときは、少なくとも2フィート離れた部分を掴んで外す
・常に時計回りにラインを巻くこと(「の」の字)
・緩んでるライン類を引くときには、一巻きだけ巻きつける。二巻き以上だとジャムする
・シートがライディング(riding)したら、シートのセール側にローリングヒッチで他のラインを結び、これを別のウインチで引いて、シートからテンションを抜く。その上で、外す。

(メインセール)
・「ロ-チ」は、セイルの三角形の斜辺(リーチ)に付けられたパネルである
・「レージージャック」
・「ダッチマンシステム」(Dutchman sail flaking system)はシンプルで効果的
・セールカバーを畳むときは、①ハッチを閉じる ②ブームエンド側から前に移動しながらセールカバーを畳む ②カバータイは後ろから順に外す(一度に外すと風にあおられる)
・セールを揚げるハリヤードは、セールタイを外す前に、一番マスト側のセールタイの下をくぐらせて、セールのヘッドに取り付ける。そのあとウインチでテンションをかける。
・常にメインから揚げる。フォアセールから揚げるとバウを風に取られてしまう
・メインを揚げる時、バングとメインシートは完全に緩める
・メインを揚げる前に、水中にラインが浸かっていないことを確認する
・メインをおろす時は、①ハッチを閉める ②セールタイをジャケットカラーと首の間に挟むように首からぶら下げる ③メインハリヤードにノットがないことを確認 ④メインシートとバングを緩め、トッピングリフトにテンションをかける。その後メインシートを引いてテンションをかける。
・きれいにフレークするために、マストの前にブーム側に向かって立ち、両手をマストの両サイドから出すようにして、セールのラフを掴んでセールを左右に順に振り分けながら(フレークしながら)降ろす。
・ブームエンド側から、リーチを引っ張りながらセールを左右にフレーク、後ろの方から首にかけたセールタイで結ぶ。

(フォアセール(ローラーファーリング))
・どんな時も、ワーキングジブシート(風下のテンションのかかっているもの)のカーの位置を調整しようとしてはならない(骨折、落水)
・ファーリングするときは、ウインチを使わず、軽く手で操作できるはず
・ジブ、ジェノア(マストより後ろにリーチの来るものをジェノアという)
・強風時にセールが出てくるのを防ぐため、巻き取ったセールに少なくとも二周りシートが巻きついていなければならない

(安全)
・デッキの前後移動の際は「風上側」を通る
・裸足禁止
・常に片手はしっかりとしたものをホールド
・フロッキングしているセールには近づかない
・ライン類を手に巻かない
・デッキ作業はハッチを閉めてから
・アクシデンタルジャイブに注意し、コクピットでは常に頭を低く
・ハーネスは、コクピットを出る前にセット

(ボートハンドリング)
・ヒービングトゥー ①クローズにする ②タッキング ③ジブはそのまま。メインが帰ったら、船をビームリーチの位置まで落として、その後ゆっくりラフする。④ラダーを風上に切り、固定。 ⑤調整し、船は50-60度の角度で風に向かって安定する。
・バウが風上を向きすぎる場合は、フォアセールを引き、メインを緩めることでバウにかかる圧力が強まり、バウは風下に向かう。
・バウが風下を向きすぎるときは、フォアセールを緩め、メインを引いて推進力を強めることでバウが風上に切り上がる

(落水 MOB)
クローズホールド~ビームリーチで上っているときに落水が発生したら…
ヒーブツーに入るようにタック、そのままシブもメインも調整しないままジャイブしてサークリングのようにして落水者に近づく。再びタックしてMOBの風上に出る。ジブに裏風をいれて、ヒーブツー。
…図がないとわからないが…

(PFD)
・膝をまげて仰向けに浮かぶ。その状態で楽に浮かべ、呼吸できることを確認

(ハイポセラミア対策)
・体温は主に頭部から奪われるので、帽子をかぶるとよい
・温かい飲み物か、水をたくさん飲む
・ハイポセラミアの人をマッサージしない(冷たい血液による心臓発作の原因)
・北米では、毎年1000人の人が落水してから救助されるまで水上に浮かんでいることができずに死亡している

(プロップウォークの利用)
・キールの上で船を(時計回りに)回転させるテクニック ①エンジン1000rpm ②ラダーはスターボードいっぱいに固定 ③ギアを前進、後進の入れ替えを繰り変えず ほぼ同じ位置で船は時計回りに回転する
・極端に狭い場所で船を回転させるには…ショートバースト ①バウを回したい方向に舵をいっぱいに切る ②ギアを前進に入れ、急激に回転をあげる ③ラダーに水流が当たり、反動でスターンがスイングする。 ④ここでニュートラルへ入れ、惰性でバウが回るようにする

…などなど、学ぶところが多く、とても書ききれない。
ヨットの勉強に、終わりなし。








デズモンド・バクリイ『ゴールデン・キール』

2009年11月18日 | 海本コーナー
デズモンド・バクリイ『ゴールデン・キール』
宮 祐二訳、ハヤカワ文庫NV

冒険アクション小説。
ナチスの財宝を狙うヨット設計技師と、横取りしようとする悪党。

この手の娯楽小説?はいままでなんとなく敬遠してきたけど、読んでみると文句なく面白い!
あっという間に読んだ。
まあヨットの話はオマケ程度だけど、いちおう海の話なので、ここで取り上げてもいいでしょ?
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p134 ヨットの最大の楽しみの一つは、世界中どこへいっても自分が歓迎されるということだった。ヨットマン同士には一種の仲間意識があり、それは暗く不安定な世間にあって人を勇気づける性質のものだった。小型船の操船にはライセンスが要求されないという事実と相まって、この国際的な仲間意識が遠洋航海を世にも愉快なレジャーたらしめているのだ。

斎藤惇夫『冒険者たち』~ガンバと15ひきの仲間~

2009年11月11日 | 海本コーナー
斎藤惇夫『冒険者たち』~ガンバと15ひきの仲間~

子供の本を借りに行った図書館で、この本を発見!
昔、アニメで見た物語の原作。
「小学4・5年以上」と明記されているが、これは大人にこそ必要な本かも。
思わず通勤電車を乗り過ごすほどハマって読んだ。
これを読んだら、海に出ずにはいられない。
ガンバの友人・マンプクのセリフがカッコイイ!

恐るべし、岩波少年文庫。

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p13 (平穏な生活を送ってきたガンバは)…つまり、ガンバは静かな時に思い出されるようなことは、まだ何一つとしてしたことがなかったのです。したがって、食事のあとは、ただ静かに横になっている、というのが本当なのです。
p17 「ガンバ、海へ行かないか。」
p19 「ちぇっガンバ、そんな年寄りじみたことを言うなよ。お前の言葉は、まるで若いころ、散々あちこちを冒険してきたやつが、隠居して、孫でも集めていくことだ。おまえなんか海はおろか、何一つ知ってやしないじゃないか!そんなお前が、出まかせにしろ大きくて広いものなんて口にするなよ、お笑いだぜ。だいたい、夢見るってことと、海みるってことは、もともとは同じ言葉なんだぜ。どぶ川と海を間違えんなよ。それに、海を見ないで一人前の顔するなっていってたぞ。」

フランシス・チェチェスター『孤独の海と空』

2009年11月10日 | 海本コーナー
フランシス・チェチェスター『孤独の海と空』

あの有名なチェチェスター氏の半生記。
波乱万丈、面白い。
意外だったのは、一時は肺癌で一時は体重が半分になり、絶望視されたこともあったということ。本人さえあきらめた状況から、妻のシイラさんと、ヨットの力で復活し、さらに大西洋単独横断レースに優勝するという偉業を成し遂げた。
このことを知るためだけでも、この本を読む価値あり。
こんな人がいたことを、癌と戦っている人々に知ってほしい。
万一、将来自分が癌にかかったとしたら、その時はこの本を読み返し、ヨットに乗りつづけよう!

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p109 なおまた生きている喜びなるものは、行動するとき、物事を企てるとき、そして努力するときにこそ湧き出てくるもので、成功からくるものでないことをまだ学んでいなかったのだ。
p189 (ひどい肺癌に侵されたチェチェスターの診察後、外科部長と手術に反対する妻とのやりとり)「私の夫の手術はいけないと考えます。」彼女が言った。「あなたは、ご主人が永らえ得る唯一の機会を、手術の遅れで無駄にしていらっしゃるのです」「でも、主人は大病です。手術に耐えられないで死んでしまいます。」「しかし片肺だけで生きていける人もあるのですよ」「主人の肺は量肺ともひどく侵されておりますから、開胸なされば死んでしまいます。私は手術に対する同意を拒絶します」
p203 なぜだかわからないが、私は単独で事をやる方が他人たちと一緒にやるよりはるかに愉快だ。なんでも自分一人でやる方がはるかにうまくやれる。私は単独でなんでもするように生まれてきているから、ソロということから離れれば私は半人分の仕事しかできない。真に幸福でありうるためには、運命の命ずるままのことをするのが一番だ。」

ニコレット・ミルンズ・ウォーカー『アジズ号と私』

2009年11月05日 | 海本コーナー
ニコレット・ミルンズ・ウォーカー『アジズ号と私』
~大西洋単独横断記~
WHEN I PUT OUT TO OCEAN、by Nicolette Milnes Walker
岡本浜江 訳

著者は1943生まれ、当時28歳のイギリス人女性。
バリバリのセーラーではないので親近感が湧いてくる。
イギリス人だけあって、率直でユーモアあふれる文章、読んでいて楽しい!
難点は、あまりに楽天的で、風力9の嵐の文章を読んでも、ぜんぜん辛さが伝わってこないところところかな?

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◆キーワードなど
・1971年夏、女性で初の大西洋ノンストップ単独横断。
・船名AZIZ。船は「ピオエニール型」、30ft
・イギリス西部デール村出発、アメリカのニューポートまで
・4000マイルを44日半。
・コースは、デールから南西へ向かいアゾレス諸島サンミゲル島とサンタマリア島の間を抜け、ひたすら西へ。アメリカに千佳簀いたところでメキシコ湾流をもっとも細いところで横切り、東北東に変針してニューポート到着。

◆ピーン!ときたところ
p18 他人と争うのは面白くない。ただ世界とぶつかって、自分だけの力で生きのび、自分自身をためすというところに大いに面白味がある。もし成功すれば、その気分は満たされる。もし失敗しても、わたし一人が傷つくだけだ。…
p20 …行かないという確かな理由は見つからなかった。それで行くことに決めた。
p56 …これがヒーブツーなのだが、これで、著しい効果が現われ、あのすごかった激動と騒音が一変して、ゆっくりひょこひょこ揺れる程度になった。
p67 (天測作業について)この仕事hとてもおもしろくて、このためだけでも私は毎日の航海が楽しみだった。時には月や惑星に六分儀を当ててみることもある。でも別に必要だからではなく月や星があまり美しくて、六分儀を使わなくては申し訳ないように思えたからである。
p81 …なんにせよ、こちらから働き掛けるべきなのだと。
p194 私をニューポートの名誉市民とし、今後1971年6月26日を「ニコレット・ミルンズ・ウォーカー・デー」となす、という印象的な宣言を聞いて度肝を抜かれた。

◆目次
なぜ?
準備
出発
最初のしけ
思わぬ障害
クジラの海を行く
千マイルの彼方に
誘惑 その1
独り言
恐怖
訪問者
悪天候
悪戦苦闘
誘惑 その2
あと一息
アメリカ大陸発見
王冠を手にして
(裏表紙に若かりしころの堀江健一の書評(顔写真付き)あり。)

C・V・オールズバーグ『西風号の遭難』

2009年11月05日 | 海本コーナー
C・V・オールズバーグ『西風号の遭難』
~The Wreck of the Zepher~
村上春樹 訳

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子供用の本を借りに図書館へ行った。
絵本コーナーで見つけたこの本、絵がファンタスティック!
懐かしさ、不思議さ、そして色彩のセンスが気に入った。
…もし自分でクルーザーを買うか、建造する日がきたら、この西風号のような色にしたい。
温かみのある白いハル、ボトムは抹茶色と鶯色の中間くらいの緑色、その境界には色あせた感じの朱色の、太めのラインを入れる。
そうすると、リグはやはり木製のニス仕上げがいいけど、ちょっと非現実的だからまあガマンしよう。それより肝心の艇種はどうしよう?やっぱりこの色だと、アレリオン28かな???、でもアレリオンで伊豆諸島クルーズはきついかなぁ、などと夢(即物的ですが)が際限なく広がる絵本でした。

ちなみにストーリーは…
操船上手が自慢の少年が荒海に出て遭難、助けを求めた村ではなんと船が空を飛んでいた。さっそく飛び方を教わった少年が、自分の船で飛んで帰ったところ、あと一歩のところで林に激突、足にけがをした、という話。
絵本ですから!

(船が離水するところの描写は、水中翼のモスが飛び立つ光景を思い浮かべさせる。モス乗りの方、ぜひご一読を。)

◆クリス・ヴァン・オールズバーグってどんなひと?
http://saca.boo.jp/writers/ChrisVanAllsburg.html

◆いま欲しいフネ・ナンバー1、アレリオン28
http://www.usyachts.co.jp/alerion28page.htm



庄司邦昭『ショージ先生のフネの博物館めぐり』

2009年10月18日 | 海本コーナー
庄司邦昭『ショージ先生のフネの博物館めぐり』

フネ関係の博物館の場所、展示内容がまとめられている。
その数、日本全国67ヵ所。
旅行に行く前には、目的地周辺にフネの博物館があるかどうかちょっと調べていけば、ひとつ楽しみが増えるなぁ。

ちなみに私の職場(横浜)の近くには4か所もあった!
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・北海道函館市 メモリアルシップ摩周丸
・北海道函館市 北海道大学水産学部水産資料館
・北海道江差町 開陽丸
・北海道江差町 旧中村家住宅
・北海道小樽市 旧日本郵船株式会社小樽支店
・北海道小樽市 小樽市博物館
・北海道小樽市 小樽市鰊御殿
・北海道室蘭市 室蘭市青少年科学館
・岩手県宮古市 岩手県立水産科学館
・岩手県山田町 鯨と海の科学館
・秋田県秋田市 秋田県立博物館
・秋田県田沢湖町 田沢湖町立郷土資料館
・茨城県大洗町 大洗海洋博物館
・茨城県境町 境町歴史民俗資料館
・茨城県出島村 出島村郷土資料館
・栃木県小山市 小山市立博物館
・千葉県流山市 流山市立博物館
・千葉県野田市 野田市立博物館
・千葉県佐原市 千葉県立大利根博物館
・千葉県銚子市 銚子市立青少年文化会館
・千葉県勝浦市 黒汐資料館
・千葉県鴨川市 鴨川市郷土資料館
・千葉県館山市 千葉県立安房博物館
・千葉県木更津市 海めがね(技術資料館)
・千葉県市川市 市立市川歴史博物館
・千葉県佐倉市 国立歴史民族博物館
・東京都江東区 明治丸
・東京都江東区 東京商船大学百周年記念資料館
・東京都江東区 深川江戸資料館
・東京都江東区 江東区立親水館
・東京都江東区 東京みなと館 
・東京都江戸川区 江戸川区立郷土資料室
・東京都墨田区 江戸東京博物館
・東京都中央区 マリンミュージアム
・東京都台東区 国立科学博物館
・東京都港区 東京水産大学水産資料館
・東京都品川区 船の科学館
・東京都大島町大島町郷土資料館
・東京都新島村 新島郷土館
・東京都八丈町 八丈島歴史民俗資料館
・神奈川県横浜市中区 帆船日本丸
・神奈川県横浜市中区 三菱みなとみらい技術館
・神奈川県横浜市中区 氷川丸
・神奈川県横浜市中区 日本郵船歴史資料館
・静岡県戸田村 戸田存立造船郷土資料博物館
・静岡県清水市 フェルケール博物館
・愛知県名古屋市 名古屋海洋博物館
・長野県下諏訪町 下諏訪町立博物館
・新潟県十日町 十日町市博物館
・新潟県能生町 新潟県立海洋高等学校海洋博物館
・新潟県能生町 マリンドリーム能生 海の資料室
・富山県新湊市 帆船海王丸
・大阪府大阪市 交通科学博物館
・大阪府枚方市 淀川資料館
・兵庫県西宮市 神戸商船大学海事資料館
・兵庫県氷上町 水分かれ資料館
・広島市広島市 郷土資料館
・広島市木江町木江町 ふれあい郷土資料館
・山口県豊北町 豊北町歴史民族資料館
・福岡県福岡市 能古博物館
・福岡県直方市 直方市石炭記念館
・福岡県中間市 中間市歴史民俗資料館
・長崎県長崎市 グラバー園
・長崎県長崎市 長崎市出島資料館
・長崎県西彼町 長崎オランダ村海事博物館

入力、がんばった!

内野加奈子『ホクレア ~星が教えてくれる道~』

2009年10月18日 | 海本コーナー
内野加奈子『ホクレア ~星が教えてくれる道~ ハワイの伝統カヌー、日本への軌跡』


2007年1月から5ヶ月間、一隻のカヌーがハワイからミクロネシア経由で日本へやってきた。
そのカヌーは、ご存じハワイの伝統カヌー・ホクレア。
GPSや磁石などに頼らずに、星やうねりの方向などをヒントにして、伝統航海術を身につけたナビゲーターが針路をとる。

そのホクレアに乗り組んだ日本人の書いた本。
ホクレアの航海の様子がよく伝わってくる一冊でした。

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p57 航海に出る前に、220ほどの星の、水平線から上る位置と沈む位置を覚えておく。それが、私たちにとってのコンパスだ。ちょうど水平線がコンパスの外枠で、カヌーがコンパスの中心にいる、という感じ。
p57 あちこちから不規則にやってくるようにみえる波にも、かならず大きなパターンがある。水面とほぼ同じ高さにいると、そこにパターンを見出すことはとても難しけれど、たとえば飛行機にのって空高くから大海原を見下ろしてみると、表面にパターンがあることがよくわかる。
p62 星は、上る位置はいつも同じだけれど、上ってくる時間は毎日変わる。4という数字がとても役に立つ。星は毎日、前の日より4分早く水平線から昇ってくる。1か月で2時間、半年で12時間早く昇ってくることになる。そして星が天空を1度動くのにかかる時間も4分。
p84 「自分の持っているすべてを使ってスティアするんだ。皮膚で風を感じ、耳で風の音を聞き、目で帆の動きを追って、風を捉えるためのヒントを全部使うんだ。舵を握る手からは、カヌーにかかる水の力を感じとって。…」
p116 沖縄本島南部の玉城にある聖地のひとつ、ヤハラツカサと呼ばれる浜に向かった。




エノシマ文庫、ピンチ脱出!?

2009年10月03日 | 海本コーナー
10月3日、雨の土曜日。

エノシマのヨットハウスが建替えになるそうな。
今日は、その建替のために県が開催したハーバー利用者の意見交換会に出席した。

そもそも東京オリンピックのときに建てられたのだから、もう45年も前の建物。
いたる所で鉄筋が爆裂していたりしてかなり老朽化が目立つし、耐震性能も現行基準には及ばないからやむを得ないとは思う。
でも、ヨットを始めて12年間、ずーっとこの建物を使ってきたし、自分の結婚式の2次会のパーティーもこのヨットハウスだったから、それなりに愛着があるので、ちょっと悲しい。

個人的感傷はさておき、ちょっと困るのが、せっかく始めた「エノシマ文庫」の書棚の置き場所。いまはテナントのレストラン・カイの好意で、場所を借りられているけど、建替になったらテナントは改めて公募。カイがテナントに入れるか分からないし、入ったとしても、新しいきれいな店(いまが汚いと言っているわけではないが…)に書棚を置いてもらうのも忍びない。
ということで、早くもエノシマ文庫ピンチ!

どうしようかな?と考えた末、思いついたのが「新築するときに図書コーナーを作ってもらえばいいじゃん」ということ。
かなり短絡的な結論ではあるが、今日、意見交換会の質疑応答の際に、思い切って「ヨットハーバーに、図書コーナーを作っていただきたいのですが…」と発言してみた。

そしたらなんと、県の担当者も理解してくれて「書棚を設ける方向で進めます」という返事!
いやあ、言ってみるもんだなぁ。

その後の質疑応答は、基本設計の内容(ヨット利用者の視点からみると、ちょっとひどい)についての文句や、ヨット団体からの抗議などで少々荒れ気味となったけど、ひとり晴れやかな気分で会場を後にしました。
平成25年に完成する予定なので、それまでにちゃんとエノシマ文庫を育てておかねば…。
ガンバロウ!





舵 ~オリンピックヨット 写真特集(1964年 No.256)~

2009年10月03日 | 海本コーナー
舵 ~オリンピックヨット 写真特集(1964年 No.256)~

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江ノ島ヨットハーバーに作ったエノシマ文庫に、歴史あるヨット雑誌の「舵」バックナンバーが多数仲間入りしました!
(鬼崎の大橋さんの寄贈です。感謝)

そのなかに、江ノ島のヨットハーバーの原点でもある東京オリンピックの特集号があります。1964年なので、もう45年も前の古雑誌だけど、エノシマのハーバーを利用している私にとってはとっても興味深い写真が満載。
これは読みごたえ十分。
毎年恒例のノルウェーカップの起源もわかりました。

今も江ノ島には、オリンピックのころからエノシマで乗っているオールドセーラーがきっといるはず。そんな人に、ぜひ読んでもらえればと思います。
そしてその頃の話を若いセーラーにして、それが語り継がれていくようなハーバーになればイイナア!